OIST創立から丸5年

創立から丸5年。この間のOISTの歩みを振り返ります

 2011年11月19日は、沖縄科学技術大学院大学(OIST)にとって特別な日でした。400名以上の来賓の方々が県の内外および海外から集まり、センターコートで開かれた特別なイベント、世界最高レベルの教育研究機関の創立記念式典にご出席くださったのです。OIST創立から丸5年が経った今、他に類を見ないこの大学院大学の歩みを振り返ります。

2011年11月19日、OISTの創立記念式典が行われた。左側から、ジョナサン・ドーファン学長、川端達夫沖縄及び北方対策担当大臣(当時)、仲井眞弘多沖縄県知事(当時)

 OISTの教職員・学生の数は、わずか5年間で364名から918名*に膨らみました。本学は実に国際的で、教職員だけでも、6大陸、50以上の国と地域からここ沖縄に人々が集まってきています。そして現在までに、脳神経科学、分子・細胞・発生生物学、数学・計算科学、物理学・化学、環境生態学の分野をカバーする52もの研究ユニットが設立しました。来年にはさらに10の新しいユニットが設置され、研究範囲がますます広がる予定です。研究者の数が増えるにつれ、OISTの学術的な成果も上がり、2011年以来1118本**の論文が学術誌に発表され、世界中の学術会とメディアの注目を集めています。

 技術開発イノベーションセンターの力もあり、OISTで2011年以来行われた研究においては、17件の特許を取得、170件が申請中***となっています。2014年の6月には、タンパク質を含む高分子を、様々な状態において、単一分子レベルの画像技術を提供する沖縄プロテイントモグラフィー株式会社が、OIST初のベンチャー企業として設立されました。さらに昨年設立したプルーフ・オブ・コンセプトプログラムでは、太陽電池からアルツハイマー病の治療の可能性まで含めた8つのプロジェクトの商業化を目指して進めています。このように、基礎科学への探求から生まれる学術研究成果を、われわれを取り巻く多くの問題解決に向けて応用することができるのです。

 OIST博士課程プログラムには、これまでに6大陸35の国と地域から130人以上の学生が入学しました。第一期生の一部が来春博士課程を修了しようとしている中、本年9月に入学した第五期生が、1年目のラボ・ローテーションをもうすぐ終わらせようとしています。

  年々拡大している職員と学生数を受入れるため、OISTの施設は大規模で目を見張る発展をこの5年間において遂げました。センター棟と第1研究棟、およびオフキャンパスの教員宿舎しか存在しなかった2011年以降、、新たに2つの研究棟と、講堂およびそれに隣接する会議室、キャンパス内の教員宿舎、ビレッジセンター、研究員・学生用アパートのイーストコートとウェストコート、チャイルド・デベロプメント・センター(CDC)、マリン・サイエンス・ステーション、エンジニアリングサポートビルディングが整備されました。第4研究棟は既に着工し、2017年の初めには、チャイルド・デベロプメント・センターの拡大工事が始まる予定です。

センター棟と第1研究棟ができた2011年当時のOIST

 OISTの美しい施設は、本学のメンバーのみが享受するものではありません。ここ5年間、県内外の200校以上から訪問した高校生を含む15万人以上の方々をOISTキャンパスにお迎えしました。またOISTは創設以来、72の文化イベントを開催しており、沖縄、日本、また世界の人々の才能を披露する場所となっています。毎年一般公開イベントも行っており、科学デモンストレーションや講演など一般の方々に科学の楽しさを体験して楽しんでもらえるよう様々なプログラムを用意しています。

 この5年間で様々な変化がある一方で、「国際的に卓越した科学技術に関する教育及び研究を実施することにより、 沖縄の自立的発展と、世界の科学技術の向上に寄与すること」というOISTの設立目的は普遍です。

  2015年7月には、外部評価により、OISTが設立目的に沿って着実に歩みを続けていることが確認されました。本学への評価として、国際的に卓越した専門家からなるパネルが、8つの卓越性を測る基準において、「外部評価委員会は、卓越性を測る全ての主要な基準において、傑出した成果が見られると評価する。」と結論付けました。

  OIST創立から丸5年の節目にあたり、開学当初からの進捗について振り返り、さらに世界最高水準の大学院大学に向けて、今後も歩みを進めていくことに期待を寄せる好機となりました。

CDCの子供たちがOIST創立丸5年を祝い、パフォーマンスをする様子

*  2016年10月1日現在
**   2016年3月31日現在
*** 2016年8月31日現在

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