入居企業インタビュー：ekei labs

貴社の事業内容について教えてください。

ekei labsでは、加齢のバイオマーカーを活用し、健康寿命の延伸（ロンジェビティ）のための戦略を個人や企業が立てられるよう支援しています。個人向けには、自宅で使用できる検査キットを提供しており、これを通じて生物学的年齢を分析し、デジタルプラットフォームを通じて分析結果を提供しています。その他、医師との面談も活用することで、ユーザーはライフスタイルを改善し、老化の進行を遅らせることができます。企業向けには、コンサルティングサービスや共同研究を提供し、加齢のバイオマーカーを製品やサービスに組み込む支援を行っています。食品や飲料、保険業界など、さまざまな分野の企業と連携し、ロンジェビティをビジネスモデルに取り入れるサポートを行っています。 

OISTイノベーションインキュベーターに入居した理由を教えてください。

私たちがインキュベーターに入居することになったきっかけは2つです。1つ目は、当社の科学顧問であり、過去にOISTのアクセラレータープログラムに参加していたイーライ・ライオンズがOISTのキーパーソンを紹介してくれたこと。2つ目は、当社がOISTと連携したファンドを運営するLifetime Venturesから出資を受けていることです。これらのつながりを通じて、OISTがライフサイエンススタートアップを支援する素晴らしいポテンシャルを持っていることを知りました。 さらに、日本、特に沖縄は、当社の事業にとって理想的な場所です。日本は世界でも最も急速に高齢化が進んでいる国であり、沖縄は平均寿命の長さで知られています。また、OISTにはトップクラスの研究者が集まり、コラボレーションのための環境が整っていることから、入居を決めました。 

OISTイノベーションインキュベーター現在の利用方法を教えてください。

現在は東京での活動が中心ですが、新しいOISTイノベーションインキュベーターがオープンし、ラボのより広いスペースが利用できるようになるのに合わせ、実験担当のメンバーを沖縄に異動させる予定です。OISTイノベーションインキュベーターでは、まずは加齢生物学に関する基礎実験を行うことを予定していますが、将来的にはR&D部門全体をOISTエコシステム内に構築することを目指しています。本社は東京にありますが、東京と沖縄のチームが密接に連携し、両拠点のメリットを最大限に活用していく予定です。 

OISTイノベーションインキュベーターに入居するメリットとして感じていることを教えてください。

OISTコミュニティの一員であることは、ネットワーキングやコラボレーションの面で非常に素晴らしい価値を提供してくれています。OISTのオープンな文化のおかげで、さまざまな分野の研究者と容易に繋がることができ、有益なパートナーシップが生まれています。例えば、これまで探求していなかった発生学や物理学のトップ研究者と関わることができ、その分野にも大きな可能性を見出しています。また、OISTの国際的な環境、特に英語が共通言語として使われている点は、私たちのような外国人起業家にとって非常に魅力的です。このようなオープンでグローバルなコミュニティは、大きなメリットといえます。 

どんな企業にOISTイノベーションインキュベーターへの入居をおすすめしたいですか？

ディープテックやバイオテック企業にはぜひOISTイノベーションインキュベーターを検討してもらいたいです。OISTは基礎研究に重点を置いており、ライフサイエンスや、テクノロジーを駆使した業界で活動する企業にとって、非常に重要なリソースです。インキュベーターで提供される研究環境や人材へのアクセスは、研究とビジネスをつなぐことを目指すスタートアップにとって理想的な場所です。また、国際的で協力的な環境は、グローバルな文脈でイノベーションを目指す企業にとっても大変適した環境です。 

OISTイノベーションインキュベーターに今後期待することがあれば教えてください。

今後、地方自治体との連携を強化していきたいと考えているので、沖縄県との接続を支援してもらえると大変心強いです。 また、今後の成長に伴い、沖縄のハイテク産業のエコシステムや、将来的にライフサイエンススタートアップのグローバルな拠点となる可能性を秘めるOISTのエコシステムにより一層貢献できることを大変楽しみにしています。

（取材日：2024年8月21日）