FAQ

よくあるご質問

お問い合わせ:accelerator@oist.jp

1. OIST Innovation Acceleratorとはどういうものですか?ほかのアクセラレータープログラムとの違いは何ですか?

OIST Innovation Acceleratorは、従来のアクセラレータープログラムとは異なる取り組みで、ブートキャンプ型コンペティション、起業家育成プログラム、そしてスタートアップ・インキュベーターが一体となったプログラム構成としています。世界中のスタートアップが競い合い、選ばれたチームは最大10ヶ月間沖縄に滞在し、 OIST の教育リソース、ネットワーク、個別コーチング、最先端の研究施設・設備を活用する機会を得ることができます。このユニークな滞在型プログラムは、ディープテック・スタートアップが研究室の技術を市場へ展開するために必要な時間と専門的なリソースを提供します。

2. プログラムへの参加条件は?

技術成熟度(TRL)レベル3~6(下の表を参照)に該当する革新技術を持つ国内外の起業家が対象となります。あらゆる技術分野を対象としていますが、中でもOISTはエネルギー、健康長寿、モビリティ、水資源、農業、住宅、マテリアルといった社会や地球の持続的発展に貢献する分野に高い関心を寄せています。このプログラムの性質上、医薬や製薬の臨床実験を必要とするプロジェクトおよびサードパーティー製品の販売を行う法人への助成は行いません。(ただし一部の非臨床実験については例外となる場合があります)

技術成熟度レベル(TRL)

  • TRL 0: アイデア 証明されていないコンセプトで、実証されていない技術
  • TRL 1: 基礎研究 基本原理が仮定または観察されているが、実証的な証拠が得られていない技術
  • TRL 2: 技術形成 コンセプトや応用が明確化されている技術
  • TRL 3: 応用研究 初期実験が完了し、概念が実証されている技術
  • TRL 4: 研究室の環境でプロトタイプが構築されている技術(「完璧ではない」プロトタイプ)
  • TRL 5: 相応の環境でプロトタイプが実証されている技術
  • TRL 6: 相応の環境において、プロトタイプが期待される成果を実証した技術
  • TRL 7: 実際の利用環境におけるデモンストレーションを実施できる技術
  • TRL 8: 商用向けの技術 製造上の問題が解決され、初期の商品/サービス開発が行われた技術
  • TRL 9: 商用の技術 顧客により利用可能な商品/サービスが提供されている技術

参考:欧州委員会資料

3. 事業費はいくら支給されますか?

選ばれたプロジェクトには、プロジェクト計画に応じて最大1,000万円のNon-dilutive資金が支給されます。

4. エクイティについては?

OISTはプログラム参加の対価としてのエクイティ付与は求めません。私たちの目標は、沖縄、日本、そして世界に大きな影響を与える可能性のある初期段階かつ商業化前の技術をサポートすることです。また、OIST周辺に起業家コミュニティを発展させ、スタートアップ企業が沖縄の産業や学術研究コミュニティと交流し恩恵を受けることができるようにすることを目指しています。


5. プログラム期間中にチームが生み出す知的財産(IP)の所有権は誰にありますか?

プログラム期間中にチームが生み出す知的財産(IP)の所有権は発明者に帰属することとし、OISTはプログラム参加の対価としてこれら知的財産権の譲与等を求めません。なお、OISTは参加者に対して知財出願プロセスに関する情報提供やガイダンスを行い、また、選ばれたチームは、IP出願費用として予算を配分することも可能です。


6. 事業費の利用に制限はありますか?

事業費の用途はOISTおよび助成金のスポンサーにより設定されたルールおよび規則により定められています。一般的に以下のような用途に利用できます。

  • 人件費(給与、住居、社会保険など)※プログラム期間中、OIST職員として沖縄に移住するメンバーのみ対象。
  • 研究室やオフィスの消耗品(固定資産、PC購入費用は対象外。)
  • 委託費(自社/外部自チームへの発注は対象外。)
  • 出張旅費
  • 知的財産(IP)出願費用


7. プロジェクト費用のほかにどのようなリソースが提供されますか?

プロジェクト費用に加え、各採択チームには技術的な専門家や行政機関、産業界のメンターによる指導を提供します。また、参加者には以下のサービス等が提供されます。

  • インキュベーションセンターの研究室およびオフィススペース
  • OIST内の最新共有施設や機器へのアクセス
  • 産業界の専門家や投資家といったビジネスネットワークへの橋渡し
  • 知的財産や法人設立に関する専門的サービス
  • 事務サポート


8. 「テーマ」とは何ですか?

私たちはすべての業界分野の起業家を受け入れており、それぞれのテーマに適した専門的なリソースとの連携機会を提供しています。


9. このプログラムには決められた期間がありますか?

参加者の引っ越し、雇用契約やビザ取得に要する期間等を考慮し、通常の実施期間は6月1日~翌年3月31日と設定しています。


10. 応募プロセスとスケジュールを教えてください

  • 6月~8月:応募受付開始
  • 8月末:Stage 1 へ進むスタートアップの選考
  • 9月:Stage 1 トレーニング(オンライン)
  • 10月:Stage 2 へ進むスタートアップの選考
  • 12月:Stage 2 ブートキャンプコンペティション(2週間、沖縄・OISTにてオンサイト開催)
  • 1月:Stage 3 へ進むスタートアップの選考
  • 6月:Stage 3 アクセラレータープログラム開始(最大約10ヶ月)


11. 応募方法は?

応募手順をご参照ください。


12. 自分以外にチームメンバーがいる場合は?

