サンゴ礁は気候変動に適応しているのか?
海洋気候変動ユニットでは、気候変動、熱波、乱獲、都市化などの環境の変化にサンゴ礁魚類がどのように適応しているかを明らかにする研究を行っています。 二酸化炭素排出量の増加により、海洋では温暖化や酸性化が進んでいます。また、海洋熱波などの様々な異常気象も頻発し、長期化しています。もともと温度限界に近い環境に生息するサンゴ礁魚類は、特に温度の急上昇による影響を受けやすくなっています。 急速な環境変化に対して、どの種がどのように適応していくかを見極めることは、気候変動が生態系に与える変化、そして世界経済に及ぼす影響を予測する上で非常に重要です。
私たちは、複数の魚種を対象として、これらの魚が海面水温や酸性度の上昇によって短期的にどのような影響を受け、また、子孫の遺伝子発現にどのような変化が受け継がれるのかを調査しています。研究対象は、野生種のペアから生まれ、数世代に渡って水槽で飼育されてきた魚です。OISTマリン・サイエンス・ステーションに設置された「熱波シミュレーター」と呼ばれる独自の水槽システムを用い、海水の温度や酸性度などを来世紀までには到達すると予測される高さに設定した特定の環境で魚を飼育して研究を行っています。こういった環境操作と、さまざまな先進的ゲノム技術を組み合わせることによって、沖縄をはじめ世界中のサンゴ礁魚類群が環境の変化に順応・適応していく細胞メカニズムを明らかにしようとしています。
私たちは、複数の魚種を対象として、これらの魚が海面水温や酸性度の上昇によって短期的にどのような影響を受け、また、子孫の遺伝子発現にどのような変化が受け継がれるのかを調査しています。研究対象は、野生種のペアから生まれ、数世代に渡って水槽で飼育されてきた魚です。OISTマリン・サイエンス・ステーションに設置された「熱波シミュレーター」と呼ばれる独自の水槽システムを用い、海水の温度や酸性度などを来世紀までには到達すると予測される高さに設定した特定の環境で魚を飼育して研究を行っています。こういった環境操作と、さまざまな先進的ゲノム技術を組み合わせることによって、沖縄をはじめ世界中のサンゴ礁魚類群が環境の変化に順応・適応していく細胞メカニズムを明らかにしようとしています。
プロジェクト協力団体・個人
- Philip Munday教授(オーストラリア・タウンズビル ジェームスクック大学 ARC Centre of Excellence for Coral Reef Studies)
- Celia Schunter教授(香港特別自治区 香港大学太古海洋科学研究所)
- Martin Grossel教授(アメリカ・フロリダ州マイアミ大学 Rosenstiel School of Marine and Atmospheric Science)
プロジェクト関連出版物
- Veilleux H. et. al., Mechanisms of transgenerational acclimation to a warming ocean. 2015, Nature Climate Change.
- Ryu T. et al. The epigenetic landscape of transgenerational acclimation to ocean warming. 2018, Nature Climate Change.
- Schunter S. et. al., Molecular signatures of transgenerational brain response to ocean acidification in a reef fish. 2016, Nature Climate Change.
- Schunter S. et. al., An interplay between plasticity, epigenetics, and parental phenotype determines impacts of ocean acidification on a reef fish. 2017, Nature Ecology and Evolution.
- Species-specific molecular responses of wild coral reef fishes during a marine heatwave. Moisés A Bernal, Celia Schunter, Robert Lehmann, Damien J Lightfoot, Bridie JM Allan,
- Heather D Veilleux, Jodie L Rummer, Philip L Munday and Timothy Ravasi. Science Advances 6 (12), eaay3423, March 1, 2020. doi.org/10.1126/sciadv.aay3423.