3.1 方針
本沖縄科学技術大学院大学教員ハンドブックは、教育、研究、任用、昇進、及び統制を含む教員に関する方針を規定するものです。教員担当学監は、教員の、任用及び昇進、給与、サバティカル、苦情、並びにその他の教員に関する全般的な事項に関し、本学の基本方針を実施する責務を負います。教員担当学監は、理事会及び代議員会により設定された基本方針が遵守されることを確保し、本教員ハンドブック及び教員の記録を維持管理し、新たな基本方針を設定する場合には本学の役員及び委員会と協働し、外部からの問い合わせに対し回答します。
3.2 教員配置
3.2.1 教員編成
(「設置の趣旨等を記載した書類」の)第1章「設置の趣旨及び必要性」で述べた運営指針に従って、卓越した教員を任用することにより、本学は「世界最高水準」の地位の確立に向けて鋭意努力します。教員の少なくとも半数を外国人とし、また国際的な経験と見識を持ち合わせた教員を招くことにより、「国際性」を実現します。教員学生比率は、約1:3とします。
全教員は英語で教育を行うことが求められます。
教員は、卓越した研究及び成果発表を継続すること、本学の教育課程全般に貢献すること、大学院生の研究プロジェクトを指導すること、また本学の教育スタッフとして相応の職務を担うことが期待されています。
3.2.1.1 専任教員
専任教員は、教授及び准教授(アソシエイトプロフェッサー、アシスタントプロフェッサー)のいずれかとし、全員が独立した研究プログラムを有し、大学院で講義し、研究指導を担当します。
3.2.1.2 専任教員以外の教員
3.2.1.2.1 アジャンクトプロフェッサー
専任教員では満たせない特別な要件を満たすため、また機関間で行われる共同プロジェクトを遂行するためにアジャンクトプロフェッサーを任命することができます。
本学でのアジャンクトプロフェッサーの任命は例外的に行われます。アジャンクトプロフェッサーの総数は、専任教員全体の10%以内とします。アジャンクトプロフェッサーは通常、本学と雇用関係にはなく、本学で務める時間は25%を超えないものとします。アジャンクトプロフェッサーの契約期間は3年から5年で、例外的に学長が招請した場合にのみ延長することができます。アジャンクトプロフェッサーは研究ユニットを持ち、任用に適した研究資源が提供されます。アジャンクトプロフェッサーは追加で外部資金を獲得する資格があり、それが推奨されます。
アジャンクトプロフェッサーの候補者は学長、プロボスト、ディーン、又は教授会議長により提案されます。学長が候補者を承認すると、教員選考委員会が招集され、選考プロセスが始まります。
選考書類はPRP 3.2.4に記載された通常の手順に従って審査されます。任用の基準は、PRP 3.2.4.3 (c)に記載されています。教員担当学監は委員会からの推薦内容を審査し、学長が任命に関する最終決定を行います。最終承認を受けた候補者は、研究科長及び教員担当学監と協議の上、研究、授業、大学行政サービスについて、適切な範囲及び内容を含んだ計画を作成します。
アジャンクトプロフェッサーの研究ユニット審査は、PRP3.2.7に記載された通常の研究ユニット審査のプロセスに基づいて行われ、契約終了の2年前の末までに終了します。学長が承認した場合、アジャンクトプロフェッサーの任期を更新することができます。
本学以外の機関でテニュア付き以上の職位にあり、本学で行われた直近の研究ユニット審査(最低一度は審査済みであることが必須)で優れた成績を収めたアジャンクトプロフェッサーは、専任教員への転向に応募するよう、学長から勧められることがあります。アジャンクトプロフェッサーは、応募する目的のため必要に応じ、研究ユニット審査を予定より早く実施することを要望することができます。本学の研究ユニット審査の結果及び候補者の現所属機関で行われたこれに相当する審査の結果が提出されなければなりません。現所属機関での審査が行われていない場合、その代わりとして、候補者の研究分野において実績があり、かつ独立した上級の科学者から少なくとも2通の書簡を収集する必要があります。
また、上記二つの審査結果、あるいは同等の審査結果のほか、適切で独立した学外評価者から2通の書簡を収集する必要があります。
教員担当学監が設置した教員転向審査委員会は、学外評価者の選出、書簡の収集後、任命について審議し、承認する場合は推薦書を提出します。次に、アポイントメント&プロモーション・コミッティーで全ての書類を審査・審議し、承認する場合は推薦書を提出します。同コミッティーの審議結果は、教員担当学監を通して学長に提出され、教員担当学監もまた、自らの推薦書を学長に提出します。学長が、専任教員への転向に同意する場合、理事会に諮り最終承認を得なければなりません。
3.2.1.2.2 トランジショナルプロフェッサー
新教員が専任教員として本学に着任するまでの移行期間、又は退職する教員が進行中の研究活動や教育・指導を遂行するための移行期間において、その者をトランジショナルプロフェッサーとして任命することができます。
3.2.1.2.3 連携教授
本学以外の研究機関で教員職に就いており、その外部機関でOISTの学生が研究活動を行う際に指導するなど、実際にOISTと共同研究の計画がある場合、連携教授として任命することがあります。連携教授は、OISTの専任教員ではないため、教員数には加算されませんが、大学設置基準第十四条から十六条の二の要件を満たしている必要があります。連携教授は、通常3年の任期制で、被任用者と業務委託契約を締結します。
連携教授は専任教員と同じ責任を負いませんが、教鞭を執ることが求められ、学外委員として委員会への参加を依頼される場合があります。連携教授は、OISTで研究ユニットの運営は行わず、教授会にも出席しません。連携教授は、必要に応じて本学に来校することが求められ、必要に応じて本学がリソースを提供します(連携教授ガイドライン)。
教員担当学監が教員で構成される委員会メンバーを任命し、その委員会が連携教授の候補者の任用と契約更新について推薦を行います。委員会は、候補者の指導能力及び研究能力を評価するため、学内及び/または学外から3通以上の書簡を集めます。教員担当学監は委員会からの推薦内容を審査し、学長が任用に関する最終決定を行います。また委員会は、連携教授に関連する問題が発生した場合、それについて協議します。
本学と連携教授の所属機関との間の覚書(MoU)に記載された要件に準じ、連携教授は本学と業務委託契約を締結します。このような覚書は、本学学生の健康維持と福祉、住居、出張、研究同意書、さらに必要に応じてその他の事項等を規定するために必須です。また、係る共同研究に関与する連携教授及び本学職員のための経費、出張、及び研究に関する合意事項についても覚書に記載する必要があります。
3.2.1.2.4 ビジティングプロフェッサー(客員教授)及びサバティカル客員教授
ビジティングプロフェッサー(客員教授)及びサバティカル客員教授は、他大学で職を持つ教員で、本学に研究資源を有しませんが、相当の時間を本学で費やします。客員教授は、授業科目を運営又は支援すること、国際ワークショップに寄与すること、及び共同研究に参加することによって、本学に貢献します。客員教授は博士論文研究の研究指導教員にはなりませんが、論文指導委員会の委員を務めることができます。
名誉教授についての定義は、PRP 3.3.1に記載されています。
3.2.2 教育割当
本学は、優れた研究と教育を行うことを使命としています。教員の昇進及びテニュア審査においては学識及び教育能力が第一義的な要素であることから、授業科目を構築しコーディネートすることは教員のキャリア形成にも重要です。最重要視されるのは教育内容の質ですが、全教員が優れた教育を十分な時間数提供し、特定の個人が過剰な授業数を負担することがないよう、教育の負荷を公平に割り当てることも大切です。
研究科長は、コースコーディネーターを指名するとともに、授業科目毎に参画する教員を決定します。コースコーディネーターには、その授業科目の授業内容、教育方法、評価方法等を統括させます。教員は、担当する授業科目のシラバスで示される学問領域について、深い知識を持っていることが期待されます。
教育割当のガイドライン
- 専任教員は全員、任命の2年目から、年間2単位を担当することが求められます。例えば、承認された2単位の選択科目を1つ教えるか、1単位の科目を2つ教えるかすれば、2単位分を達成することができます。
複数の教員が教える選択科目の場合、教員1名をコースコーディネーターに割り当てます。コースを統括することは、科目開始の初年度において2単位(2単位科目の場合)、それ以降は調整の複雑さに応じて交渉することで1単位又は2単位分の授業数に相当します。選択科目を担当するだけの教員は、単位を達成したものとみなされません。ただし、講義期間が数週間に及ぶ場合は、研究科と単位について交渉することができます。 - 2年以上にわたって教育の責務(単位数)を果たすことも可能ですが、この場合、当該年数分の全ての教育責務(単位数)を実現する必要があります。講義科目に登録する学生がいない場合においても、教員はIndependent Studyを指導する、又はSpecial Topicを提供するといった手段により、必要な単位数を教授しなければなりません。
Independent Study及びSpecial Topicsの詳細については、研究科のホームページに記載します。 - 教員は、正規のカリキュラムの安定化のため長期的に取り組むことを前提に、毎年複数の選択科目を教えることができます。学生がIndependent Studyを希望し、教員の専門知識が当該学生の要望を満たすことが可能な場合、その教員は当該学生を指導することが奨励されます。教員から提供される通常の選択科目に学生の登録がない場合、Independent Study又はSpecial Topicの科目は、必要な年間教育単位に算入することができます。
- アジャンクトプロフェッサーは、本学での勤務時間に比例した分の教鞭を執ることが求められます。例えば、本学での勤務時間が50%のアジャンクトプロフェッサーは、1単位分の貢献をすることが求められます。勤務時間が50%以下のアジャンクトプロフェッサーは、研究科と教育活動の機会について協議しなければなりません。
- 連携教授はOISTで教育を行う義務があります。
