沖縄のために今何ができるか?高校生が科学とビジネスのアイディアを競う!
ドラゴンフルーツのおいしさを長く楽しむための冷凍技術や、絶滅が懸念される沖縄・九州の固有淡水草シマチスジノリを食用に育てる技術とは一体どのようなものなのでしょうか?はたまた、宇宙放射線を利用して建物の老朽化予測するシステムや、離岸流をAIで予測するシステムの構築は可能なのでしょうか?驚くことに、これらの革新的なアイディアは、沖縄県内の高校生たちによって考案されたものです。
12月16日、沖縄県内高校生のためのイベント「SCORE!サイエンス in 沖縄:起業のための研究能力 サイエンスフェア」(以下、SCORE!)が沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開催されました。本大会は、科学とビジネスを軸に社会課題を解決するためのプロジェクトを10分間の限られた時間内で発表し、アイディアの独創性や、プレゼンスキル、起業家精神、科学的な思考力などを競い合うコンテストです。第12回目となる今年は、選抜された約50名の高校生が参加しました。
計7チームによる発表内容は、科学的考察力、創造性、プレゼンスキル、英語によるコミュニケーション力、の4つの視点から、学内外の5名の審査員によって審査されました。審査の結果、優勝を果たしたのは、「冷凍ドラゴンフルーツの開発~冷凍技術で農家を救う~」を発表した沖縄県立中部農林高校のチームでした。
沖縄県うるま市にある中部農林高校は、2013年の第1回大会から常連校として参加してきましたが、今年初めて、悲願の優勝を果たしました。2年生の奥呂⽊ 響さん、阿波根 ⻘空さん、⽯川 実夢さんの3名からなるチームは、ドラゴンフルーツを栽培する農家からのリサーチを通じて、ドラゴンフルーツは保存が難しくシーズンが限られるため、価格競争で利益が見込みづらいという課題があることを知ります。それらを解決する方法として、ドラゴンフルーツを長期間楽しむための「冷凍保存」技術の開発に挑戦しました。水分量が高いドラゴンフルーツは通常冷凍には向かないとされていますが、チームはドラゴンフルーツの特性に合わせ、おいしさも保ちつつ長期保存できる冷凍技術を模索しました。審査員は、高いプレゼンテスキルと、科学的な洞察力、そして実用性の高さを評価し、同チームを優勝チームとして選出しました。
チームを率いた阿波根さんは、「これからの沖縄の農業のことを考えてスタートしたプロジェクトなので、その成果が認められてとても嬉しいです。英語での発表は不安でしたが、一生懸命がんばった甲斐がありました。ドラゴンフルーツを冷凍する際、どうしても皮の部分が廃棄されてしまう課題があるので、その解決にむけてプロジェクトを継続したいです」と喜びと今後の意気込みを語りました。
さらに、今回のSCORE!では、沖縄県でIT企業を創業し、同時に様々な人材育成や起業家支援に情熱を注ぐ実業家、比屋根 隆さんをゲストにお招きし、貴重な経験談を共有いただきました。比屋根さんは、沖縄の目指す未来を模索し、真に豊かになるには何が必要なのかを絶えず考え、実践してきました。その情熱と実践的な姿勢は、起業家精神と社会貢献の両面で注目を浴びています。会場の高校生たちは、比屋根さんの話に引き込まれ、熱心に質問を投げかけていました。未来の沖縄を担う次世代のリーダーに求められる姿勢やスキルとは何なのか、たくさんのインスピレーションを受ける機会となりました。
入賞チーム
【優勝】 沖縄県立中部農林高等学校
「冷凍ドラゴンフルーツの開発~冷凍技術で農家を救う~」
【準優勝】 沖縄県立美里高等学校
「シマチスジノリの食用化に向けた栽培技術の開発に関する基礎的研究」
【3位】 沖縄工業高等専門学校
「時空間流水ベクトルと機械学習を活用した海岸離岸流予測の革新的アプローチ」
【ポスタープレゼン賞】 沖縄尚学高等学校
「月桃の茎には、葉よりも抗菌作用が多く含まれているのか」
当日の写真はこちらからご覧いただけます。