OIST発スタートアップ「ACIリサーチ」が事業拡大に向けて躍進

次世代化学分析サービスの立ち上に、ニューロシューティカルズから出資を受けました。

Data Analysis

沖縄科学技術大学院大学(OIST)が提供する実用化研究支援プログラム「OIST プルーフ・オブ・コンセプト(POC)プログラム」への参加を経て、2022年9月に設立されたOIST発のスタートアップ企業、株式会社ACIリサーチ(沖縄県恩納村)が、医療機器開発ベンチャー企業、株式会社ニューロシューティカルズ(東京都文京区、以下、ニューロシューティカルズ)から第三者割当増資による出資を受けました。今回の資金調達を通じてニューロシューティカルズと協業することで、事業拡大やサービスの拡充など、企業としての躍進が期待されます。

OIST POCプログラムは、研究成果と事業化へのギャップの橋渡しを支援するために設計された、 OISTの研究員や学生向けの競争的内部資金拠出プログラムです。元OIST進化神経生物学ユニット所属スタッフサイエンティスト・現ACIリサーチ CTOの早川英介博士は、2018年に本プログラムに応募しました。「開発技術の社会実装には以前より興味がありましたが、POCプログラムはそれを試せる絶好の機会だと考えました。研究資金のサポートだけでなく、プログラム内でのメンタリングや各種の活動は事業をデザインする上で大変参考になりました」と、早川博士はPOCプログラムへの応募当時を振り返ります。

OIST POCプログラム・マネージャーのアンドレア・ペンサド博士は、次のように述べています。「早川博士が、どんな低分子化合物でもその構造を明らかにする革新的なアイデアの発案から、ACIリサーチを設立するまでの道のりを支援することができ誇りに思います。ACIリサーチの技術は、より強固で包括的な分析ソリューションを提供し、食品、化粧品、医薬品、アセスメントなどの多様な分野において、製品の品質と安全性を確保する上で重要な役割を果たすと大きな期待を寄せています。」

OIST POCプログラムにおいて当時早川博士がアドバイスを受けていたのが、ニューロシューティカルズ沖縄の代表取締役を務める高谷彰之社長でした。高谷社長はビジネスプランにおけるサポートを提供する重要なアドバイザーとなりました。その後事業プランの将来性に注目したニューロシューティカルズ代表取締役の三池信也社長は、第三者割当増資という形で、この度、ACIリサーチのプロジェクトに参画することとなりました。二ューロシューティカルズの代表取締役社長、およびACIリサーチの取締役を務める三池社長は、「早川博士の研究成果を見て大きな可能性があると感じました」と当時を振り返り、ACIリサーチの将来性に惹かれたと話します。

今回の資金調達を通じて、ACIリサーチは研究成果とビジネスノウハウを融合させ、OISTを拠点に沖縄発の次世代化学分析サービスを世界に向けて展開していく予定です。

ACIリサーチについて
近年、医薬品、バイオテクノロジー、化学・石油化学、環境試験、飲食品開発を含む様々な分野で、次世代の化学分析技術を求める声が高まっています。リスクとなりうる毒素、病原菌、微生物などの有害物質や新規物質の発見のために、特定の物質のみを測定する従来型の分析ではなく、目的物質を指定せずに広範囲な物質や未知の物質を一挙に検出する分析法「ノンターゲット分析」が強く求められています。ACIリサーチは、こうしたニーズに対応したソリューションを提供することで、化学物質が関わる様々な分野の産業に貢献することを目指しています。特に優位性を持つのが、質量分析とITを駆使した最新技術です。これまで困難だった試料中の未知物質の構造情報を網羅的に、素早く、そしてより高精度に明らかにするサービスを提供しています。
https://www.aci-research.com/

OIST POCプログラムについて
OIST プルーフ・オブ・コンセプト (POC) プログラムは、研究室での発⾒と商業化との技術⾯および資⾦⾯のギ ャップへの橋渡しを⽀援するために設計された競争的内部資⾦拠出プログラムで、社会における OIST の研究 の影響⼒を強化することを⽬的としています。
https://groups.oist.jp/innovation/proof-concept-program (英語)

広報・取材に関するお問い合わせ
報道関係者専用問い合わせフォーム

シェア: