インキュベーター入居企業紹介:HAKKI

OISTイノベーションインキュベーターでは多様な人や企業が集まり、独自のイノベーションエコシステムを形成しています。本記事では、外国人起業家に対して幅広い支援を提供する合同会社HAKKI CEO 齋藤 浩之氏に、OISTイノベーションインキュベーターへ入居したきっかけや、OISTイノベーションインキュベーターへ入居することの利点をお聞きしました。

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貴社の事業内容について教えてください。

私たちの主な事業は、研究開発型スタートアップの事業立ち上げ支援です。スタートアップの立ち上げには、多岐にわたる支援が必要です。そのため、フルタイムの従業員に加え、様々な専門性を持つ方に副業で関わっていただいて、経理労務や給与計算、記帳代行といったバックオフィスのサポートから、営業やマーケティング、COO業務の代行まで、幅広い支援を提供しています。

特に、日本では外国人起業家に対する支援が不足しています。東京でさえも十分といえない状況ですが、地方においては、英語で会計や営業、マーケティング等の話ができる人材はさらに限られます。私たちは、各分野の専門知識を持ちながら英語で対応できる人材を集め、外国人起業家が日本で事業を立ち上げる際に支援できるチーム作りを目指しています。現在はOIST関連の外国人起業家が立ち上げたスタートアップを中心に、10社以上を様々な形で支援しています。

その他、大企業の新規事業立ち上げ支援や、海外企業の日本展開支援にも取り組んでいます。

OISTイノベーションインキュベーターに入居した理由を教えてください。

新卒で入社した東京の大手商社に勤めた後、スタートアップへの転職を経て地元の北海道に戻り、友人が起業した会社で、中小企業への経営支援を行っていました。しかし、久しぶりに戻った北海道の寒さに身体が耐えられず(笑)、子育ての環境面でも妻の地元である沖縄への移住が頭に浮かびました。その際、OISTイノベーションインキュベーターに入居するレキサンの島村さんに転職相談をしたのがきっかけです。

結局、転職はせず、沖縄に移住後もしばらく個人事業主として活動していましたが、島村さんにはその後も起業について相談に乗っていただいていました。あるとき島村さんの紹介でOISTインキュベーターに入居する外国人起業家を手伝うことになったのですが、インキュベーターに通う中で彼以外にも支援が必要な外国人起業家が多く存在することを知りました。そこで、外国人起業家にフォーカスした支援を提供する会社を起業することを決意し、活動拠点としてOISTイノベーションインキュベーターに入居することにしました。

OISTイノベーションインキュベーター現在の利用方法を教えてください。

自分を含む、フルタイムのメンバー3名が日々出勤し、オフィスとして利用しています。 

OISTイノベーションインキュベーターに入居するメリットとして感じていることを教えてください。

外国人起業家をサポートする事業を行う私たちにとっては、創業者が外国人であることが多いOIST関連のスタートアップと出会い、密接に関われる最適な環境です。

また、EFポリマーのような一歩先を行くスタートアップのメンバーと日常的に顔を合わせ、気軽に会話できることも大きなメリットだと感じています。入居しているスタートアップ同士が悩みを共有したり、投資家を紹介し合ったりする場面も見受けられます。

さらに、OISTでは様々なイベントが開催されています。著名な方々がOISTだからこそ講師として来てくださる機会も多いです。こうした情報や機会にアクセスできることも、OISTイノベーションインキュベーターに入居する大きなメリットだと考えています。

どんな企業にOISTイノベーションインキュベーターへの入居をおすすめしたいですか?

ベンチャーキャピタルの方々に入居していただき、スタートアップと定期的に接点を持ってもらえると良いですね。OIST周辺には魅力的なスタートアップが集まっており、ベンチャーキャピタルの方々にとって良いディールソースになると思います。ホットデスクを契約し、四半期に一度ワーケーション的に訪れる形で利用していただけると効果的ではないでしょうか。

また、行政書士、司法書士、税理士、社労士、弁護士などの士業の方々で、さらに英語対応が可能な方々に入居していただけると、支援を必要としているスタートアップにとって非常に助かる存在になると思います。

さらに、沖縄県内の大手企業にも席を設けることを強くお勧めしたいです。同じ場所で定期的に顔を合わせるからこそ生まれるコミュニケーションやコラボレーションの機会は大きいです。また、入居スタートアップと交流することで、彼らの事業立ち上げの様子やディープテックスタートアップ、外国人起業家ならではの視点を知ることができ、視野が広がります。新規事業を検討している県内企業には、ぜひ入居を検討していただきたいと思います。

OISTイノベーションインキュベーターに今後期待することがあれば教えてください。

スタートアップのバックオフィス支援のボリュームが増え、書類がたまってきているので、新設されるインキュベーターでは個室を利用できるとありがたいです。

また、現在はスペースの関係で活動場所が分散している企業が、新しいインキュベーターで一か所に集まることにより、交流の機会が増えることを楽しみにしています。メインキャンパスのカフェからは少し距離があるため、インキュベーター周辺でも昼食やコーヒーを買える場所ができれば、さらに交流が促進されるのではないかと思います。

(取材日:2024年8月13日)

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