大学生が最先端研究を体験 科学が社会に与える影響を議論
沖縄科学技術大学院大学(OIST)が2023年3月11日から18日にかけて開催したサイエンスチャレンジ2023に、全国の大学から日本人学生の他に中国、韓国、ミャンマー出身の学生を含む25名が参加しました。このイベントでは、STEM分野の学部生や大学院生が1週間のワークショップに参加し、主に研究スキルを磨きながらOISTでの生活を体験しました。
2015年から開催されてきたこのイベントでは、毎年テーマを変えてワークショップを実施しており、今年のテーマは「How will your research impact future society?(あなたの研究が未来の社会にもたらす影響)」でした。ワークショップ最終日には、参加者全員がテーマに関する4分間のプレゼンテーションを行いました。
さまざまな研究分野を専門とする参加学生たちは、一週間を通して、OISTで行われている最先端の研究に触れる機会を多く持ち、また、各自の研究が、将来、社会にどのような影響を与えるかについて意見を交わしました。
参加した学生は、各自の研究に関する議論やOISTにおける研究を体験したほか、プレゼンテーション力向上のためにOISTの博士課程学生や職員から助言や専門知識を得ました。プレゼンテーション力は、わかりやすさ、創造性、情熱、そして「科学への好奇心」を基準に評価されました。
最終日には、プレゼンテーション大会がありました。審査員は、OISTのアドミッション・学術契約コーディネーターのキーリー マリー・ブランドンさん、インターナルコミュニケーションリードのレット・レジスターさん、博士課程学生のアレクサンドラ・ガブリロヴァさんが務めました。
「ベストプレゼンテーション賞」に選ばれたのは、九州大学修士課程1年生の柏原智香さんです。柏原さんは、生物物理学を専攻しており、細胞内の大輸送が将来の社会に与える影響について具体的な発表を行いました。また、電磁波、極限環境生物、核磁気共鳴についてそれぞれ発表を行った中島悠翔さん、島尭杜さん、川畑瑞穂さんが優秀賞に選ばれました。
柏原さんは、「受賞も光栄だが、それ以上に貴重な体験を得ることができた」と述べ、「この1週間、OISTの先生方や博士課程学生の皆さん、そしてワークショップの参加者の皆さんから刺激を受けたことで、さらに多くのことを学び、自分が何を達成したいのかを明確にしたいと思うようになりました。ご支援をくださった皆様とOISTサイエンスチャレンジ2023の関係者の皆様に心から感謝申し上げます」と感想を述べました。