OIST学長、恩納村役場にて未来を語る

ピーター・グルース学長が、恩納村役場にて、今後の地域発展計画について語りました。

  「OISTと恩納村はこれから共に成長できるでしょう。」これが、恩納村役場に集られた方々に、グルース学長がお伝えした主たるメッセージでした。

  OIST将来ビジョンの概要を説明するための会にお招きを頂いたグルース学長は、まずはじめに長浜善巳恩納村長からのご紹介を受けました。その後、16名の村議会議員と恩納村の職員の方々を前に、OISTのホームタウンである恩納村に継続的に貢献していく決意を表明しました。

ピーター・グルース学長が、OISTが恩納村にもたらしてきた貢献について説明

  「山を動かしてでもつながりたい」という女性の一途な愛を歌った恩納村出身の有名な女流歌人である恩納ナビ―の琉歌を引用し、OISTの恩納村への思いを伝えることで始まった学長のスピーチでは、恩納村とOISTとの間に存在するコミュニケーションの障壁を取り払いつつ交流していきたい、という抱負が語られました。

  また、建設会社、ホテル業、運送会社などの沖縄地元企業への経済的利益を含め、本学がこれまで地域にもたらした利益についても強調されました。 OISTから委託をうけて調査を行ったおきぎん経済研究所の報告では、政府による投資に対し、OIST投資利益率は約160%であることが示されました。つまり本学が、100円の投資に対し、沖縄に対しておよそ160円の収益を生み出しているということです。

おきぎん経済研究所による調査報告では、政府によるOISTへの投資において約160%のリターンがあったと報告

 経済的な貢献とは別に、本学が恩納村にもたらした科学的な貢献をグルース学長は強調しました。これには、恩納村漁業協同組合と共同で実施されたサンゴ再生プログラムによる環境保全や、県内の畜産農家や酒造工場と連携した排水処理研究などが含まれます。2019年には、恩納村-OIST子どもかがく教室が10周年を迎える予定であり、村に創立予定の統合中学校では、科学クラブの生徒をOISTキャンパスに招待することなど、教育支援を通して長期的に地域社会へ貢献していく計画が強調されました。

  また、ロバート・バックマン首席副学長は、OISTの新たなスタートアップインキュベーター施設の近日中の開設、ならび事業連携を進めてきたOISTと外部企業30社の協力協定など、最近のOISTの技術移転の成果について語りました。ただし、やるべきことはまだ数多くあります。学長は、地域におけるOIST教職員向け住宅整備と、スタートアップ企業や研究のための新たな施設の提供に向けた、将来のイニシアチブを提案しました。

  その後OIST学長らは、子供たちの教育、気候変動、恩納村との一層の交流や、村でのスタートアップ文化の醸成に至るまで、様々なトピックに関する村議員からの質問に回答しました。 またOIST側は、大学の進捗状況について、しばらくの期間、地域の皆さまと直接お話していなかったことを認め、今後は恩納村議会および恩納村と積極的に対話していく決意を表明しました。

恩納村議会のメンバーからの質問に答えるOISTのピーター・グルース学長(中央)、ロバート・バックマン首席副学長(左)、バリー・ホワイト広報担当副学長  

  村議会議長である又吉薫氏は、OISTが将来この地域でより多くのスタートアップ企業や事業を創出することへの期待感を表し、恩納村にOISTがあることを誇りに思っていると述べられました。

  最後に、恩納村とOISTは、お互いさらに有益な関係へと発展するためのの協力体制を議論するため、今後より頻繁に話し合いを重ねていくことで合意し、会議は終了しました。

OIST学長による琉歌の朗読に拍手する恩納村議会及び恩納村役場の方々

 

 

 
 
 
 
 

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