「AI科学者を開発したい」北野宏明博士が米国人工知能学会フェローに選出
沖縄科学技術大学院大学(OIST)のアジャンクト教授である北野宏明博士が、2021年の米国人工知能学会(AAAI)のフェローに選出されました。
同フェローへの選出は、北野教授の「ロボット工学、超並列AI(人工知能)、および科学的発見とシステムバイオロジーのためのAIの利用における多大な貢献とリーダーシップ」が評価されたためです。
北野教授は、OISTで統合オープンシステムユニットを率い、AIを取り入れた持続可能な建築「サステナブル・アーキテクチャ」の実現を目指しています。また、AIを使って大量の情報を処理できるソフトウェアプラットフォームやモデルを開発し、がん細胞などの細胞内の生物学的プロセスや経路をより正確にシミュレートしています。
北野教授は、次のように説明します。「人工知能はアラン・チューリングにまで遡る長い歴史を持ち、幅広い産業応用と科学研究に貢献してきました。今日、AIの重要性は疑う余地もありません。多くの重要な産業システムや社会システムに導入されており、今後も多くのシステムに導入されるでしょう。私が最近関心を抱いているのは、高度な自律性を持って重要な科学的発見をすることができるAIシステムを作ることによって、AI科学者を開発することです。これは、将来の科学研究のあり方を変えるでしょう。」
北野教授は、OISTでの研究と並行して、システム・バイオロジー研究機構の代表、ソニーグループ株式会社の常務AIコラボレーション担当、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所 代表取締役社長、さらに株式会社ソニーAI代表取締役 CEOを務めています。北野教授は、ソニーでの研究初期にエンターテイメントロボットの「AIBO」の開発に携わった後、1997年に「ロボカップ」を創設しました。これは、人間のサッカーW杯チャンピオンチームに勝てる完全自律型ロボットチームの開発を目的とした、最大級のプロジェクトです。現在、世界35カ国の研究チームが参加しています。
今回の選出を受けて、北野博士は「大変光栄です。AAAIは人工知能国際会議(IJCAI)とともに、人工知能研究とその社会展開の推進に極めて重要な役割を果たしています」とつけ加えています。
米国人工知能学会について
1979年に設立された米国人工知能学会(AAAI)は、思考や知的行動の基礎となるメカニズムの科学的理解を深め、それらを機械に具現化することを目的とした非営利の科学学会です。AAAIは、人工知能の研究とその責任ある利用を促進し、この分野に対する一般の理解を深めることを目指しています。
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