島嶼地域のエネルギー課題解決へ向けて沖縄県とハワイ州が協力 

第15回ハワイ沖縄タスクフォース会議が開催され、OISTはエネルギー分野における研究施策を紹介しました 。

2024年11月5日、沖縄県教職員共済会館八汐荘にて「第15回ハワイ沖縄タスクフォース会議」が開催されました。本会議は、沖縄県とハワイ州が2021年5月に締結したクリーンエネルギー協力に関する覚書に基づき、再生可能エネルギーや省エネ、クリーン輸送、エネルギー政策、地産地消について情報共有を行い、SDGs(持続可能な開発目標)推進を目指すもので、毎年開催されています。 

会議には、沖縄県の玉城デニー知事をはじめ、米国エネルギー省のC.サロニ氏やS.サテャパル氏、経済産業省の松田明恭氏らが出席しました。地元企業である沖縄電力やりゅうせき、ハワイアン電力、ハワイ大学など、多数の企業や団体も参加し、活発な意見交換と技術交流が行われました。 

会議では、国および地域レベルでのクリーンエネルギー戦略についての現況報告や、SDGsとエネルギー目標達成に向けた企業の取り組みの紹介、実践的なプロジェクトの具体的な取り組みが発表され、それぞれ実務者の視点ならではの意見交換が行われました。 

また、ハワイ州が2045年までにクリーンエネルギー100%を達成する目標や、そのための太陽光発電によるマイクログリッド給電システムといった実践的な取り組みと課題が共有されました。防風警報時の自動給電システムと各家庭での緊急時給電との互換性の問題など、エネルギー運用ルールにおける島嶼地域特有の課題についても報告があり、双方で多くの知見を得る機会となりました。 

OIST研究者による基調講演と研究拠点:エネルギーに関するOISTオープンセンターの紹介 
沖縄科学技術大学院大学(OIST)からは、マヘッシュ・バンディ教授(非線形・非平衡物理学ユニット)が「再生可能エネルギー設備の強化とデジタル化」について、パオラ・ラウリーノ准教授(タンパク質工学・進化ユニット)が「OISTエネルギー」研究拠点についてそれぞれ基調講演を行いました。バンディ教授は、再生可能エネルギー施設の効率向上とデジタル技術の融合による新たな可能性を示し、ラウリーノ准教授は、エネルギーの生成、貯蔵、輸送、および使用において大胆で革新的な解決策を促進することを目的としたOISTエネルギーオープンセンターの構想を紹介しました。   

今後に向けた取り組みと期待
会議翌日の11月6日、ハワイ代表団はOISTを訪問しキャンパスを見学しました。OISTプロボストのエイミー・シェン教授が概要説明をし、最先端の研究環境や今後本格始動するOISTの研究拠点を通じた協働の可能性について、活発な意見交換が行われました。国際的な連携がさらに深化することが期待されます。 

エイミー・シェン教授は、次のように期待を述べています。「島嶼地域が直面する独自のエネルギー課題に協力して取り組むことで、私たちは持続可能な社会に向けて前進しています。OISTでは、再生可能エネルギー技術、エネルギー貯蔵ソリューション、スマートグリッドシステムの研究開発を拡大することに尽力しています。産業界、政府、学界、地域社会とのパートナーシップを強化し、沖縄および広範なグローバル社会に利益をもたらす革新的なエネルギーソリューションを実現することを目指しています。」

OISTオープンセンターの立ち上げおよび運営の一部は、文部科学省「地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)」の支援を受けて実施しています。

広報・取材に関するお問い合わせ
報道関係者専用問い合わせフォーム

シェア: