“近代的、楕円形、調和 …”
現在建設中の新しい講堂をOISTキャンパス建設セクションの日高靖晃セクションリーダーはこのように表現します。これまで建物を覆っていた足場が徐々に撤去され、完成間近の500名収容の講堂が姿を現しました。講堂の設計は、国内最大手の一つ、日建設計と、地元設計会社の国建によって手がけられました。講堂のこけら落としは本年4月となる予定です。
建物は外装が完成し、現在は照明や電気などの内装工事が急ピッチで進められており、最後に室内の仕上げが行われます。ジョン・ディキソン副学長(施設管理担当)は工事の進捗を、「3月の竣工に向けて、電気配線、音響・照明器具、同時通訳ブース等の据え付けを進めており、この後に、座席とカーペットが設置されます。外構工事については、講堂周辺の植栽と講堂が面する池の修復工事を行っています。」と説明します。ディキソンによると、講堂にはWi-Fi機器が設置され、各座席に電気コンセント、同時通訳受信機の差込口、ノートパソコンや書類が置ける大きな折り畳み式のテーブルが設置されます。
講堂にはちょっとした仕掛けがあります。講堂の正面に設置される白い大きなスクリーンは昇降可能で、講演やイベントの合間にこのスクリーンを引き上げると、その向こうに丘陵の緑とOISTのメインキャンパスが目に飛び込んでくる、というわけです。
また、講堂に隣接して、320台収容の駐車場が建設されています。駐車場はOISTの他の建物同様、周りの自然に溶け込むように工夫されており、こげ茶色の塗装が施されたシンプルな鉄骨フレームからできています。そこに特殊なメッシュ素材をかけることで、蔦などの植栽が絡み、やがて自然の緑が駐車場を覆い、車の日除けにもなるように考えられています。
ニール・コールダー副学長(コミュニケーション・広報担当)は、「このような素晴らしい講堂が建設されることで、国際的な学会の開催が可能になるだけでなく、世界レベルの文化的活動の発信地としても活用できると考えています」と語っています。
(ジュリエット・ムセウ)