研究棟3完成間近
本学にとって重要な節目となる研究棟3の整備が3月末の完了を目指して順調に進められています。新研究棟の完成により、本学のマスタープランの第一段階が全て終了することとなり、教員50名と研究員、ならびに学生にとって必要な施設整備が完了します。
新研究棟は、研究科オフィスの他、まずは7つの研究ユニットの活動拠点となります。この内、新ユニットを率いるのは、着任して間もないジュリア・クシュナッディノバ准教授、イェ・ザン准教授、横林洋平准教授です。
本学発のベンチャー第1号である沖縄プロテイントモグラフィー株式会社も1階に新設される「ディベロップメント・ラボ(開発ラボ)」に拠点を移し、構造細胞生物学ユニット率いるウルフ・スコグランド教授が開発した技術を駆使してタンパク質構造の3次元解析サービスを世界中の顧客に向けて展開します。このディベロップメント・ラボは、既に確立された、あるいは将来的に見込みのある産業界のパートナー(連携先)との交流拠点となり、本学の事業開発と技術移転としての機能をもつことになります。また、残りのスペースは将来有望な研究の芽を育んでいくための活動の場として利用されます。
「これらの空間は、発明や発見を実用化に繋げ、世界中に発信していくための活動を行う場所です。」と語るのは本学の施設管理責任者を務めるジョン・ディキソン副学長です。
研究室の内装や電気・空調設備の整備、またコンピューターネットワークの設定といった重要な仕上げ作業の後、5月から7月にかけて教職員が徐々に新しい建物に場所を移します。
新研究棟の外装には、研究棟1と2と同様に周囲の環境と調和するデザインが施されています。設計を手掛けたのはこれまでと同様、国内建設大手の日建設計と地元沖縄の国建、米国の建築設計事務所コーンバーグ・アソシエイツの3社共同企業体です。
研究棟3には、キャンパス全体を連結させる2本のスカイウォーク(連絡通路)が架けられます。1本は屋根無しの開放型通路で、センターコートと研究棟3を結びます。もう1本は2階建てスカイウォークとなり、研究棟1と3を2つの階で結ぶので、ある階層で棟から棟へと全ての建物を一巡できるようになります。
「これでようやく全施設を結ぶ回路が完成します。」とディキソン副学長は言います。
研究棟3の整備は2013年8月に始まり、当初予定していた時期から9カ月遅れの着工となりました。建設コストの上昇により2回目の入札を余儀なくされたことが、建設開始の遅延に繋がりました。インターバル撮影による動画では、2014年12月までの15カ月間に渡る建設現場の様子を捉えています。
OISTキャンパスにおけるその他の施設整備も最終段階に入っており、講堂に隣接するR&D(知的産業)クラスターホールは今年5月に、イーストコートの宿舎は今秋に完工する予定です。
新しい物置と、試作品の組立てをおこなう作業場、エンジニアリングサポートビルの整備費用は、最近公表された2014年度の補正予算に含まれています。本施設は2015年度内の竣工を目指しています。
(ローラ・ピーターセン )