OIST, 海上保安庁長官より感謝状を受領
海上保安庁では、毎年9月12日の水路記念日にあたり、全国の個人・団体に対し、海上保安庁長官から感謝状を贈呈しています。2022年9月15日、令和4年の水路記念日に伴い、第十一管区海上保安本部において表彰式が執り行われ、沖縄科学技術大学院大学(OIST)に感謝状が贈られました。今年は、全国で個人のお二方と16の団体に贈呈されました。この団体のうち、沖縄県内では本学のみとなります。
第十一管区海上保安本部の一條正浩本部長より感謝状を贈呈されたOISTのピーター・グルース学長(当時)は、感謝の意を述べるとともに、「今年は、両者の協力関係の10周年を祝う年でもあります。今後も、沖縄の地域社会の強化に寄与し、信頼関係をさらに深める取り組みを進めてまいります」と今後の連携の展望について語りました。
「今年は十一管本部創立50周年であり 、OIST との協力関係は10年目を迎えております。このような記念すべき年に、 OISTに対し、海上保安庁長官からの感謝状を贈呈することができましたことを、大変喜ばしく感じております。」と一條正浩本部長から、お言葉を頂戴いたしました。
OISTと第十一管区海上保安本部は、平成24年3月に業務協力にかかる協定を締結しました。これまでOISTは、沖縄周辺海域における海洋の流れのシミュレーションの高度化などの海における調査・研究のために科学観測用機器の設置等において第十一管区海上保安本部から多くの協力を得てきました。
業務協力の成果のひとつとして、2020年8月に、慶良間列島周辺の潮流予測情報を完成させたことが挙げられます。3週間先の潮流情報を事前に面的かつ1時間ごとに確認できる潮流予測情報は、潮流が卓越する慶良間諸島周辺海域のマリンレジャー等に利用できるほか、海難発生時の捜索救助活動等にも活用しています。
第十一管区海上保安本部の協力のもと研究を行ってきた OIST海洋生態物理学ユニットの御手洗哲司准教授は、「海水の流れが生物に及ぼす影響をよりよく理解し、生物の地理的分布と、生物の地球化学的な循環の作用を定量化することを目的として研究している私たちにとって、海の上や中での実験は欠かせません。しかし、このような小さな研究チームが、大きな海に乗り出していくためには、様々な場面で、海のスペシャリストである第十一管区海上保安本部や那覇海上保安部の方々にご協力を仰いでいるのが現状です。私たちの科学研究を、沖縄県民の安全・安心に役立てていただいていることにも、非常に感謝しています」と話し、これまでの協力に感謝のことばを述べました。