- 本学は文部科学省に対して、教員審査を経た教員による教育を行う責任と義務を負っています。教鞭を執ること及び代理の教員を立てることを拒否するなどの教務責任の放棄は、研究科から教員担当学監オフィスに報告され、教員は年間業績評価時に説明責任を負います。ビジティングプロフェッサー(客員教授)や講演者を招いて教育を更に充実させることも認められていますが、一定のガイドラインに従わねばなりません。
教員のサバティカル休暇の規定に基づく場合を除き、教員の責務を代行する代理教員は認められません。ビジティングプロフェッサーによるゲスト講義は歓迎されますが、研究科長による事前承認が必要です。その承認は、講義の目的に適った教育内容と手法であることの確認に基づいて行われます。ゲスト講義に関する承認申請は、書式[Link]を用いて、講義の1か月前までに提出してください。 - 研究科長及び教員担当学監の同意を得て、教員以外の研究員(シニアスタッフサイエンティスト、サイエンス・テクノロジーアソシエイト、スタッフサイエンティスト、ポストドクトラルスカラー)は、教員の指揮のもと授業に貢献することができます。教員以外の研究者は大学院生に対し、主任的な指導はできませんが、彼らの研究課題指導の補助をすることができます。このような研究スタッフが教務に携わる場合、自身のプロジェクトに関連があり、自身の学術的な進展に寄与し、研究科によって記録が残される必要があります。そのような場合には、予定の授業に本学の教員が同席し、指導や教育の質管理を行うものとします。教員の講義代行として教務に携さわることは認められません。教育活動への貢献を、教員以外の研究者の評価基準に含めることができます。教育活動を希望する非教員は研究科ハンドブックの該当セクションを参照してください。
- 他の教育や大学行政に係る責務を、必須の教育割当と相殺することはできません。他の教育に係る責務とは、アカデミック・メンター、入学者選抜委員会及びカリキュラム・審査委員会を含む委員会、博士論文研究の指導、ラボ・ローテンションの指導、及びリサーチインターンの指導等が含まれます。
3.2.3 研究ユニット
研究ユニットは、本学における教員による研究活動の運営単位です。アシスタントプロフェッサーを含む全専任教員は、独立した研究ユニットの主宰者となります。非階層的な教員組織と、学部を有しない構造は、ユニット間の交流や、スペース、設備、及び専門知識の共有を促し、学際的研究活動を促進します。研究ユニットは、ポストドクトラルスカラー、スタッフサイエンティスト、シニアスタッフサイエンティスト、又は技術員を任期制で任用することができます。更新任期制としての任用を行うために、ユニットの長は研究員任用委員会に提案を行うこともできます。スタッフサイエンティストはシニアスタッフサイエンティストにノミネートされることができます。ポストドクトラルスカラーは任期制の雇用とします。研究ユニットのニーズに応じて、研究ユニットの事務を担当する職員も任用でき、その職員は複数の研究ユニットを担当することもあります。教員は、任期制雇用の研究スタッフを任用するにあたっては、重い責任を有します。スタッフの教育及びキャリア開発の必要性が考慮されていることを確保する必要があります。
3.2.3.1 教員以外の研究職
教員以外の研究職には、以下の5つの分類、すなわちポストドクトラルスカラー、スタッフサイエンティスト、シニアスタッフサイエンティスト、技術員、及びサイエンス・テクノロジーアソシエイトがあります。教員以外の研究スタッフは、3.2.2の第6号で定める、限定的な教育職務を引受けることができます。教員以外の研究職それぞれの定義については4.2に定めます。
3.2.3.2 研究ユニットメンバー退職時の教員の責任
研究ユニットメンバーが退職する時、教員は、その職員が必要な手続きを滞りなく行うよう監督する責任があります。これには、当該メンバーが関与する研究計画の変更申請や、学内の関連委 員会や外部資金団体からの承認を得ることが含まれます。また、その職員が使用していた物品、試料及 びデータについて把握し、それらの移管、廃棄、保管に必要な手続きが取られるようにしなければなりません。
3.2.3.3 研究ユニットの閉鎖
教員が定年退職又は辞任する場合、契約終了日又は教員担当学監が指定する日をもって研究ユニットは閉鎖されます。退職する教員は、研究ユニットの閉鎖に必要な事務処理及び手続きを取り、期日までに適切に研究ユニットを閉鎖する責任があります。教員は、関連部署と連携して、ユニットを閉鎖するための諸々の手続きを取らなければなりません。手続きは、下記の内容を含みますが、これらに限定されません。
- 研究ユニット閉鎖について、研究ユニットメンバーに速やかに通知し、メンバーが、退職や別ユニットへの異動に備えられるよう計らい、ユニット閉鎖のプロセスへの協力を指示する。
- 指導する学生がいる場合、当該学生の博士課程の研究指導の引き継ぎについて、研究科長に相談する。
- 安全や倫理に関する委員会の認可を必要とする進行中の研究計画について、終了の手続きを取る。
- 共同研究同意書や外部資金に係る受託研究等について、終了や移管に必要な手続きを取る。
- 研究データ、研究試料、ラボノート等の保管や持ち出しについて、適切な措置を取る。
- 特許等の知財がある場合、その管理について適切な手続きを取る。
- 研究試薬及び廃液等について、適切な処分を行う。
- 固定資産(ユニットで使用していたソフトウェア、IT機器、研究機器、什器等)について、ユニットにおいて固定資産実査を行い、IT部門及びコアファシリティの適切な部署に引き渡す。退任する教員又は教員に委任されたユニットメンバーは、関連部署による現場検査に立ち会い、固定資産の状態や損傷について確認する。
- 研究ユニットに割り当てられたラボ、デスク、オフィスなどのスペースの片づけを行い、保管や移管を必要としない物品を処分する。
研究ユニットの閉鎖に関する手続きの詳細は、ユニット閉鎖ガイドライン[Link]を参照してください。
3.2.4 教員の採用及び新規教員の任用
本学教員の選考は、可能な限り優秀な教員を確保するために、高度に国際的な候補者選定基準に基づき行われます。手続は、ファカルティ・サーチ・コミッティー・ハンドブックに記載されています。
任用手続の全体においては、特定の個人、及び当該個人に関する他者の意見について議論する必要があります。この情報及び関連するその他の情報は、議論の参加者全員により厳重に機密に保たれなければなりません。本学は、候補者に関して受領する情報の機密性を保つため、候補者の個人情報を保護するための広範な措置をとります。
3.2.4.1 可能な限り優秀な教員の獲得戦略
本学の教員募集は、オープンな競争を通じ、最高水準の学術研究の基準をもって厳格な審査(外部評価を含む)を経て行います。世界水準の研究者を招くためには、優れた研究環境を提供する必要があり、学内で分配される研究資金は特に考慮を必要とする事項です。研究資金は、承認された5年間の予算計画を基に分配され、実際の予算、及びユニットに生じた変更事情に合わせて、年度毎に調整されます。教員は、外部資金の獲得も奨励されます。世界水準の研究者を招くために、本学は海外の一流大学に引けをとらない給与、旅費、その他のベネフィットを提供する用意があります。
3.2.4.2 教育研究スタッフの年齢及び性別の構成
本学の教員募集方針としては、教員の年齢構成バランスに配慮します。これにより、本学の教員組織に、将来性のある若手研究者、既に実績のある研究者がともに含まれることが保証されます。本学は機会均等を図り、また、教員の多様性を高めることを約束します。本学は、女性及び参画度が十分でないグループに属する人材の推薦及び応募を歓迎します。本学の、研究、教育、及び商業的開発という使命に、更なる要素を付加できるような人材も同様です。
3.2.4.3 新規教員の任用
本学は、最高水準の教育、研究を維持するため、段階的任用の基準を用います。他機関との人事交流を容易にし、適切なレベルの教員任用を可能とします。これは、アシスタントプロフェッサー、アソシエイトプロフェッサー及びプロフェッサーを含むテニュアトラックシステムにより構成されます。任用はこれらの職位のどのレベルでも行うことができます。テニュアによって、教員は定年退職までの雇用が保証されます。しかし、研究資金が保証されるわけではなく、テニュア付き教員は他の教員とともに、5年周期で研究資金の配分を巡って競争することとなります。
新規教員の任用についての評価及び推薦は、ファカルティ・サーチ・コミッティーが行います。
- 新規教員の任用に際し、職位及びテニュアの有無を決定する手続
新規教員の任用は、下記の職位の中から、厳格な評価、推薦、及び審査に従って行われます。
- アシスタントプロフェッサー(准教授)は、テニュア無しの職位です。
- アソシエイトプロフェッサー(准教授)は、テニュア付き又はテニュア無しの職位になります。
- 教授の職位は、通常テニュア付きであることを意味しますが、当該プロフェッサーが定年に達している場合等、テニュア無しの場合もあります。
- ファカルティ・サーチ・コミッティーの構成及びメンバー資格
ファカルティ・サーチ・コミッティーは、学識、教育、及びその他の関連事項のデータを収集する責任を有します。ファカルティ・サーチ・コミッティーは、教授会のメンバーから、少なくとも3名、通常5名から8名により構成され、メンバーと議長は教員担当学監より任命されます。ファカルティ・サーチ・コミッティーには学外のメンバーを含めることができますが、議長は教授会のメンバーから選出されなければなりません。上級幹部職は、原則としてファカルティ・サーチ・コミッティーのメンバーにはなりません。ファカルティ・サーチ・コミッティーのメンバーは、教員採用活動が多様性の基準を満たしていることを確保する責任があります。 - 新規教員の任用基準
本学は、学識、教育、技術開発、技術移転において優秀であることを追求しています。候補者の任用評価の目的は、直近の記録に基づき、これらの基準のうち少なくとも2つに関して、評判及び潜在的な能力、並びに教育・指導の質の能力を見定めることです。