本プログラムにおいて、参加者はインテンシブな事業開発、資金調達、および研究開発活動に取り組むことになります。そのため、最低2名のチームで参加するほうが成功の可能性が高いと考えています。なお、人件費を含むチーム全体の資金は、割り当てられた予算内で管理する必要があります。


13. 目標達成できるチームとして求めるものは何ですか?

まず一番に求めるのは、チームメンバーの情熱と意欲です。起業家への道のりは刺激的かつ影響力にあふれるものですが、同時に難題や乗り越えるべき壁との戦いでもあります。自身が持つ技術に対して良い時も悪い時も情熱を持ち続けられるかどうかを判断しています。また以下に基づき審査を行います。

  • OISTの環境や支援体制との適格性:OISTや沖縄についての知識、そしてプログラム期間中に応募者の技術が沖縄でどのように事業化に近づけることができるかの理解
  • 技術的優位性:応募者の技術や市場の需要に対する深い理解
  • 市場性:応募者の技術の価値提案、そして市場の規模や市場環境の理解
  • プログラム期間中の成果の実現性:約10ヶ月のプログラム期間の中でどう技術の商業化を達成できるか
  • 沖縄や国内外への社会的貢献の可能:応募者の技術が、人類や地球に長期的にプラスの影響をもたらし、沖縄や日本、世界が必要とする市場の喫緊の課題を解決できるかどうか


14.  「情熱と意欲」とは何を指しますか?

まず、応募者自身の製品やサービスに対する信念です。そして、その製品やサービスを世界に届けるためのスタートアップ設立に向けたコミットメントです。また、そのゴール達成のために、拠点を沖縄へと移し約10ヶ月間OISTでこのプログラムに参加し、研修やイベントにも参加する意思があることを指します。


15. アイデアはあるが技術的専門知識や技術がない場合は?

応募者自身の技術/サービスの商業化に向けて、チームとして必要な専門知識や技術スキルを有していることが前提となります。このプログラムにおいてOISTの研究者が共同研究や技術支援を行うことはありません。また、大部分が外部委託となるプロジェクトの応募は推奨しません。


16. 応募の前にプロトタイプが必要ですか?

応募者自身の技術の概念がすでに実証されていることが前提となります。(ラボにおいて意図された通りの動作が確認できたデータを提示する等。)実現可能性の検証が完了していないアイデア段階の技術の応募は推奨しません。


17. すでにスタートアップを起業している場合でも、プログラムへの応募できますか?

はい。沖縄で新たに法人を設立する、または既存の会社の拠点を沖縄に移す意思をお持ちの起業家はプログラムへの参加が可能です。


18. すでに資金も調達していますが、このプログラムへの応募資格はありますか?

はい、その場合でも応募は可能です。OISTからのプログラム資金や教育的支援等を受けることができます。


19. 沖縄に拠点を移さずリモートでこのプログラムに参加することはできますか?

リモートでの参加はできません。このプログラムは起業家が実際に私たちとともに活動していくことを想定して構築されています。さらに、このプログラムの最大の利点は、OISTが持つ最新鋭設備や機器が利用できることです。このプログラムから優れた科学技術系のスタートアップを創出するためにも、これは重要な要素と考えています。なお、CEO、CTO、CSOなど、スタートアップのオーナーシップを持つ(または持つ予定の)創業者のうち少なくとも1名は、プログラム期間中OIST職員として沖縄に移住し、プロジェクトを主導する必要があります。


20. 沖縄への移住およびOISTでの入所研修等のプロセスはどうなりますか?

採択されたチームが沖縄に拠点移動に際するサポートを提供します。サポートには、移転費用(片道渡航費)、住居探し、銀行口座の開設、OISTや沖縄での生活に関するオリエンテーションなどが含まれます。なお、プログラム期間中の住居については、参加者からの希望があれば、OISTキャンパス内のアパート(有料)を提供可能です。その場合、OISTの住居手配に従い、他のプログラム参加者と2ベッドルームまたは3ベッドルームのユニットをシェアしていただきます。


21. プロジェクトのために使えるOISTの施設や機器にはどのようなものがありますか?

OIST には、イメージング、DNA解析、ナノファブリケーション、機械工学など幅広い研究活動を支援するための共有の研究施設や機器があります。施設や設備の詳細についてはリンクをご参照ください。


22. 秘密保持契約を結ぶことになりますか?

いいえ。OISTが秘密保持契約を結ぶことはありませんが、応募書類の秘密性に対する守秘義務は順守します。


23. プログラム終了後は、沖縄で起業する必要がありますか?

本プログラム終了後に沖縄で会社を設立することを義務付けるものではありませんが、OIST周辺の環境が参加スタートアップの成長や次のステージへの発展に適していると感じていただけることを願っています。なお、参加者が日本での会社設立を決定した場合は、法人登記や事業登録の手続きをサポートいたします。


24. プログラム参加にあたり日本国籍、または事前に就労ビザが必要ですか?

いいえ。本プログラムに採択され、OISTでの就業に就労ビザが必要な場合、OISTがプログラム期間中の就労ビザを支援します。ただし、就労ビザの資格要件を満たさない場合は、本プログラムに参加することはできません。プログラム終了後は、日本でスタートアップを継続するために必要となる経営管理ビザの取得方法についてOISTがガイドします。経営管理ビザの取得には、日本の関連法規で定められたさまざまな要件があり、手続きが必要です。なお、本プログラムの予算では、日本法人の登記費用や経営管理ビザ取得費用をカバーすることはできません。