科学を広く発信
OISTでは科学的な発想や概念を学内のみならず、沖縄の人々にも広めるべく取り組んでいますが、その熱意の表れとも言える2つのイベントが先日開催されました。
5月25日(土)には、英国の著名な物理学者、マイケル・ベリー卿による一般公開講演会が開催され、OISTの講堂に350名の聴衆がつめかけました。「物理の七不思議」と題した講演でベリー卿は、セバーン川の海嘯(河口に入る潮波が河を逆流する現象)、過剰虹、糸ほどの量で車を走らせる燃料、日没時に見られるグリーンフラッシュ、量子物理学とCDプレイヤー、ミクロの世界で起きる不思議な現象、神秘的な金色を七不思議に挙げ、様々な事象、装置やプロセスの裏側にある物理特性を説明しました。
それぞれの現象が分かりやすく紹介され、なかでもミクロの世界で起きる不思議な現象について、ベリー卿は講堂の外で見つけた緩衝材の廃材を使ったデモンストレーションを行い、聴衆の興味を引きました。
5月27日(月)には、OISTコロキアムとして、カミール・パルメザン博士が「生物多様性を脅かす地球温暖化の影響を探る:保全の動向と発見、今後に向けて」と題した講演を行いました。パルメザン博士は、気候変動がいかに科学的に計測可能な影響を多くの動物や昆虫類に与えているかについて興味深い話をされました。博士は気候変動の影響に対処する取り組みの成功例と共に、温度上昇が絶滅の危機をもたらすというシナリオも紹介しました。パルメザン博士は、ただ環境保護を訴えるのではなく、科学的なデータや分析に基づいた結論と提言により講演を締めくくりました。
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