沖縄科学技術大学院大学創立へ
本日、政府は沖縄科学技術大学院大学学園法を本年11月1日から施行すること等を定めた政令を閣議決定しました。これは、去る10月24日に、学校法人沖縄科学技術大学院大学学園の寄附行為及び沖縄科学技術大学院大学の設置が文部科学大臣によって認可されたことを受けて行われたもので、これにより、11月1日をもって、沖縄科学技術大学院大学学園(OIST)が設立されます。
本学のジョナサン・ドーファン初代学長予定者は、「11月1日は、教育と研究の歴史において記念すべき日になるでしょう。日本政府が、素晴らしいビジョンを掲げ、世界の大学院教育に変革を起こすような新しいモデルを作ろうとしてきたことに敬意を表したいと思います。沖縄科学技術大学院大学は、国際的にも卓越した教育研究を行うことによって、沖縄の自立的発展に寄与することを目指します。」と喜びを語っています。
本学は、教員と学生の半数以上を外国人とし、教育と研究は全て英語で行う予定です。既に、生命科学、物理科学、環境科学といった分野から45名近くの世界トップクラスの教員が着任し、ここ沖縄で研究を開始しています。また、単一の研究科・専攻のみを設け、想像力がかきたてられる研究環境の下、設備・機器の共用を促進することにより、真に学際的な研究が行われる大学を目指します。2012年9月以降、世界中から選りすぐられた最優秀の学生が毎年20名ずつ、ここ沖縄にやってきます。本学の博士課程プログラムでは、それぞれの学生が、基本となる学問分野の基礎をしっかりと身に付けるとともに、学際的な研究につながる形で、個々の専門分野の知識を深めることができるように設計されています。
本学園の設立委員会合の共同議長を務めてきた有馬朗人博士(本学園の理事に就任予定)は、「閣議決定を大変嬉しく思います。沖縄科学技術大学院大学によって、科学教育の新しいモデルが世界に示されることを期待しています。日本は世界の科学技術を牽引する存在になれるのです。」と話しています。
本学の設立目的の一つが沖縄の振興と自立的発展に貢献することです。本学の想像力に溢れる頭脳と先端的な研究基盤を組み合わせることで、様々な科学的解明につながり、沖縄における技術革新の原動力にもなりえるでしょう。
同じく本学園設立委員会合の共同議長であったトーステン・ヴィーゼル博士(本学園の理事に就任予定。ロックフェラー大学名誉学長、1981年ノーベル生理学・医学賞受賞)は、「大学院大学は、その国際性と学際的なアプローチによって、科学というものの領域を拡げていくことができる計り知れない可能性を秘めています。沖縄における知的・産業クラスターの形成に向けて既に取り組んでおり、科学的なイノベーションの技術移転を促進し、産業化につなげていきたいと考えています。」と話しています。
沖縄科学技術大学院大学学園の設立に至る経緯
- 2001年6月、内閣府特命担当大臣(沖縄・北方対策、科学技術政策担当)(当時)が新大学院大学構想を提唱。
- 2002年3月、沖縄に国際的に卓越した教育研究を行う大学院大学を整備すること等により科学技術を振興すること等を定めた沖縄振興特別措置法が制定。
- 2003年4月、大学院大学建設予定地として恩納村を選定。
- 2004年2月、先行的な研究事業として4件のプロジェクトが採択され、うるま市の施設にて発足。
- 2005年3月、大学院大学の設置準備等を行う法人を設立するため、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構法案が国会で可決。
- 2005年8月、シドニー・ブレナー博士(2002年ノーベル生理学・医学賞)が機構の理事長として決定。翌月、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構が発足。
- 2007年9月、ロバート・バックマン博士が理事に就任。
- 2009年7月、沖縄科学技術大学院大学学園法が衆参両院での全会一致での可決を経て公布。同法によって、沖縄科学技術大学院大学について、自主性と柔軟性を重視する観点から、学校法人により設置することを定めるとともに、研究機関から大学院大学に移行するための制度的な枠組みが整えられた。
- 2011年3月、文部科学大臣に対し、2012年秋の大学院大学開学(学生受入れ)に向けて大学設置等に係る認可を申請。
- 2011年10月24日、同大臣による認可。
- 2011年11月1日、沖縄科学技術大学院大学学園法施行により沖縄科学技術大学院大学学園設立
本件問い合わせ先
〒904-0495 沖縄県国頭郡恩納村字谷茶1919-1 Phone. 098-966-2389 Fax. 098-966-2887 ">http://www.oist.jp
沖縄科学技術大学院大学
(沖縄科学技術研究基盤整備機構 総務グループコミュニケーション広報課) 広報担当:名取 薫