ファカルティ・サーチ・コミッティーは、任用を検討することになった候補者を選定します。ファカルティ・サーチ・コミッティーは、選定した候補者の評判について、学外のアドバイザーから助言を求めたり、書簡を書く学外評価者(書簡提供者)の推薦を求めたりすることができます。学外評価者(書簡提供者)からの書簡は、客観的な手続にとって必要不可欠であり、原則として候補者が推薦した評価者からの書簡よりも重視されます。ファカルティ・サーチ・コミッティーは、最初に書簡を依頼してから、2月以内に、テニュア無しの職位に係る任用については、4通の学外評価者(書簡提供者)からの書簡の収集を、テニュア付きの職位にかかる任用については、8通の学外評価者(書簡提供者)からの書簡の収集を、それぞれ追及します。この時点で、25%以上の書簡が任用を推薦しない場合に、ファカルティ・サーチ・コミッティーが任用を推薦するためには、別途正当な理由を必要とします。学外評価者(書簡提供者)は、候補者の共著者や指導教員、密接な同僚であった者以外の者でなければなりません。学内又は学外評価者(書簡提供者)の意見を請求する場合、ファカルティ・サーチ・コミッティーは、ファカルティ・サーチ・コミッティー・ハンドブックの依頼状見本を使用します。
任用に際しての第1の基準は、当該個人の学識及び研究が、その職位・キャリア開発のレベルにおいて、世界中の同僚の中でも上位5から10%以内に位置することです。学識に関しては、学術論文、プロシーディング、及び/又は知的財産(特許、ソフトウェア、設計、手順書など)で評価されます。学外評価者(書簡提供者)からの書簡は、そのような評価の明らかな根拠となるものでなければなりません。
第2の基準は、候補者が、質の高い授業を計画し、実施していくことができることを明確に証明する、質の高い教育歴です。候補者の中には(特にアシスタントプロフェッサーの職位の任用については)、それまでに授業を本格的に担当した機会がない者もいることから、ファカルティ・サーチ・コミッティーは、候補者が、本学において質の高い授業担当者となる可能性を有するかを評価しなければなりません。ファカルティ・サーチ・コミッティーが候補者の指導能力に確信が持てない場合、候補者は授業の実演を行います。教育という言葉の意味は広く定義され、講義室や研究室における授業、助言、メンタリング、プログラム作成、及びカリキュラム開発等を含みます。可能であれば、教育歴にかかる証拠書類を評価の書類に含めるものとします。
ファカルティ・サーチ・コミッティーの審査の結果は、ファカルティ・サーチ・コミッティー・ハンドブックに記載されているように、アポイントメント&プロモーション・コミッティーが審査を終えた後、任用の推薦に関する文書に議長からの送り状を添え、教員担当学監を通して学長に提出されます。
ファカルティ・サーチ・コミッティーの審査の結果、テニュア付き教員の任用を推薦するものであった場合、承認を得るために必要な審査ステップは、以下のとおりです。
- 学長による審査。
- 学長がファカルティ・サーチ・コミッティーの推薦に同意する場合、上述の書類に学長の送り状を添え、理事会に諮られ最終承認されます。
- 学長がファカルティ・サーチ・コミッティーの推薦に同意しない場合は、コミッティーメンバーと解決方法を議論します。必要であれば、学長は自身の判断に資するため、候補者の評価を別途行うための会議を招集することができます。
ファカルティ・サーチ・コミッティーの審査の結果、テニュア無しの教員の任用を推薦するものであった場合、承認を得るために必要な審査のステップは以下のとおりです。
- 学長による審査。
- 学長がファカルティ・サーチ・コミッティーの推薦に同意する場合、理事会に報告します。
- 学長がファカルティ・サーチ・コミッティーの推薦に同意しない場合は、コミッティーメンバーと解決方法を議論します。必要であれば、学長は自身の判断に資するため、候補者の評価を別途行うための会議を招集することができます。
3.2.5 教員評価
教員評価(昇進審査及びテニュア審査)は、厳格な評価、推薦、及び審査に従って行われます。手続方法は、昇進審査エバリュエーション・コミッティー・ハンドブック及びテニュア審査エバリュエーション・コミッティー・ハンドブックに、それぞれ記載されています。
昇進審査とテニュア審査は、その手続全体において、特定の個人、及び当該個人に関する他者の意見について議論する必要があります。この情報及び関連するその他の情報は、議論の参加者全員により厳重に機密に保たれなければなりません。本学は、候補者に関して受領する情報の機密性を保つことにより、候補者の個人情報を保護するための広範な措置をとることを約束します。
3.2.5.1.1 昇進審査(テニュア付きアソシエイトプロフェッサーが対象)
テニュア付きアソシエイトプロフェッサーは、任用の4年目に昇進審査が行われます。特別な事情がある場合は早期の審査も認められます。
- 昇進審査エバリュエーション・コミッティー(PREC)の構成及びメンバー資格
昇進審査の評価及び推薦は、昇進審査エバリュエーション・コミッティー(PREC)が行います。
PRECは教授会のメンバー3名から5名により構成され、メンバー及び議長は教員担当学監により任命されます。PRECは学外アドバイザーを含めることができますが、議長は教授会のメンバーから選出されなければなりません。詳細は、PRECハンドブックに記載されています。
PRECは、個々の案件ごとに設置される非常設の委員会です。昇進審査において、学外評価者(書簡提供者)から十分な情報提供が必要であり、学外評価者(書簡提供者)からの情報が最終評価において最も重視されます。
- 昇進審査の概要
昇進審査エバリュエーション・コミッティー(PREC)は、学識、教育、大学行政・地域への貢献、及びその他の関連事項のデータを収集する責任を有します。
PRECメンバーは、候補者本人と、共同研究者又は指導者の関係にあるべきではないものの、そのような関係がやむを得ない状況、または他の選択肢よりも望ましい場合があります。候補者と、PRECのメンバーとの間に、指導者又は共同研究者としての関係がある場合は、議長からの送り状で明確に公表されなければなりません。
学外評価者(書簡提供者)からの書簡は、客観的な評価手続にとって必須であり、原則として候補者が推薦した評価者からの書簡よりも重視されます。PRECは最初に学外評価者(書簡提供者)に書簡を依頼してから、2カ月以内に、6通の書簡の収集を追及します。この時点で、25%以上の書簡が昇進を支持しない場合、昇進は注意深く再考する必要があります。学外評価者(書簡提供者)は、候補者の共著者や指導教員、密接な同僚であった者以外の者でなければなりません。学外評価者(書簡提供者)の意見を請求する場合、PRECは、PRECハンドブックの依頼状見本を使用します。
PRECメンバーは、教員の昇進審査の多様性の基準を満たしていることを確保する責任があります。
- 昇進審査の基準
昇進の基準は、当学に在任中の学識、教育及び貢献における実績が重要となります。
学識:昇進の第1の基準は、当該個人の学識及び研究が、その職位・キャリア開発のレベルにおいて、世界中の同僚の中でも上位5から10%以内に位置することです。学識の評価は、学外評価者(書簡提供者)からの書簡、選択された3つの論文の質、影響力及び独創性に基づいて行われます。学外評価者(書簡提供者)の書簡は当該審査を明確に支持することが求められます。
教育及びメンタリング:第2の基準は、候補者が、質の高い授業を計画し、実施していくことができることを明確に証明する、質の高い教育歴です。教育(授業)の質に関する評価は、主に本学においての経験に基づいて行われます。教育は、講義室や研究室における授業、及び助言、メンタリング、プログラム作成、及びカリキュラム開発等を含み、定義されます。教育の評価については、学生、ポストドクトラルスカラー、本学の教員による評価が重要視されます。候補者は、履歴書とアカデミック・サービス・レコードの中に、自らの授業を履修している学生から客観的かつ関連性のあるフィードバックやメンタリングの情報を提供することができます。研究科長及びその他の教員は、評価についての助言を求められることがあります。
教員としての貢献:学内での委員会業務や教員としてその他の貢献を果たし最も広い意味で大学に寄与すること、さらにカンファレンス組織委員会、編集委員会、ピアレビュー委員会などの業務を通じて国際的な科学コミュニティに寄与することは、教員が果たすべき重要な義務です。プロボスト、教員担当学監及び他の教員(委員会の議長など)は、評価についての助言を求められることがあります。
これらの評価項目において、決められた重み付けはありません。ただし、学識及び教育で卓越した成果が求められ、さらに大学行政貢献活動においては、少なくとも「良い」という評価でなければなりません。教育と貢献のいずれかの評価が「不十分である」場合、昇進は認められません。
- 昇進審査後の手続
PRECの審査の結果は、PRECハンドブックに記載されているように、アポイントメント&プロモーション・コミッティーが審査を終えた後、昇進審査に関する文書に議長からの送り状を添え、教員担当学監を通して学長に提出されます。
PRECが昇進を推薦するものであった場合、承認を得るために必要な審査のステップは以下のとおりです。
- 学長による審査。
- 学長がPRECの推薦に同意する場合、上述の書類に学長の送り状を添え、理事会に諮られ最終承認されます。
- 学長がPRECの推薦に同意しない場合は、PRECと解決方法について議論します。必要であれば、学長は自身の判断に資するため、候補者の評価を別途行うための会議を招集することができます。
PRECが昇進見送りの提案をし、学長がそれに同意した場合は、その旨候補者に通知し、理事会にも報告されます。その場合、少なくとも3年は昇進審査を受けることができません。
3.2.5.1.2 アピール(不服申し立て)の手続き
アピール(不服申し立て)を行う目的は、昇進審査の手続が適切に実施されたかを確認することであり、結果を再審査することではありません。不服申し立ての根拠は、結果に影響を及ぼすような手続の間違い(正確な事実や基準が提示されなかったために結果に影響が出た、間違った事実や基準が提示された、手続が適切に実施されなかった等)が存在したかを判断することに限られています。昇進が不可となり、手続の間違いが存在したと思う教員は、昇進の不可の旨の通知を受けた10営業日以内に教員担当学監に不服申し立てを行うことができます。不服申し立てに関する詳細な文書がある場合は、不服申し立て後、1カ月以内に提出しなければなりません。アピール・コミッティーは文書の受領後2カ月以内に候補者に報告をしなければなりません。
