社会課題を解決に導くアイディアが炸裂!高校生10チームによる熱い戦い
沖縄県内高校生のためのイベント「SCORE!サイエンス in 沖縄:起業のための研究能力 サイエンスフェア」(以下、SCORE!)が、12月10日(土)OISTで開催されました。本大会は、科学とビジネスを軸に社会課題を解決するためのプロジェクトを10分間の限られた時間内で発表し、アイディアの独創性や、プレゼンスキル、起業家精神、科学的な思考力などを競い合うコンテストです。第11回目となる今年は、初参加の3校を含む県内8校から10チームが参加しました。
SCORE!は、OISTと在沖米国総領事館が共催するもので、県内高校生への体験型理科教育を発展させること、および起業家精神に関心を持ってもらうことを目指し、2011年から毎年開催しています。
健康を意識した特産品の開発、バリアフリー社会の実現のためのアイディア、環境問題に取り組むプロジェクトなど、今大会ではSDGsの達成に向けた研究テーマが多くエントリーしており、社会問題に対する高校生の意識の高さが伺えました。また、ほとんどのチームが、英語でのプレゼンに挑戦しました。
開会式で在沖米国領事館総領事館のニコール・リマヌチェリさんは「新しいことに挑戦すること、つまりイノベーションに挑戦することは、決して簡単なことではありません。皆さんは今日まで、あらゆる障害を乗り越え、一生けん命プロジェクトに取り組んできました。自分自身を誇りに思ってください。ひとりひとりの皆さんの輝きを応援します。」と激励の言葉を高校生たちに送りました。
10チームによる発表内容は、科学的考察力、創造性、プレゼンスキルの3つの視点から、学内外の5名の審査員によって審査されました。審査の結果、優勝を果たしたのは、「スナゴケの大気質改善能力の評価」を発表したザイオン・クリスチャン・アカデミーインターナショナルのチームでした。
ザイオン・クリスチャン・アカデミーインターナショナルは、北谷町にあるインターナショナルスクールで、今大会がSCORE!への初出場となります。2年生のキールティ・マユシャさんと、3年生の宮城・ガブリエル・アンさんの2名からなるチームは、苔のもつ空気清浄機能に着目し、その特性を科学的に実験し検証。さらにその苔の特性を活かした環境にやさしい空気清浄デバイスの開発について発表しました。審査員は、卓越したプレゼンテスキルと、科学的な洞察力、そしてサステイナビリティと実用性の高さを評価し、同チームを優勝チームとして選出しました。
宮城さんとキールティさんは、「はじめての参加だったので、どのような結果になるかは全く想定していませんでしたが、高い評価を頂けて本当に驚いています。今回SCORE!のために、3か月間真剣に取り組んできました。苔のもつ可能性を活用した製品は、たくさんの人たちが望んでいるものだと信じているので、今後も引き続きこのプロジェクトに取り組み、さらに発展させていきたいと考えています」と述べ、喜びをかみしめました。
閉会式でOIST副学長(広報担当)のヘザー・ヤングさんは「皆さんの生き生きとしたプロジェクトと好奇心に感銘を受けました。好奇心は、科学の原動力であり、成功のための原動力となります。皆さんの今後の活躍に大きな期待をしています」と締めくくり、高校生たちの健闘を称えました。
第11回「SCORE! サイエンス in 沖縄:起業のための研究能力 サイエンスフェア」の入賞チーム
- <優勝>ザイオン・クリスチャン・アカデミーインターナショナル「スナゴケの大気質改善能力の評価」
- <準優勝>沖縄工業高等専門学校「どこ点シューズ」
- <3位>沖縄尚学高等学校「再利用野菜でエコなバイオエタノール
- <特別賞>沖縄工業高等専門学校「草を刈らずに雑草地を芝生に変える新しいコンセプトのロボット、『くさからん』の開発」
審査委員
- OIST カンファレンス・ワークショップ・セクション 学術連携推進シニアマネジャー 森田 洋平博士
- 沖縄県高等学校理科教育研究協議会会長、沖縄県立那覇高等学校校長 石原 啓様
- 在沖米国商工会議所秘書・在沖米国商工会議所教育委員会委員長 熊谷律智様
- 沖縄県科学技術振興課科学振興班班長 玉城純子様
- OIST 流体力学ユニットポストドクトラルスカラー カレラ チョラ博士