地域が一つに:恩納村×OIST こどもかがく教室 2024
恩納村の子どもたちが2024年7月22日から26日の日程で、「恩納村×OIST こどもかがく教室 2024」に参加しました。このプログラムは、沖縄科学技術大学院大学(OIST)と恩納村が主催したもので、若い世代の好奇心を引き出し、科学への興味を育むことを目的としています。
恩納村ふれあい体験学習センターで開催されたこの科学教室では、130人を超える小学生が様々な授業に参加しました。OIST、恩納村、ボランティアの科学者、学生、スタッフの協力により毎年開催され、今年で14回目を迎えました。
OISTの講堂で行われた開会式で、 ヘザー・ヤング副学長(広報担当)は、次世代の科学者たちに向けて次のように挨拶しました。「恩納村×OIST こどもかがく教室では、たくさん質問をしたり、新しいアイデアを探求したり、『分からないけど知りたい』と思ったら、恐れずに発言してみてください。皆さんの好奇心が、科学と楽しさへの扉を開いてくれるでしょう」その後、子どもたちはキャンパスツアーに参加し、OISTの科学者たちがどんな研究をしているのか、「最前列」で観覧しました。
参加者は、幼児から6年生までを対象に、学年ごとに五つのグループに分けられました。それぞれのクラスには、プログラム期間中に取り組む活動に関連した特定のテーマが設定されました。
- 幼児「かがくであそぼう!」
- 小学1・2年生「みずのなかのいきもの」
- 小学1~3年生「科学で発見!」
- 小学3・4年生「みのまわりの科学」
- 小学5・6年生「科学で世界を知ろう!」
幼児たちはボランティアの指導とサポートを受けながら、アートを通して科学の世界を探求しました。紙や粘土を使って、家族のつながりを絵にした家系図作りや折り紙、動物の形など、様々な工作を行いました。
1年生と2年生の児童たちは、トビハゼやサンゴなど、沖縄に生息する海洋生物について学びました。OIST海洋生態進化発生生物学ユニットのスタッフサイエンティスト、マーレーン・クラン博士は、サンゴ礁で楽しく安全に遊ぶための方法や、毒を持つかもしれない水生生物の見分け方について授業を行いました。子どもたちは、魚の色素パターンを間近で観察することもできました。
「未来の科学者を育てるためには、子どもたちがが海に関心を持っている今のうちに、海と触れ合う機会を提供することが重要です」とクラン博士は語ります。
小学1年生から3年生のクラスは、OISTの光学ニューロイメージングユニット を率いるベアン・クン教授の指導のもと、考古学者になりきって沖縄で見つかる化石を探索しました。子どもたちは砂場を掘ったり顕微鏡を使ったりしながら、「顕微鏡の冒険」に出掛け、小さな生物たちの魅力的な世界を体験しました。
3年生と4年生の児童たちは、OIST大進化ユニットのリサーチインターンのオザキ リカコさんの話を聞き、オニイトマキエイ(マンタ)についてより深く理解することができました。また、海洋生物に脅威を与えるマイクロプラスチックなど、環境問題についても学びました。さらに、「小さな科学者」たちは、イソギンチャクの不思議な体についても学びました。
小学5、6年生は名護博物館を訪れ、沖縄の自然史について学んだほか、OISTの研究者が発見した新種のゾウムシについての講義も受けました。
最終日には、クン教授と恩納村教育委員会の宜志富清博 教育長が修了式に出席し、参加者一人ひとりに修了証書を手渡しました。子どもたちの学びと発見に対する熱心な取り組みが称えられました。
「こどもかがく教室」は、OISTと地域社会と絆を深め、次世代の研究者を育てるOISTの取り組みの一環として行っています。このプログラムでは、子どもたちに周りの世界をよく観察し、積極的に質問することを促します。子どもたちの好奇心に応え、若い才能を育むことを目指しています。
クラン博士が授業を終え、「楽しかった?」と尋ねると、児童たちは「楽しかった!」と元気よく答えました。
プログラムの写真は、OISTのFlickrでご覧いただけます。
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執筆: アイテック・アブドゥラ
中学生向けのプログラム「恩納村×OIST ジュニアサイエンスプログラム2024」は、 8月14日から16日まで行われました。プログラムの様子はこちらからご覧ください。