不服申し立てが行われた場合、当該案件は速やかにプロボスト、研究担当ディーン及び研究科長に委ねられ、テニュア付き教員から構成される特別なアピール・コミッティーが設置されます。アピール・コミッティーが、昇進審査の結果に明らかに影響及ぼすような手続の間違いがあると判断した場合、アピール・コミッティーは、これらの間違いを是正するための対応を勧告することができます。是正措置の詳細は、手続の間違いの本質により異なりますが、新規のPREC、新たな外部評価者、新たな書簡、その他の変更を伴うことがあります。アピール・コミッティーが、昇進審査の結果に影響するような手続の問題がなかったと結論づけた場合、不服申し立ては棄却されます。ただし、アピール・コミッティーは昇進を推薦又は却下することはできません。
アピール・コミッティーが出した結論は最終判断であり、結論は学長及び不服申し立てを行った候補者に対して、不服を申し立てしてから2カ月以内に、書面で通知されます。候補者は、不服申し立ての結果に異議を申し立てることはできません。アピール・コミッティーが更なる措置を推奨した場合、その措置を実行するか否かの判断は、学長が責任を負います。
3.2.5.2.1 テニュア審査(A)
[経過規定]
テニュア審査(A)は, 当学が学園になった2011年11月1日から2016年12月31日の間に、雇用契約の交渉又は任用されたアシスタントプロフェッサー及びテニュア無しアソシエイトプロフェッサーが対象となります。但し、当該教員は、教員担当学監に相談することにより、テニュア審査(B)を選択することができます。
テニュア審査(A)については、TRECハンドブックを参照とします。アシスタントプロフェッサーは6年目に、テニュア無しアソシエイトプロフェッサーは4年目に審査を受けることになります。
本学は、研究及び教育において優秀であることを追及しています。よって、教員のテニュア審査にあたっても学識が深く教育能力が高いことを第一義的な要素とします。本学の大学行政又は地域への貢献も関連して考慮されます。学識において卓越していることは、特に重要です。なぜなら、教育を担当する者が、その分野の第一線で研究を行っていることは、本学の強みであり、それが本学の教育及び研究の両方の使命を支えているものであるからです。テニュア審査の目的は、これまでの実績を根拠に、関連研究分野、教育とメンタリングの質、及び大学行政の質においての立ち位置及び可能性において、評価をすることです。
テニュア付与は、当学の在任期間のみならず、キャリア全体における学識、教育、及び貢献の実績に基づき、判断されます。
テニュア審査エバリュエーション・コミッティー(TREC)は、学識、教育、大学行政や他関連事項のデータを収集する責任を有します。教員担当学監と候補者は、TRECメンバー構成と学外アドバイザーについて話合った後、教員担当学監はTRECメンバーを任命します。TRECは、教授会からの3名から5名のメンバーによって構成され、教員担当学監により、議長が任命されます。
TRECは、適格な学外評価者(書簡提供者)を選ぶために学外のアドバイザーに支援を求めることができます。また、TRECはテニュア審査を行うために、投票権を有する正式なメンバーとして、学外のメンバーを含めることが求められます。
TRECメンバーは、候補者本人と、共同研究者又は指導者の関係にあるべきではないものの、そのような関係がやむを得ない状況、または他の選択肢よりも望ましい場合があります。候補者と、TRECのメンバーとの間に、指導者又は共同研究者としての関係がある場合は、議長からの送り状で明確に公表されなければなりません。
TRECメンバーは、教員のテニュア審査が多様性の基準を満たしていることを確保する責任があります。
学外評価者(書簡提供者)からの書簡は、客観的な審査を行うのに必須です。TRECは最初に学外評価者(書簡提供者)に書簡を依頼してから、2カ月以内に8通の書簡の収集を追及します。25%の書簡がテニュア付与を支持しない場合、テニュアを付与は見送られます。
学外評価者(書簡提供者)は、候補者の共著者や指導教員、密接な同僚であった者以外の者でなければいけません。学外評価者(書簡提供者)の意見を請求する場合、TRECは、TRECハンドブックの依頼状見本を使用します。
テニュア付与に際しての第1基準は、当該個人の学識及び研究が真に卓越しており、世界中の同僚の中でも最高レベルの成果を出していることです。世界中の同僚とは、候補者の同様又は密接に関連する学術分野において、同レベルの学術的な成熟度を持つ研究者の集まりを意味します。学外評価者(書簡提供者)からの書簡は、そのような評価の明らかな根拠となるものでなければなりません。
第2の基準は、候補者が、質の高い授業を計画し、実施していくことができることを明確に証明する、質の高い教育歴です。教育という言葉の意味は広く定義され、講義室や研究室における授業、助言、メンタリング、プログラム作成、及びカリキュラム開発等を含みます。授業内容、ローテーション中の学生の指導、メンターとしての役割の評価については、研究科長による書簡が必要となります。
大学行政への貢献が、テニュア付与の決定に関係することもあります。ただし、大学行政の貢献は、模範的であったとしても、評価において、学識又は教育能力が大幅に不足する場合を補うことはできません。
TRECの審査の結果は、TRECハンドブックに記載されているように、アポイントメント&プロモーション・コミッティーが審査を終えた後、テニュア審査に関する文書に議長からの送り状を添え、教員担当学監を通して学長に提出されます。
TRECがテニュア付与を支持する場合、承認を得るために必要な審査は、以下のとおりで行われます。
- 学長による審査。
- 学長がTRECの推薦に同意する場合、上述の文書に学長の送り状を添え、理事会に諮られ最終承認されます。
- 学長がTRECの推薦に同意しない場合は、TRECと解決方法について議論します。必要であれば、学長は自身の判断に資するため、候補者の評価を別途行うための会議を招集することができます。
TRECがテニュア付与を支持せず、学長もその意見に同意した場合、候補者にその結果が通知されます。その結果は候補者への通知の前か後に理事会にも報告されます。
アシスタントプロフェッサーは、テニュア付与に伴い、自動的にアソシエイトプロフェッサーに昇進となります。
例外的な場合においては、テニュア審査においてテニュア付与が認められないアシスタントプロフェッサーについて、テニュア無しアソシエイトプロフェッサーへの昇進が検討されることがあります。そのような例外的なケースにおいては、テニュア(B)に規定されている手続きと同様に、テニュア無しアソシエイトプロフェッサーは、採用から8年目に、2回目のテニュア審査が行われます。その場合、アシスタントプロフェッサーとして任用されてから9年目の終了までに、テニュア審査を完了しなければなりません。
アソシエイトプロフェッサーについては、TRECは学外評価者(書簡提供者)に、候補者の教授への昇進についても意見を求めることができ、その結果をもとに、昇進の推薦を行うこともできます。
テニュア付与が認められないという決定がなされた場合、任期満了日もしくは、任期が1年に満たない場合は、1年後に契約が終了します。テニュア付与が認められなかった候補者は、プロボスト及び教員担当学監と連携して、適切に移行するための準備を進めなければなりません。準備には、学生が執筆中の博士論文の仕上げ、更新任期制職員の異動、任期制職員やポストドクトルスカラーの雇用契約終了などが含まれます。
3.2.5.2.1 テニュア審査(B)
テニュア審査(B)は、2017年1月1日以降に雇用契約の交渉を行ったテニュア無しの教員が対象となります。
テニュア審査(A)との主な違いは、学外の専門家からなる委員会(ERC)がユニット審査を行い、テニュア審査委員会が、当該ユニット審査結果及び少なくともERCの3名の専門家からの個別の書簡、並びにテニュア審査(A)同様、別の外部評価者(書簡提供者)からの書簡を考慮の上、テニュア審査を行います。テニュア審査(A)ではユニット審査は実施されないので、ERCメンバーからの書簡はありません。
テニュア審査(B)についての詳細は、テニュア審査ハンドブック(B)を参照とします。
- テニュア審査エバリュエーション・コミッティー(TREC)の構成及びメンバー資格
テニュア審査は、アポイントメント&プロモーション・コミッティーの助言を受け、テニュア審査を受ける候補者本人にTRECメンバー候補になる教員について確認した後、教員担当学監が任命する3名以上の教員で構成するTRECによって行われます。
TRECメンバーは、候補者本人と、共同研究者又は指導者の関係にあってはなりませんが、そのような関係がやむを得ない又は他の選択肢よりも望ましい場合があります。候補者と、TRECのメンバーとの間に、指導者又は共同研究者としての関係がある場合は、議長からの送り状の中で明確に公表されなければなりません。
TRECメンバーは、教員のテニュア審査が多様性の基準を満たしていることを確保する責任を有します。また、ERCメンバー1名(通常はERC議長)は投票権を有しないメンバーとしてTRECに加わります。通常は同メンバーがERCの議長になります。
TRECは、個々の案件ごとに設置される非常設の委員会です。
審査にあたり、学外評価者(書簡提供者)からの十分な助言が必要であり、最終評価において、最も重要視されます。
- テニュア審査の概要
ERCは現地審査を行い、TRECメンバーに任命された委員を通して、TRECとの連携を図り、ERCの各専門家が書簡を提出する責任を有します。TRECは、学外評価者(書簡提供者)からの書簡及び、学識、教育、大学運営サービス関連のデータを分析し、最終レポートを作成します。
テニュア審査の目的は、これまでの実績及び現地で開催するユニット審査に基づき、関連する学術分野における現在の能力及び潜在的な能力、教育・指導の質、並びに大学行政・地域への貢献の妥当性を見定めることです。
