タコの秘密に迫る

サム・ライター准教授に、神経科学、頭足類、そしてカモフラージュ(擬態)の研究がなぜ重要なのかについてOISTポッドキャストでインタビューしました。

生物の行動を支える脳の活動に関する研究からどのようなことがわかるのでしょうか。例えば、タコや頭足類、ツツイカなど、面白い行動を取る海洋無脊椎動物群の鞘形亜綱を例に取ってみましょう。コウイカは、色や形、質感を一瞬のうちに変化させて周囲の景色に溶け込みます。タコは、8本の足を器用に動かして、瓶を開けるなどの複雑なタスクをこなします。ツツイカは、思考によって皮膚の模様を変化させ、お互いにコミュニケーションをとっています。

沖縄科学技術大学院大学(OIST)の計算行動神経科学ユ ニットを率いるサム・ライター准教授は、鞘形亜綱の研究を行っています。5億年以上前に脊椎動物から分岐したこれらの動物の根底にある神経生物学を理解することで、動物の行動の真に一般的な原理を明らかにすることができると考えています。

サイエンスコミュニケーションスタッフのルシー・ディッキーが、OISTポッドキャストの番組でライター准教授に研究と経歴について話を聞きました。

 

今回放送されるOISTポッドキャストでコウイカやタコ、そして新たな分野である行動神経科学について語るサム・ライター准教授

「頭足類は海洋生物の一種で、多くの興味深い行動を取ったり、興味深い脳を持ったりしているので、その仕組みを解明したいと思っています」とライター准教授は語っています。

「頭足類は、地球上で研究できる知的なエイリアンに最も近い存在です。人間は、頭足類と共通の祖先をもっているので、頭足類はエイリアンではないのですが、その祖先は人間からあまりにもかけ離れているため、根本的に異なる知的動物の例として研究しているようなものなのです。」

体色を変化させる能力を披露するタコ            動画提供:浅田渓秋さん

広報・取材に関するお問い合わせ
報道関係者専用問い合わせフォーム

シェア: