2023年学位記授与式:29名の 博士課程修了生を祝福
式典は、OISTのスタッフや学生からなる三線グループ「ちんだみ」による演奏と、学生による琉球舞踊で幕を開けました。アルブレヒト・ワグナー臨時学長(当時)は、開式の挨拶のなかで、修了生に向けて「今日のこの日、これまでを振り返り、人生の大きな関門を無事に越え、希望にあふれる未来に向かっていることに誇りをもってください」と祝辞を述べました。
また、外国籍の修了生の27%が日本国内での就職を選択したことに触れ、「OISTへの投資はすなわち日本の未来への投資となることを、皆さんの研究に資金を提供してくださった日本国民の皆様に示すことができたと思います」と述べました。
次に、玉城デニー沖縄県知事による挨拶を照屋義実副知事が代読しました。修了生に対し、OISTでの経験を活かして、持続可能な開発への貢献を期待しているとし「皆さんは、異なるバックグラウンドを持ち、世界各地からこの沖縄に集い、OISTで知の修錬を積んできました。地元の人々との交流を含め、沖縄での経験が今後の人生の礎となることを願っています」と激励されました。
その後、自見はなこ内閣府大臣政務官からビデオメッセージにてご挨拶をいただきました。「私はOISTが今、「Best in the World(世界一)」になりつつあることに大変感銘を受けています。 そして、皆さんはこれから「Best in the World」の恒久的な一員になるのです。」として修了生を称えました。
また、カリン・マルキデス OIST学長から祝辞が述べられ、修了生に対して、「自分自身に忠実でいれば、最高のパフォーマンスを発揮することができるはずです。自分が好きなものは何かをまずは知ることが大切。自分とは異なる視点に耳を傾け、観察してください。そして異なる知識の領域が交差する場所から生まれてくる変革の力を活用してください」と期待を寄せました。
学位記の授与を執り行ったOIST研究科長のトーマス・ブッシュ教授は、修了生に対し、「最も生産的で創造的な研究生活を過ごす場としてOISTを選んでくれた」と感謝の意を述べ、「皆さんは、新しいことに挑戦し、新しい方法を発見し、成果を納めました。共にOISTの歴史の一ページを刻んでくれたことに、心から感謝します。これからも皆さんの活躍に期待し、応援しています」とエールを送りました。
2023年ピーター・グルース最優秀博士論文賞は、海洋生態進化発生生物学ユニットで研究したアグニーシュ・バルア博士の論文「The Evolutionary Genetics of Venoms: How Nature Created the Perfect Chemical Weapon(毒液の進化遺伝学:自然はいかにして完璧な化学兵器を作り上げたか)」に授与されました。受賞したバルア博士は、修了生代表答辞の中で、「学際的な視点に重点を置いたOISTの博士課程で学んだことで、議論や討論に参加することの大切さと、現状を変えることを避けずに、アイデアを交換すれば成長や進歩につながるのだと捉える姿勢を学びました」と振り返りました。
OISTは修了生のネットワークが広がり、今後の活躍を耳にすることを楽しみにしています。
2023年学位記授与式の模様は、Flickrアルバム(写真)、または特設サイト(動画)でご覧いただけます。