テニュア付与は、当学の在任期間のみならず、キャリア全体における学識、教育、及び貢献の実績に基づき、判断されます。
本学は、研究及び教育において優秀であることを追及しています。よって、教員のテニュア審査にあたり、学識が深く教育能力が高いことを第一義的な要素とします。本学の大学行政又は地域への貢献も関連して考慮されます。学識において卓越していることは、特に重要です。なぜなら、教育を担当する者が、その分野の第一線で研究を行っていることは、本学の強みであり、それが本学の教育及び研究の両方の使命を支えているものであるからです。
学外評価者(書簡提供者)からの書簡は、客観的な審査にとって必須です。TRECは、TESD(テニュア審査開始日)からの4カ月以内に、少なくともERCの3名の専門家からの個別の書簡を含む学外評価者(書簡提供者)から8通の書簡の収集を追及します。委員会は8通の書簡が届くまで待つことを推奨しますが、この時点で少なくとも3通の書簡がテニュアを支持しない場合、テニュア付与を見送ることができます。
学外評価者(書簡提供者)は、候補者の共著者や指導教員、密接な同僚であった者以外の者でなければなりません。学内又は学外評価者(書簡提供者)の意見を請求する場合、TRECは、TRECハンドブックの依頼状見本を使用します。
- テニュアの基準
テニュア付与に際しての第1基準は、当該個人の学識及び研究が真に卓越しており、世界中の同僚の中でも最高レベルの成果を出していることです。世界中の同僚とは、候補者の同様又は密接に関連する学術分野において、同レベルの学術的な成熟度を持つ研究者の集まりを意味します。学外評価者(書簡提供者)からの書簡及びTRECによる現地審査のレポートは、そのような評価の明らかな根拠となるものでなければなりません。
第2の基準は、候補者が、質の高い授業を計画し、実施していくことができることを明確に証明する、質の高い教育歴です。教育という言葉の意味は広く定義され、講義室や研究室における授業、助言、メンタリング、プログラム作成、及びカリキュラム開発等を含みます。授業内容、ローテーション中の学生の指導、メンターとしての役割の評価については、研究科長による書簡が必要となります。
大学行政への貢献が、テニュア付与の決定に関係することもあります。ただし、大学行政の貢献は、模範的であったとしても、評価において、学識又は教育能力が大幅に不足する場合を補うことはできません。
- テニュア審査のタイムライン
アシスタントプロフェッサー(採用時)
テニュア審査は、契約5年目半年(契約開始から4年半)の最終日であるテニュア審査開始日(TESD)かそれまでに開始されます。アシスタントプロフェッサーの1回目のテニュア審査は、6年目の終わりまでに完了しなければなりません。TESDは候補者が必要書類を提出する期限です。テニュア審査は、通常TESDから6カ月以内に、結論を出すことになっています。TESDは、PRP3.2.5.2.2の「ストップ・ザ・クロック」に記載されている事情を除き、遅らせることができません。早期の審査が例外的に認められることもあります。
1年目:アシスタントプロフェッサーとしての契約開始。メンターの任命。
3年目の終わり:候補者は、次のものを教員担当学監に提出する:論文リストを含むCV、本学に任用後又は任用前の研究実績の要点をまとめた概要及び今後5年間の研究計画を記載した概要各々1ページの研究概要。
教員担当学監は、そのコピーを候補者のメンターと教員担当学監が任命した別のテニュア付教員に送付する。候補者がその2名の教員と面談を行った後、2名の教員は候補者のテニュア審査への進捗について、状況報告レポートを作成し、教員担当学監に提出する。その後、候補者は進捗状況について、教員担当学監と面談を行う。
5年目半から6年目:1回目のテニュア審査が実施される。テニュア審査は、6年目の終わりまでに完了していなければならない(TRECの推薦が学長へ送られ、候補者は学長からテニュア審査の結果の通知を受けていること)。テニュア審査の結果は下記の4つである。
- テニュア付きプロフェッサー:アシスタントプロフェッサーは、理事会の承認を経て、テニュアを付与され、プロフェッサーに任命される。
- テニュア付きアソシエイトプロフェッサー:アシスタントプロフェッサーは、理事会の承認を経て、テニュアが付与され、テニュア付きアソシエイトプロフェッサーに任命される。
- テニュア無しアソシエイトプロフェッサー:アシスタントプロフェッサーは、学長の承認を経て、テニュア無しのアソシエイトプロフェッサーへ昇進する。
- 不合格:PRP3.2.5.2.4の上限が適用されるが、任期満了日又は通知の日から1年後のどちらか遅い期日に契約が終了する。
8年目:1回目のテニュア審査の結果が「テニュア無しアソシエイトプロフェッサー」だった者は、2回目のテニュア審査を受ける。2回目のテニュア審査は、9年目の終わりまでに完了していなければならない(TRECの提言が学長へ送られ、候補者はテニュア審査の結果の通知を受けていること)。テニュア審査の結果は下記の3つである。
- テニュア付きプロフェッサー:アソシエイトプロフェッサーは、理事会の承認を経て、テニュアを付与され、プロフェッサーに任命される。
- テニュア付きアソシエイトプロフェッサー(准教授):アソシエイトプロフェッサーは、理事会の承認を経て、テニュアが付与される。
- 「不合格」:PRP3.2.5.2.4の上限が適用されるが、任期満了日又は通知の日から1年後のどちらか遅い期日に契約が終了する。
アソシエイトプロフェッサー(採用時において、テニュア無し):
テニュア審査は、契約4年目半年(契約開始から3年半後)の最終日であるテニュア審査開始日(TESD)かそれまでに開始されます。アソシエイトプロフェッサーのテニュア審査は5年目の終わりまでに完了しなければなりません。TESDは、候補者がテニュア審査に係る必要書類を提出する期限です。テニュア審査は、通常TESDから6カ月以内に結論を出すことになっています。 TESDは、PRP3.2.5.2.2の「ストップ・ザ・クロック」に記載されている事情を除き、遅らせることができません。早期の審査が例外的に認められることもあります。
1年目:アソシエイトプロフェッサー(契約開始時において、テニュア無し)としての契約開始。メンターの任命。
3年目の終わり::候補者は、次のものを教員担当学監に提出する:論文リストを含むCV、本学に任用後又は任用前の研究実績の要点をまとめた概要及び今後5年間の研究計画を記載した概要各々1ページの研究概要。
教員担当学監は、そのコピーを候補者のメンターと教員担当学監が任命した別のテニュア付教員に送付する。候補者がその2名の教員と面談を行った後、2名の教員は候補者のテニュア審査への進捗について、状況報告レポートを作成し、教員担当学監に提出する。その後、候補者は進捗状況について、教員担当学監と面談を行う。
4年目半から5年目の間:アソシエイトプロフェッサー(契約開始時に、テニュア無し)のテニュア審査が行われる。テニュア審査は、5年目の終わりまでに完了していなければならない(TRECの推薦が学長へ送られ、候補者はテニュア審査の結果の通知を受けていること)。テニュア審査の結果は下記の3つである。
- テニュア付きプロフェッサー: テニュア無しのアソシエイトプロフェッサーは、理事会の承認を経て、テニュアが付与されプロフェッサーに任命される。
- テニュア付きアソシエイトプロフェッサー:アソシエイトプロフェッサー:は、理事会の承認を経て、テニュアが付与される。
- 「不合格」: PRP3.2.5.2.4の上限が適用されるが、任期満了日又は通知の日から1年後のどちらか遅い期日に契約が終了する。
- テニュア審査後のプロセス
TRECによるテニュア審査の結果は、TREC(B)ハンドブックに記載されているように、アポイントメント&プロモーション・コミッティーが審査を終えた後、テニュア審査に関する書類にTRECの議長からの送り状を添え、教員担当学監を通して学長に提出されます。
TRECがテニュア付与の推薦を行う場合、承認を得るために必要な審査は、以下の順で行われます。
- 学長による審査。
- 学長がTRECの推薦に同意する場合、学長による送り状を添えて、理事会に諮られ最終承認されます。
- 学長がTRECの推薦に同意しない場合、学長は更なる助言を得るため、TRECと解決方法を議論します。必要であれば、学長は自身の判断に資するため、候補者の評価を別途行うための会議を招集することができます。
TRECがテニュア付与を支持せず、学長がこれに同意する場合、候補者はその結果の通知を受けます。その結果は理事会にも報告されます。
テニュア付与が認められなかった候補者は、プロボスト及び教員担当学監と連携して、適切に移行するための準備を進めなければなりません。準備には、学生が執筆中の博士論文の仕上げ、更新任期制職員の異動、任期制職員やポストドクトルスカラーの契約終了手続きなどが含まれます。
3.2.5.2.2 テニュアトラック教員のための「ストップ・ザ・クロック」ポリシー
出産、養子縁組、子育てに関する親としての責任を遂行することを目的として、テニュアトラック教員は、テニュア審査の開始を遅らせ、契約の延長を申請することができます。さらにもう一度「ストップ・ザ・クロック」を申請することができます。多子出産(双子など)の場合は、「ストップ・ザ・クロック」を一度に2回申請することはできません。
このポリシーは、産前・産後休業や育児休業とは別に申請が必要です。当該休業を取得することは自動的に「ストップ・ザ・クロック」の申請とはなりません。テニュア審査の開始の延期は、教員の通常の責務(授業や指導等)を免除するものではありません。
申請を希望する場合は、TESD(テニュア審査開始日)までに、教員担当学監に申請フォーム[リンク]を提出しなければなりません。申請フォームが教員担当学監及び学長により承認された場合、以下の手続きが行われます。
- TESD(テニュア審査開始日)が1年延期されます
- 候補者の雇用がさらに1年延長されます
- ユニットの研究予算がもう1年分確保されます
- ユニットメンバーの契約は、自動的に延長されません
酌量の余地がある場合(例:多子出産、困難な妊娠、未熟児、出産に関する病状など)、教員担当学監の裁量により、さらに3~6カ月の延長が許可されることがありますが、延長を申請するには、教員担当学監に関係書類(診断書等)を提出しなければなりません。
