沖縄科学技術大学院大学の初代学長予定者にジョナサン・ドーファン博士を決定
- プレスリリース -
2012年度の開学に向けて準備を進めている沖縄科学技術大学院大学の初代学長予定者として、米国スタンフォード大学において線形加速器センター所長などの要職を歴任し、研究・マネジメントの両面で高い評価を得てきたジョナサン・ドーファン博士を決定しました。
この度、沖縄科学技術大学院大学学園設立委員は、国際的に著名な物理学者であり米国 スタンフォード大学が運営するSLAC国立加速器研究所(旧スタンフォード線形加速器センター)の名誉所長であるジョナサン・ドーファン博士を2012年度開学に向け準備中の沖縄科学技術大学院大学の初代学長予定者に選出しました。ドーファン博士の学長就任により、同博士の長年にわたる世界トップレベルの研究所の所長等としてのマネジメント経験と、国際共同プロジェクトを主導してきたリーダーとしての手腕が、大学院大学にもたらされることになります。
ドーファン博士は、1976年に米国カリフォルニア大学アーバイン校にて素粒子物理学に関する研究で博士号を取得後、スタンフォード大学で30年以上にわたって勤めました。1999年~2007年にはスタンフォード線形加速器センター(SLAC)の所長を務め、1,500名の教職員を統括するとともに、25カ国から集まったおよそ3,000名の科学者が参画する研究プロジェクトを束ねました。同博士の卓越したマネジメントの手腕により、かつては主に単一の研究目的のみにしか利用されていなかった素粒子実験施設を、素粒子物理学に加え、光量子科学や粒子宇宙物理学等あらゆる研究目的に活用される世界的にも有名な研究施設に生まれ変わらせました。ドーファン博士がディレクターとして主導したSLACの B Factory での実験は、姉妹施設である高エネルギー加速器研究機構のB-factory(茨城県つくば市)での実験とともに、益川敏英博士や小林誠博士の理論を実証し、両氏に2008年ノーベル物理学賞受賞をもたらすとともに、素粒子物理学の発展に貢献しました。
現在、ドーファン博士は、英国のオックスフォード大学及びロンドン大学ロイヤルホロウェイ校、ドイツのマックスプランク研究所、イスラエルのワイツマン科学研究所等、世界の数多くの著名な大学・研究機関にアドバイザーや理事等の立場から参画しています。同博士は、これまでのキャリアを通じて国際的な科学者との幅広く多様なネットワークを築き、日本の著名な科学者達とも親交を深めてきました。
この初代学長予定者の選考は1年以上をかけて慎重に進められてきました。学術誌やホームページを通じた公募、設立委員のネットワーク等により、世界中から国籍や性別を問わず、研究・マネジメントの両面で優れた合計160名を候補者として抽出し、その中から設立委員による面接等を経て、最終的にドーファン博士が選ばれました。
設立委員は、今後、ドーファン博士に、世界中の卓越した教員・学生の獲得、カリキュラムの策定、さらには現在進みつつある世界規模の学術的連携や産業界との連携関係の構築に、大いに貢献していただけるものと確信しています。また、同博士の地域社会との積極的な交流活動を通じて、この大学院大学が沖縄の将来の発展に寄与するものとなることを期待しています。