2012-06-18

OIST第一期生を選抜


(左から)ジョナサン・ドーファン学長と理事会議長のトーステン・ヴィーゼル博士

 2012年5月25日、沖縄科学技術大学院大学学園(OIST)理事会の会合がOISTキャンパスにて開催されました。

第一期生の選抜

 2011年11月に設立された沖縄科学技術大学院大学(OIST)には、現在、生命科学、環境科学、物理科学分野において国際的に卓越した46名の教員が在籍しています。OISTでは、優秀な博士課程の学生の獲得に向けて、設立直後より積極的な学生募集活動を行ってきました。本年1月と3月に開催されたアドミッション・ワークショップには、200名を超える志望者の中から選抜された80名の候補者が参加しました。本ワークショップでは、いくつもの面接や説明会を含む様々なプログラムが行われ、OISTの教員が個々の学生候補者についてよりよく知る機となったと同時に、候補者には、OISTの充実した研究施設や研究環境、素晴らしい教授陣などについて知っていただく機会となりました。その後、最終選考が行われ、OIST博士課程の第一期生として18か国・地域から34名の学生が選ばれました。2012年9月にOISTにとって初めてとなる学期が始まります。

 理事会議長のトーステン・ヴィーゼル博士は、「OISTが非常に優秀な学生の獲得に成功したことを、理事会としても大変嬉しく思っています。このような優秀な学生は、他の世界トップレベルの大学院を選択することもできるなか、OISTを選んだのであり、OISTの博士課程が大変魅力的であることを意味しています。」と述べました。

 また、理事会では研究科が世界各地で精力的に行った学生採用活動に対して賛辞が述べられました。

 OIST研究科長のジェフ・ウィッケンス教授は、「第一期生の入学に向け、大きな期待が高まっています。OISTの学生は多様性に富んでおり、関心のある学術分野や出身地は様々です。全員が独立して研究を行う十分な才能、独創性や能力を持っています。」と語りました。

沖縄との連携協力の推進

 OISTは、沖縄県のさまざまな機関と連携協力を進めています。 2012年3月13日には、沖縄県との間で連携協定を締結しました。同協定に基づき、今後は新産業の創出および地場産業の高度化、将来の科学技術を担う人材育成などに向けた取組みを進めていきます。

 つづいて3月22日、OISTのジョナサン・ドーファン学長と琉球大学の岩政輝男学長は、両大学の連携協力に関する協定書に署名、同協定を締結しました。今後、両大学は、教育、研究、産学官連携・地域イノベーションの創出など、複数の事項に関して連携して協力していきます。

 沖縄の海における安全・安心な活動、社会経済活動の発展等に繋げるため、3月27日にはOISTのジョナサン・ドーファン学長と第11管区海上保安本部の眞嶋洋本部長が、同本部で開催された調印式で業務協力に関する協定書に署名、同協定を締結しました。業務協力は、主に御手洗哲司准教授が率いるOIST海洋生態物理学ユニットと、第11管区海上保安本部の海洋情報調査課が中心となり、同本部関係課との連携のもと、「潮汐モデル及び海流シミュレーションの高度化」、「海底地形データ及び海流データの取得」、「漂流予測の精度向上」、「業務成果の検証・解析・評価」の分野で実施していきます。

 そして5月22日には、OISTと沖縄工業高等専門学校との連携協力に関する協定書の調印式がOISTにて行われ、OISTのジョナサン・ドーファン学長と沖縄工業高等専門学校の伊藤繁校長が協定書に署名しました。本協定に基づき、今後、学生、研究員及び教員の交流、共同研究の推進、研究施設・設備の相互利用等の連携協力が進められます。協定書の有効期間は5年となり、廃止の申し出がない限り継続されます。

キャンパスの更なる充実

 理事会ではキャンパス整備が順調に進捗していることについても報告され、高く評価されました。現在、第2研究棟の整備は最終段階を迎えており、6月20日以降に移転準備が始まります。第2研究棟はスカイウォーク(連絡通路)によってセンター棟と連結しており、二つの建物の間は容易に行き来することができます。この美しいスカイウォークは、眼下の谷間の貴重な生態系に影響を与えることがないよう配慮され作られました。また、OISTキャンパスには500名収容可能な講堂が完成しており、5月25日に正式に落成を迎えます。講堂の完成により、今後大規模な学会などをOISTで開催することが可能となります。キャンパスのビレッジには学生及び教員向けの宿舎と共に、店舗や福利厚生施設も整備される予定です。現在、本格的な建設工事が進められおり、学生を迎える9月までに準備が整います。

沖縄の自立的発展

 理事会・評議員会合同会合では、3月29~30日にかけて開催された、第2回国際ワークショップ「沖縄における知的・産業クラスターの形成に向けて」についても報告されました。本ワークショップには、ビジネスリーダー、県関係者など約40名が参加し、沖縄における知的・産業クラスター形成に向けた方策について議論が行われました。知的・産業クラスター形成による沖縄の自立的発展への貢献は、OISTの重要な使命のひとつでもあります。本ワークショップは沖縄県との緊密な連携のもと開催されました。ワークショップで繰り返し言及された複数のテーマがあります。それは、イノベーション及びリスクをとることを恐れない取り組みの推進、国際的で科学教育に重点をおいた地元学校の設立(雇用を促進し、科学技術分野における次世代の人材を育成するため)、世界で通用する優秀な人材の確保、地元コミュニティとの連携の強化、地元の産業や起業家との協力関係の構築、アジア地域のハブとしての沖縄のブランド化、そして県特有の資産の活用です。

 理事会と評議員会の合同会合では、相互の連携と支援が一層推進されました。OISTの教員による研究紹介も行われ、OISTの強みである学際的な研究が活発に行われていることが説明され、その点が特に評価されました。

 OISTのジョナサン・ドーファン学長は、「現在の進捗に非常に満足しています」と感想を述べ、「物理的なインフラ、経験豊かな国際的なマネージメント、世界最高水準の教授陣、そしてこの度、優秀な学生が選抜され、成功の鍵となる要素がそろいました。OISTが世界の教育研究のリーダーに成長することを目指して邁進していきます。」と語りました。

<沖縄科学技術大学院大学について>

 沖縄科学技術大学院大学は、平成23年11月に設置された新しい大学院大学で、沖縄において世界最高水準の科学技術に関する教育研究を行い、沖縄の自立的発展と世界の科学技術の向上に寄与することを目的としています。現在までに、44の研究ユニット(研究員約220名)が発足し、神経科学、分子・細胞・発生生物学、数学・計算科学、環境・生態学、物理学・化学の5分野において、学際的な研究活動を展開しています。また、国際ワークショップやコースの開催など、学生や若手研究者の育成にも力を入れており、これらの取組は国際的にも認知されています。大学院大学の開学は本年9月で、第一期生が入学予定です。

プレスリリース