OISTのテニュア審査のタイムラインには高い柔軟性が持たせてあります。これは、「ストップ・ザ・クロック」の申請及び教員担当学監の承認を受けた特別な事情によるTESD(テニュア審査開始日)の遅れに対して便宜を図ることを目的としています。
PRP3.2.5.2.4に規定されているとおり、アシスタントプロフェッサー及びテニュア無しアソシエイトプロフェッサーの雇用契約期間の合計は、10年を超えてはなりません。
テニュア審査(B)において、アシスタントプロフェッサーが1回目のテニュア審査の結果、「テニュア無しアソシエイトプロフェッサー」となった場合、その者の2回目のテニュア審査は、本学での契約開始から遅くとも9年目の終わりまでに完了しなければなりません。2回目のテニュア審査の結果が不合格であった場合、候補者の雇用契約は、任期満了に伴い、終了します。
3.2.5.2.3 アピール(不服申し立て)の手続き
アピール(不服申し立て)を行う目的は、テニュア審査の手続が適切に実施されたかを確認することであり、結果を再審査することではありません。不服申し立ての根拠は、結果に影響を及ぼすような手続の間違い(正確な事実や基準が提示されなかったために結果に影響が出た、間違った事実や基準が提示された、手続が適切に実施されなかった等)が存在したかを判断することに限られています。テニュア付与が不可となり、手続の間違いが存在したと思う教員は、テニュア付与の不可の旨の通知を受けた10営業日以内に教員担当学監に不服申し立てを行うことができます。不服申し立てに関する詳細な文書がある場合は、不服申し立て後、1カ月以内に提出しなければなりません。アピール・コミッティーは文書の受領後2カ月以内に候補者に報告をしなければなりません。
不服申し立てが行われた場合、当該案件は速やかにプロボスト、研究担当ディーン及び研究科長に委ねられ、テニュア付き教員から構成される特別なアピール・コミッティーが設置されます。アピール・コミッティーが、テニュア審査の結果に明らかに影響及ぼすような手続の間違いがあると判断した場合、アピール・コミッティーは、これらの間違いを是正するための対応を勧告することができます。是正措置の詳細は、手続の間違いの本質により異なりますが、新規のTREC、新たな外部評価者、新たな書簡、その他の変更を伴うことがあります。アピール・コミッティーが、テニュア審査の結果に影響するような手続の問題がなかったと結論づけた場合、不服申し立ては棄却されます。ただし、アピール・コミッティーはテニュア付与を推薦又は却下することはできません。
アピール・コミッティーが出した結論は最終判断であり、結論は学長及び不服申し立てを行った候補者に対して、不服を申し立てしてから2カ月以内に、書面で通知されます。候補者は、不服申し立ての結果に異議を申し立てることはできません。アピール・コミッティーが更なる措置を推奨した場合、その措置を実行するか否かの判断は、学長が責任を負います。
3.2.5.2.4 有期雇用の合計期間
いかなる事情があっても、アシスタントプロフェッサー又はテニュア無しの准教授においては、2013年4月1日以降に開始した雇用契約期間の合計が10年を超えてはなりません。
3.2.6 教員の年間業績評価及び年俸の増額
教員は毎年、前年度の業績を評価されます。具体的には、教員担当学監と面談を行い、必要であれば助言を受けます。その詳細は年間業績評価ガイドラインのとおりです。面談は、教育、研究、研究員指導、大学行政への貢献、資金獲得(特に外部資金)、 教員の義務について、各教員の実績を評価する機会です。また、ユ ニットのマネージメント(本学の「互いに尊重しあう職場の実現に 向けた基本方針」の順守を含む。)について教員が支援や意見を求 める特別な機会であり、必要に応じ、翌年の目標設定や業績向上の ためのアクションプランを立てることもできます。
教員は、業績の評価が「満足のいくもの」であった場合、本学の予算状況に鑑みて、その年俸が増額される場合があります。
研究ユニットの研究実績は、PRP 3.2.7「研究ユニットの予算及び評価」の記載に基づいて、別途評価されます。
3.2.7 研究ユニットの予算及び評価
専任教員及びアジャンクトプロフェッサーの研究ユニットには、それぞれ複数年にわたる研究資金が配分されます。この資金は、新採用の教員については雇用時に審査及び承認された提案に基づき与えられ、既存の教員については、学外の専門家からなる委員会による研究進捗評価において審査及び承認された提案に基づいて与えられます[学外審査コミッティー・ハンドブックへのリンク]。学外審査委員会において、研究に関して概ね良好と評価された教員は、学長と給与の交渉をすることができます。
3.2.8 利益相反
利益相反に関する本学の基本方針は、PRP第22章に規定されています。教員は、利益相反がある場合又は利益相反が疑われる場合、その旨を申告しなければなりません。利益相反の存在が、必ずしも、雇用関係又は調達関係の障害となることはありません。しかしながら、学生、研究者、職員、契約の相手方、供給業者、及びその他教員がその任務を遂行する際に関係を有する者との、取引の健全性及び公正な取扱いを確認するために、特別な手続を踏まなければなりません。
3.3 定年退職
教員の通常の定年退職日は、教員が70歳となる学年度の末日、又は70歳になった日のいずれかのうち、契約書に記載されている日とします。定年退職する2年前から、教員はプロボスト及び教員担当学監と連携して、ユニットの職員やポストドクトラルスカラーの異動、及びその他の事項に関して、適切に準備を進めなければなりません。68歳以上の教授は、新たに博士課程学生の研究指導員になることはできません。65歳以上の教員については、ユニット審査は実施されません。
10年以上にわたり、本学へ重要な貢献をした60歳以上の教員は、早期定年退職を選択することができます。早期定年退職の可否は、学長の裁量により認められます。
3.3.1 名誉教授
本学では、早期定年退職者を含め、定年退職時、専任教員に対して無期限に名誉教授の称号を授与します。名誉教授には給与は支払われませんが、本学のリソースへのアクセスと限定された権限を5年間付与され、この期間は、学長との交渉・更新を経て、延長され得ます。名誉教授の職位及びOISTの研究資源の利用条件は、日本の法律、本学の方針、ルール及び手順に従います。名誉教授が違反行為を行った場合、学長は事前通告なしに、当該職位の授与及び本学のリソースへのアクセスを撤回することができます。
3.3.2 定年後の継続雇用
非常に稀なケースですが、学長の勧誘があった場合、教員は、外部評価者による研究進捗評価を受け、定年を超えて契約を延長することができます。
教員は最長5年間の研究計画を学長に提出し、同意を得ます。研究計画には、研究ユニットを当該期間内にクローズするための手順、相当額の研究資金を外部資金でまかなうための戦略を含みます。学長と教員は、プロボスト及び教育担当学監と、スペース及び研究機器の使用について話し合います。学長の勧誘を受けた、定年退職後も研究活動の継続を希望する教員は、原則として68歳になる年に、上記で同意された研究計画を提出し、学外評価者による研究進捗評価を受けなければなりません。研究進捗評価の結果、承認を受けた教員は、定年後、研究計画で定められた期間の間、「プロフェッサー」の職位を継続でき、授業や大学への貢献といった責任を引き続き負うとともに、研究活動を継続することができます。
当該の任用は、任期制でテニュア無しのポジションであり、研究スペースと研究資金はかなりの割合で削減されます。給与は交渉可能ですが、通常は削減されます。
3.3.3 教員が上級役員の職務を務めた場合
上級役員[ディーン(教員担当学監、研究科長を含む)又は副学長]の職務を相当期間務めた教員については、定年退職日から、学長と協議のうえ決定した追加の研究期間が保証されます。この方針は、教員が上級役員の職務につくモチベーションの機能を果たします。この期間中、研究資金、給与、研究スペースは影響を受けることなく、当該時の契約書の記載通りに確保され、追加の研究期間の間継続します。
3.3.4 教員以外の研究職
教員以外の研究職には、以下の5つの分類、すなわちポストドクトラルスカラー、スタッフサイエンティスト、シニアスタッフサイエンティスト、技術員、及びサイエンス・テクノロジーアソシエイトがあります。教員以外の研究スタッフは、3.2.2の第6号で定める、限定的な教育職務を引受けることができます。教員以外の研究職それぞれの定義については4.2に定めます。
3.4 教員組織の管理運営体制
本学の教員組織の管理運営の体制については第2章に定めます。教員自治及び教務を担う組織は教授会(ファカルティ・アセンブリー)です。教授会には幹事会として代議員会(ファカルティ・カウンシル)を置きます。教授会及び代議員会については3.4.1項、及び3.4.2項にそれぞれ規定します。教員の管理は教員担当学監が行います。
プロボストは、研究リソースの管理、研究倫理の普及の促進を行い、研究プログラムが最高水準の倫理規範を順守するよう努め、コアファシリティの該当する分科会を率い、研究関連領域について本学を代表し、教員担当学監、研究担当ディーン及び研究科長と連携します。
研究科長は、本学の研究科を運営します。研究科長は、任期を3年とする輪番制の職位で、学長の裁量により再任が可能です。
研究科長は以下に示す事項を含む、本学の教育プログラムを管理します。
- 学生募集及び入学に関する事項
- 教育課程及び授業科目の編成に関する事項
- 学生の指導及び監督に関する事項
- 学生の就職に関する事項
- 学位授与及び修了に関する事項
- 学生の入学、再入学、退学、転学、留学、休学に関する事項
- 学生の賞罰に関する事項
- 教育内容の評価に関する事項
- その他、教育に関する事項
研究科長は必要に応じて、研究科長委員会を設置し、主宰することができます。研究科長委員会には、上記の事項に関して知見を有する本学教員が含まれます。例えば、教員は入学者選抜委員会のメンバーとなることができます。また、ある学問領域について、教員からの提案に基づき、教育課程を改訂するためには、研究科長は、特定の教員を助言者として委員会メンバーに指名することができます。
