ミツバチの手を借りて沖縄のサンゴ礁を保全「ハニーコーラルプロジェクト」
OISTは、地元の恩納村とミツバチを使って赤土侵食からサンゴ礁を守る共同プロジェクトを立ち上げました。同プロジェクトは、恩納村の海洋環境保全の取り組みとOISTで行われているミツバチの研究の双方を支援するものです。
赤土流出は、沖縄県の最大の課題の一つです。雨が降ると土壌の表面が浸食され、雨水と共に赤土が河川に流れ込み海に流入します。堆積した赤土はサンゴ礁の白化現象を引き起こす原因となります。この課題を解決する鍵を握るのがミツバチです。ミツバチは環境監視昆虫ともいわれ、環境学習にも繋がり、様々な花に授粉することで一定の植物多様性をもたらすため、土壌の吸水性が高まり、赤土流出を抑えることができます。
恩納村役場の農業環境コーディネーターである桐野龍氏は、地元の農家に土地の一部を提供してもらい、養蜂を行うと同時に沖縄の赤土流出問題への関心を高めるプロジェクトを思いつきました。養蜂技術を指導することで、農家は副収入源として蜂蜜を生産・販売することができるようになります。
恩納村とOISTの共同プロジェクトは、桐野氏がOISTの研究者に声をかけたことから始まりました。OISTの生態・進化学ユニットはいくつかのミツバチのコロニーを所有しており、アレキサンダー・ミケェエブ准教授(アジャンクト)、テシェル・マエヴァ博士、ヌーリット・エリアッシュ博士によるミツバチの寄生虫「バロアダニ」の研究や、ヴィエナ・コヴァリック博士によるミツバチの微生物叢の研究など、様々な研究が行われています。
OISTチームは、恩納村に厳選しれたミツバチのコロニーを提供するとともに、一般の人々の認識を高め、養蜂家、農家、科学者間の交流やネットワーク作りを支援するために、いくつかのアウトリーチイベントを企画し、参加しました。また、OISTの研究者は、亜熱帯の島でミツバチを飼育してきた経験豊富な養蜂専門家の知識を得ることができました。知識の交換、教育普及活動、地元農家の支援を組み合わせた取り組みにより、同プロジェクトは沖縄県内で持続可能な方法で進めていきます。
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プロジェクト協力団体・個人
- オーストラリア国立大学(キャンベラ)教授およびOIST生態・進化学ユニット准教授アレキサンダー・ミケェエブ博士
- マエヴァ・テシェル(OIST生態学・進化ユニットリサーチフェロー)
- ヴィエナ・コヴァリック(OIST生態学・進化学ユニットリサーチフェロー)
- ヌーリット ・エリアッシュOIST生態学・進化学ユニットポストドクトラルスカラー)
- チャペル 沙織(OIST生態進化ユニット リサーチユニットアドミニストレーター)
- 桐野 龍(恩納村役場農業環境コーディネーター)
- 池宮崇(養蜂家)
- 新垣伝(養蜂家)