感覚を利用して使用者に「視覚」を伝える能力を備えたEnactive Torch(ET)には、60 cmの距離から物体を検出することを可能にする2つのセンサーが使用されており、装置が使用者に送達する振動強度を制御するためのマイクロコントローラーに情報を提供します。物体が近ければ近いほど振動は強くなります。この感覚により、視力を必要とせずに、操作および環境との相互作用が可能となります。ETは、物体が検知された距離に比例した振動感覚を送達するだけでなく、装置自体の加速度と、装置が検知する物体の距離(センチメートル単位)もBluetooth機能を通じてコンピューターに表示します。加速度および距離は、Ardruinoソフトウェアによりリアルタイムで表示され、装置の使用者は装置の性能情報を常に受信することができます。
ETは将来の反復過程を維持するため、研究室での実験用にモデルの最適化を継続することができます。将来の更新および反復計画が2つのETの交信を可能にするため、使用者は2つのETから同時に情報を受け取ることができます。ETに異なるモードを与える計画を組み込むことで、ETをコンピューターから各自で制御できるようになります。異なるモードでは、1人が保持しているETの振動強度を、もう1人がコンピューター上で決定することができます。このようなモードは、今後の研究のために貴重な情報を収集するのに役立ちます。
ETはArduinoソフトウェア上で、Arduino Pro miniをマイクロコントローラーとして使用してプログラムされています。現在、装置は筐体内に収められている2つのセンサー、Bluetooth、リニア共振アクチュエーター(LRA)および加速度計を7.4 Vで動作させます。筐体のデザインおよび組立てはSolidworks上で行い、製造には3D印刷を使用しました。ETは、UltimakerのTough PLA 3D印刷材料を用いて、Ultimaker 5S上で3D印刷されており、現在使用しているETはまだ試作段階のものです。