OISTキャンパスで研究の無限の領域を探求
2月17日から23日まで、沖縄科学技術大学院大学(OIST)で「サイエンスチャレンジ2024」が開催され、全国から大学生・大学院生25人が参加しました。サイエンスチャレンジは、STEM(理系)分野専攻の学生を対象とした1週間のワークショップで、科学のスキルを磨き、OISTでの学生生活を体験することに重点を置いています。
サイエンスチャレンジのワークショップは2015年に始まり、毎回異なるテーマで開催されてきました。今年のテーマは「Freedom of Research - 無限の領域への探求」で、エッセイ応募254通の中から選ばれた学生25人がOISTキャンパスに招待されました。参加者はワークショップでエッセイを3分間の研究提案にまとめ、施設や設備を自由に使うことができるとしたら、どのような研究プロジェクトを進めたいかについて発表を行いました。
それぞれ異なる研究分野を専攻する参加者たちは、1週間にわたって、OISTのキャンパスで最先端の研究に触れるとともに、サイエンスチャレンジ2024の運営をサポートしたスタッフや学生と交流を深めました。
ワークショップの最後には、参加者一人ひとりが3分間の研究提案発表を行いました。これらのプレゼンテーションは、時間制限の順守や聴衆とのやりとり、発表の明確さ、説得力に基づいて審査されました。
早稲田大学で理学(生物化学)の学士号を取得したばかりの富永慈音さんが、タコの記憶メカニズムに関する研究提案で「最優秀賞」を受賞しました。富永さんの研究提案は、脊椎動物と神経解剖学的に大きく異なる生物の記憶機能を理解することを目的としています。富永さんは「受賞を大変光栄に感じています。また、研究を簡潔に表現できるよう導いてくださった方々に深く感謝申し上げます。今回、プレゼンテーションの準備では、サイエンスチャレンジの仲間たちとの協力があり、仲間たちからも学べる貴重な機会となりました」と話しました。
審査員による最優秀賞に加え、最終プレゼンテーションの聴衆による投票で選ばれる「オーディエンス賞」は、東京大学の学生である毛防子 璃奈さんに贈られました。毛防子さんは3分間の提案の中で、深海まで潜ることができるクジラにセンサーを取り付け、クジラが通過する海洋環境のデータを収集することを提案しました。この “生きたセンサー” が深海の情報を研究者に提供し、クジラの生息域の一部における生態系や食物連鎖を理解するのに役立つと聴衆にアピールしました。
「みなさんが私の研究アイデアに関心を持ってくださったことに本当に感謝しています。 この経験は私の将来設計に役立ち、自分の能力に自信を持つことができました」と毛防子さんは語りました。
サイエンスチャレンジの様子は、こちらのフォトギャラリーをご覧ください。
執筆:成田ミラ, グスマン勇気, 米野文香 , ナイドゥ マール 博士、多宇 潤 (OIST)