研究科長を上席補佐する職員を置き、学生への経済支援、住居、学生自治会、課外活動、福利厚生、メンタリング、就職支援、学籍等、学生関連の職務を担当します。その職員は、輪番ではない事務職員であることから、研究科の運営の継続性が保たれます。
3.4.1 教授会
3.4.1.1 教授会の役割
教授会は本学の全教員からなる自治組織です。教授会は、大学に関する情報を教員に提供するとともに、大学運営に関して、学長との闊達な議論の場となることを主たる目的とします。教授会は学長の助言機関です。教授会は大学運営上重要と認めた問題を直接、学長に提起できます。効率的な運営のために、教授会は互選により、ファカルティ・カウンシルと称する少人数グループ(代議員会)を組織します。代議員会は、教授会議長が同じく議長となり、教授会の幹事会となります。教員は学内の様々な委員会において、管理運営に携わる義務も有します。このように委員会活動は大学の管理運営に関わることから、委員会への教員の選任は、学長、首席副学長、プロボスト、研究科長、教員担当学監、及び研究担当ディーンが行います。
3.4.1.2 構成員
教授会はプロフェッサー、アソシエイトプロフェッサー、アシスタントプロフェッサーの全専任教員及びアジャンクト教員をもって構成します。名誉教授、特別教授、及び客員教授は議決権を有しない構成員として教授会会合に出席できます。学生代表2名(学生による互選)、研究員代表2名(沖縄科学技術大学院大学研究者コミュニティによる互選)、及びサイエンス・テクノロジーグループ代表1名(サイエンス・テクノロジーグループ・フォーラムによる互選)は、発言権を持つが、議決権を有しない資格で教授会会合に出席できます。
学長、首席副学長、プロボスト、事務局長、研究科長、教員担当学監、及び研究担当ディーンは、職指定により、発言権を持つが議決権を有しない資格で教授会会合に出席できます。議長は、これら職指定の者、学生代表、及び研究員代表の出席を求めるとともに、必要に応じて拒否することができます。
3.4.1.3 教授会議長
教授会に議長を置きます。教授会議長は無記名投票により教授会から互選されます。議長選挙は2年ごとに行われます。議長の任期は2年です。教授会議長を選出するため、2月1日に候補者推薦が告示されます。候補者は3月の教授会会合でプレゼンテーションを行います。教授会会合でのプレゼンテーションの後、直ちに選挙が行われます。教授会議長が職務を行えなくなったときは、教授会は臨時議長を任命し、臨時議長は2ヶ月以内に選挙を行います。ここで選出された新しい議長は前任の議長の在任期間を引き継ぎます。
議長の役割は教授会の議事を主宰することです。議長は会合の開催日を決定します。議長は、審議事項を設定するに当たっては、学長、首席副学長、プロボスト、研究科長、教員担当学監、及び研究担当ディーンに事前に相談し、出席を求めるものとします。議長は、必要に応じて、職指定の者として教員を代表し、本学の管理運営に関する諸委員会に出席します。議長は教授会及び小委員会での審議結果を関係する役職者(理事会、評議員会、学長、首席副学長、プロボスト、研究科長、教員担当学監、及び研究担当ディーン)に報告します。
3.4.1.4 開催回数
議長は、教授会を少なくとも年に3回招集します。
3.4.1.5 審議事項
教授会は基本方針に関する事項、戦略的方向性及び教育理念等について審議します。具体的には、以下に掲げる事項を取り上げることができます。
- 代議員の選出に関する事項
- 学生の入学、退学、転学、留学、休学及び修了に関する事項
- 新たな研究構想に関する事項
- コモンリソース及び共有スペースに関する事項
- 教員の採用、昇進及びテニュアに関する事項
- 教員の福利厚生に関する事項
- 情報技術及び図書に関する事項
- 専門委員会の設置に関する事項
- 教学面の報告に関する事項
- 他の委員会における報告に関する事項
- その他の事項
教授会は、入学及び卒業事項並びに教育プログラムの完了について意見を表明します。博士課程への入学を希望する学生の選抜に関しては、入学者選抜委員会に委任します。またカリキュラム・審査委員会に対し、博士課程におけるカリキュラム及び個々の学生の進歩に関する事項の対応を委任します。入学者選抜委員会及びカリキュラム審査委員会は研究科長に助言を行い、研究科長を通して教授会へ報告します。
3.4.1.6 教授会の手続及びルール
- 専任教員の過半数が出席していない場合、教授会を開くことはできますが、議案を決議することはできません。
- 教授会の議案は、議決権を持つ教員の過半数が出席し、その過半数をもって可決とします。幹部職にある教員は、OIST幹部としての責務に直接関係する事項については投票を棄権するよう求められます。可否同数のときは、教授会議長の決するところによります。
- 教授会議長が必要と認めたとき、教員は電話会議で教授会に出席し、議決権を行使することができます。教授会に出席しない教員の議決権は、これを認めません。
- 決議するべき議案があり、議決権を持つ教員の過半数が出席していない場合、議長はその場において、議案を決するためにオンライン投票を行うか、議案の決議を次の教授会まで延期するかを決定し、発表します。オンライン投票を行う場合、教授会は決議の対象となる議案の概要をまとめるか、その作業を議長に委任することができます。議案の概要はまず、教員に通知され、5営業日以内にオンライン投票が行われます。議決権を持つ教員の過半数がオンライン投票に参加し、なおかつ、その過半数が賛成した場合、議案は可決されたものとみなされます。
- 教授会議長は、必要に応じて教員以外の者の出席を求めることができます。
- 全ての教員は、教授会の議事次第及び議事録を入手することができます。
3.4.2 代議員会
代議員会は、教授会で互選された者からなる組織であり、その役割は教学面また運営面に関して学長に助言することです。議長は、審議事項を設定するに当たっては、学長、首席副学長、プロボスト、研究科長、教員担当学監、及び研究担当ディーンに事前に相談し、代議員会合に招聘するものとします。他の事務職員も必要に応じて出席可能です。この会合は、本学の役職者と教員の間の信頼関係及び協力関係の構築、維持を図る場であり、本学の組織運営の健全性に必要不可欠です。教授会は特定の事項に関して代議員会に審議を委ねます。代議員会の構成員は、教授会より互選された教員で、教授会議長を含みます。教授会議長は代議員会の議長も務めます。社会の指導的地位の約30%に女性を起用するという日本政府のジェンダー平等政策に沿って、代議員会議席の20%以上が女性教員のために確保されます。代議員会開催には、少なくとも女性教員1名の出席が必要です。代議員会の女性教員議席が空席の場合、選挙により1名以上の女性候補者が選出されるまで空席が続きます。
代議員会メンバーと教授会議長の任期は9月1日に始まります。メンバーの任期は2年とし、連続する2期まで選出されることができます。教授会は、教員の人数に比例して、代議員会の構成員の人数を増やすことを議決することができますが、その人数は全教員数の20%を超えてはならないものとします。以下の職指定の者及びアドバイザーは代議員会に出席できます。代議員会の構成は、以下のとおりです。
互選された者
教授会議長
互選された教授会構成員9名
職指定の者
学長
首席副学長
プロボスト
研究科長
教員担当学監
研究担当ディーン
教授会事務担当
代議員会は月に一回開催します。全教員が代議員会の議事録を閲覧できます。
3.4.2.1 代議員会メンバーの選出
代議員会のメンバー構成に、性別、人種、科学分野、教員ランクなどの適切なバランスを考慮し、反映することが重要です。フルタイムのプロフェッサー、アソシエイトプロフェッサー、アシスタントプロフェッサーは、代議員会を選出する資格を有します。アジャンクト教員を含む、投票権を持つ教授会メンバーが、代議員を推薦し選出する資格を有します。
代議員会メンバーを選出するため、4月15日に候補者推薦が告示されます。候補者は5月の教授会会合でプレゼンテーションを行います。ただし、5月の教授会会合が定足数を下回り開催されなかった場合、6月に教授会特別会合を開き、候補者のプレゼンテーションを行います。前述した教授会会合、又は教授会特別会合のいずれかのプレゼンテーションの後、直ちに選挙が行われます。
選挙のルールと手順は下記の通りです:
- 候補者数が満たすべき議席数を満たさない場合、50%以上の支持票を獲得した候補者が選出されます。これは女性教員のために確保された議席にも適用されます。
- 候補者数が満たすべき議席数を超える場合、多くの支持票を獲得した候補者から順次選出されます。
- 選挙終了後、直ちに教授会メンバーに選挙結果が公表されます。
- 任期終了前の代議員会メンバーの後任を任命する必要がある場合、過去6か月以内に行われた代議員会メンバーの選挙において、選出されなかった候補者のうち最も多くの支持票を獲得し、かつ、任務遂行が可能な者を任命します。過去6カ月以内に選挙が行われていない場合は、代議員会は新たに選挙を行うか決定します。後任者の任期は、前任者の残任期間とします。
3.4.2.2 代議員会の手続及びルール
- 代議員会の議事は、出席した構成員の過半数をもって決します。教授会の中から互選された者は議決権を有し、職指定の者及びアドバイザーは議決権を有しません。代議員会は、議決権を有する構成員の過半数が出席しなければ、議事を開くことができません。
- 全ての教員は、代議員会の議事次第及び議事録を入手することができます。
3.4.3 教授会及び代議員会の事務局
教員担当学監オフィスは教授会事務局及び代議員会事務局としての役割を果たします。教授会事務担当は教授会議長と協働し、教授会・代議員会事務局長として、会議の議題作成、文書作成、教授会又は代議員会が設置した小委員会に関する事務取扱、及びシニアレベル・エグゼクティブ(上級幹部職)との調整を行います。
3.5 学術プログラムの評価
3.5.1 基本方針
本学は、教育、研究、及び技術開発に至るその成果について、定期的な評価を実施します。これは、組織及び運営、施設及び設備の状況、並びに研究成果・開発技術・特許の社会への還元について評価を実施することです。
3.5.2 実施方法
本学の目的に関する評価基準をあらかじめ設定し、定期的に実施します。
3.5.3 実施体制
本学は、世界の一流大学より専門家を招き、定期的に自己点検・評価を実施します。また、本学は第三者評価として、認証評価機関の評価を受ける予定です。
3.5.4 結果の活用・公表
認証評価機関の評価結果をとりまとめ、理事会に報告します。理事会は、この結果を検討し、本学の教育、研究、テクノロジーインパクト、運営の改善のために活用します。また、ホームページや広報誌等に掲載し、広く一般に公表します。
3.5.5 主な評価項目
主な評価項目は次のとおりです。
- 大学の目的
- 研究成果
- テクノロジーインパクト
- 教育研究組織
- 教員及び教育研究支援者
- 学生の受入
- 教育内容及び方法
- 教育の成果
- 学生支援
- 施設・整備
- 教育の質の向上及び改善のためのシステム
- 財務
- 管理運営
3.6 教員の資質の維持向上の方策
3.6.1 基本方針
卓越した教育を提供し、個々の学生の多様な需要に応えるため、本学は、教員の資質の維持向上に努めます。研究科長の部署が、学生の教育及び研究指導に関わる教員の資質向上のためのプログラムを実施し、ファカルティ・ディベロップメントを積極的に行います。
3.6.2 実施方法
具体的には、次のような方策を実施します。
3.6.2.1 教育指針(ガイドライン)
最高水準の教育が本学において実施できるよう、研究科長の部署が、質の高い教育を行うためのガイドラインを作成、更新し、これを教員に配付します。
3.6.2.2 学生による評価
学生は、各授業科目修了時にその授業科目を定型の様式を使って評価します。結果は、研究科長の部署に報告され、授業担当者及び学生にも配布されます。研究科長の部署は各教員が評価結果に対して適切に対応できるよう、補助します。この評価結果は、可能な限り機密に取り扱われなければなりません。
3.6.2.3 教員相互の授業参観
教員は、授業担当教員の同意の下、他の教員による授業を参観することにより、互いの資質向上に努めます。参観日程は研究科長の部署に伝達されます。参観後には、参観者と授業担当教員が、同僚として、敬意を払いつつ、参考となるような意見を述べ合います。
3.6.2.4 教員研修
研究科長の部署は、本学教員の教育能力の向上を図るため、教員の研修会、専門的な講師を招いたワークショップ等を開催します。
3.6.2.5 若手教員への指導
教育、研究指導経験が比較的少ない教員が、経験豊富な教員から助言や支援を得られるよう、メンター制度が設けられます。その一環として、学生の個別指導を行う論文指導委員会には、若手と経験豊富な教員が含まれるようにし、研究指導に関する知識やスキルが若い世代に引き継がれるようにします。
研究科における教育研究内容を改善するためのこれらの方策については、研究科長の部署が実施します。
3.7 教員の休暇・休業・休職
3.7.1 休暇・休業・休職制度
教員の休暇・休業・休職の制度についてはPRP第33章「休暇・休業・休職」において規定されています。
3.7.2 サバティカル休暇
テニュア付き教員は、知識の獲得、研究、新技術の習得、個人の能力向上の機会としてサバティカル休暇を取得することができます。サバティカル休暇中、教員は授業や大学行政に対する義務から解放され、前述の内容に専念することができます。詳細は、サバティカル休暇申請ハンドブックに記載されています。
OISTのフルタイム教員として少なくとも6年間勤務したテニュア付き教員は、サバティカル休暇を申請する資格を有します。テニュアトラック期間もサバティカル休暇取得のための有効期間としてカウントするため、テニュアトラック教員はテニュア付与後に、サバティカル休暇を申請することができます。沖縄科学技術研究基盤整備機構からの勤務期間はカウントされません。
本学で3年間勤務する毎に、テニュア付き教員は6か月のサバティカル・クレジットを獲得します。蓄積可能なサバティカル・クレジットは最大12か月です。
サバティカル休暇申請資格の獲得後、申請者はサバティカル休暇開始を予定している学年度開始の少なくとも9か月前に、「サバティカル休暇申請フォーム」をオンラインで提出します。
サバティカル休暇申請プロセスの一部として、受入機関とOISTの間で合意書の準備が必要です。合意書には、サバティカル期間中の研究から生じるIP(知的財産権)の管理、及びサバティカル休暇に関するその他の条件が含まれます。
オンラインで申請フォームを提出した後、候補者はサバティカル期間中の授業、学生及びユニットメンバーの指導と監督、大学行政に対する義務等をどのようにカバーするかについて、研究科ディーン(DGS)及び教員担当学監(DFA)と必要な調整を行います。
プロボスト及びディーン3名(DFA、DGS、DoR)がサバティカル休暇申請ハンドブックのセクション5と6に記載された調整について概ね合意し、なおかつ首席副学長(技術開発イノベーション担当)及び統括弁護士が、受入機関とのIP関連の取り決めについて確認した場合、プロボスト及びディーン3名はサバティカル休暇申請フォームに署名をします。申請フォームは最終承認のため、教員担当学監より学長に送られます。
3.7.3 無給休暇
無給休暇とは、本学の給与、又は本学の障害・退職等に係る給付プログラムに基づく給付金の支給が行われない休暇期間です。
3.7.3.1 無給休暇の申請
無給休暇は、研究科長及び教員担当学監による審査及び承認のために、標準的な休暇申請様式により申請されなければなりません。
3.7.3.2 無給休暇の審査基準
無給休暇の申請を承認するにあたっては、当該教員の担当授業及びその他の学術的役割分担、学識の貢献度、研究指導を行っている博士論文の数、以前に取得した無給休暇、及びその他関連する事情が考慮されます。
3.7.3.3 教員任期の延長
任期制の教員が無給休暇を取得した場合、事前の書面による合意がない限り、休暇期間に相当する期間、任期が延長されます。この延長は、自動的ではなく、申請後、研究科長及び教員担当学監により承認されなければなりません。
3.7.3.4 研究支援期間の延長
無給休暇を取得した教員に対する研究支援期間は、最大で休暇期間に相当する期間、延長することができます。雇用契約時に確約された研究資金配分の総額は増額されることはありません。研究支援期間の延長は、教員担当学監により承認されなければなりません。
3.7.3.5 部分的無給休暇期間
部分的無給休暇期間は、第3.7.3.3項及び第3.7.3.4項に記載されている教員任期と研究支援期間と同様の効果を有しますが、比例的なものとなります。
3.7.4 研究専念休暇
専任教員は、研究専念休暇を申請することができます。研究専念休暇とは、授業の担当及びその他の大学行政から離れ、その期間、本学から給与の全部又は一部を支給される休暇をいいます。
3.7.4.1 研究専念休暇の申請
研究専念休暇の申請は、研究科長及び教員担当学監による審査及び承認のために、標準的な休暇申請様式により申請されなければなりません。
3.7.4.2 研究専念休暇の審査
研究専念休暇を承認するにあたっては、当該教員の担当授業及びその他の学術的役割分担、学識の貢献度、研究指導を行っている博士論文の数、以前に取得した無給休暇、及びその他関連する事情が考慮されます。
3.7.4.3 無給休暇又は研究専念休暇の、サバティカル休暇に対する影響
無給休暇又は研究専念休暇を取得している期間は、サバティカル休暇の取得条件となる期間に算入されません。
3.7.5 家族や病気等に関する休暇に係る基本方針
家族、病気、育児等に関する休暇に係る基本方針は、PRP第33章「休暇・休業・休職」 に規定されています。これら標準的な休暇の選択肢に加えて、教員は、研究科長を通して、授業担当の時間又は量についての調整を要求することができます。
3.8 兼業
専任教員は、他の大学、研究機関、又は企業で客員、非常勤、又は雇用の形で兼業を行うことができますが、本学における教育、研究、その他の活動に支障がない範囲でなければなりません。また、知的財産、研究安全管理、動物実験、人対象研究、その他関連分野を含む、本学のPRPに矛盾するものであってはなりません。兼業を行うには、兼業規則に従って、事前に教員担当学監の許可を得る必要があります。兼業により費やされる時間は、本学における時間の20%を超えてはなりません。兼業に伴う経済的利益に関する情報は、公開される必要があります。
3.9 苦情・係争の解決
苦情や係争の解決に関する手続は、PRP第39章「苦情や係争の解決」に規定されています。教員が報告した苦情や係争については教員担当学監が所管します。教員担当学監の次の段階としては学長が所管します。「委員会による係争解決」レベルの係争については、学長が係争処理委員会を選任します。教員の部下である職員が報告した苦情や係争については、第39章に規定されている標準的手続が適用されます。学生が報告した苦情や係争については、第5章「研究科ハンドブック」の標準的手続が適用されます。
3.10 任期及び条件
3.10.1 雇用契約
学術に係る職種の任期及び条件は、雇用契約に定められ、その写しを、本学及び教員の両者が保有します。学術に係る職種の任期は、(a)テニュア無し任用の場合には固定の年数、又は(b) テニュア付き任用の場合には無期限のいずれかです。無期限のテニュア付き職位の任期は、任用の発効日から、任用された者の退職日までです。
3.10.2 雇用契約非更新の事前通知
更新可能なテニュア無しの教員は、雇用契約が更新されない場合、期間満了時より1年前までに通知されます。適時に非更新通知がなされない場合には、当該個人の任期は、通知の日から1年間とすることができます。
3.10.3 研究資金配分非継続の事前通知
評価の結果、研究資金配分を継続しない旨の通知を受けた、テニュア付き又は無しの教員は、研究資金配分の最終年度の間、交渉によっては段階的減額が可能となるような資金配分を受けます。適時に非継続通知がなされない場合には、当該個人は、通知の日まで、その時点での研究資金配分を延長し、通知の日から1年間の段階的減額期間の延長を受ける権利を有します。
3.11 懲戒
本学のPRPに違反する行動に対して懲戒措置をとるための手続は、PRP第38章「懲戒」に規定されており、その規定は、本学の全職員に適用されます。教員の懲戒に関しては、教員担当学監が所管し、十分に解決できなかった場合は学長が所管します。