2019年度グッドデザイン賞特別賞の「蒸暑地サステナブルアーキテクチャー」が 中国 国際デザイン賞DIA「Young Talents Award※」を受賞
ミサワホーム株式会社(代表取締役社長執行役員 磯貝匡志)のシンクタンクである株式会社ミサワホーム総合研究所(代表取締役社長 千原勝幸)と沖縄科学技術大学院大学(OIST)(学長 ピーター・グルース) は、2015年に締結した共同研究契約に基づき研究を重ねてきた地域・コミュニティプロジェクト「蒸暑地サステナブルアーキテクチャー」にて、中国の国際デザイン賞であるDIA(Design Intelligence Award)に選定され、さらにその中から選ばれる上位賞「Young Talents Award」を受賞しました。なお、受賞については、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所(代表取締役社長 北野宏明)を加えた3者での共同受賞となります。
DIAは2016年に浙江省政府支援のもと、中国美術学院が創設した国際的なデザイン賞で、世界の企業やデザイナーからの応募に加え、特に優れたデザインについては世界のデザイン主要団体からの推薦を受けた作品も審査対象としています。過去4年間で世界56カ国から2万点を超える応募を得て、597点を優秀作品として表彰しており、5回目の開催となる今年度は、合計7,369点の募集から325点の優秀作品が選定されています。
今回、優秀作品325点の中から上位賞である「Young Talents Award」を受賞した、地域・コミュニティプロジェクト「蒸暑地サステナブルアーキテクチャー」は、日本における2019年度グッドデザイン賞の「グッドデザイン・ベスト100」さらにその中から選ばれる特別賞「グッドフォーカス賞[防災・復興デザイン](日本デザイン振興会会長賞)」も受賞しており、日本デザインコンサルタント協会・国際デザイン交流フォーラムから『重要な課題に積極的に取り組もうとする日本のデザインパワーを世界に発信できるもの』として推薦されました。
3者は、今回の受賞を機に世界の蒸暑地域化が進む地域において、サステナブルかつ快適な生活を提供できる住宅とコミュニティの実装に向け、研究をさらに加速していく考えです。
※ 特に優秀な作品である「Top30」の中から選ばれる特別賞(8作品が受賞)
■地域・コミュニティプロジェクト「蒸暑地サステナブルアーキテクチャー」
世界的な気候変動や温暖化に伴う日本国内の蒸暑地域化を背景に、エネルギーおよび水に関して持続可能(サステナブル)な導入および利用を可能にするシステムを開発・構築し、こうした地域においてエネルギー効率が良く、快適な生活を提供する住宅とコミュニティの開発に向け、研究・実証を進めてきたプロジェクトです。
エネルギーを創出する自立循環型住宅、および地域内の住宅間でエネルギーを相互補完する分散型インフラの構築により、電気や水などが未整備である蒸暑地域においてサステナブルかつ快適な生活の提供を目指しています。
住宅は、太陽光・太陽熱・雨水の集積装置として役割を果たす屋根や、太陽熱利用除湿システム、壁・天井放射冷房システムなどを備えています。インフラは、直流自営線によるP2P電力融通システムにより近隣住宅間、電池交換型EVによる無配線マイクログリッドにより離れた建物間のエネルギー過不足の相互補完を実証しています。将来は蒸暑地域であるインドネシアやフィリピンなどの島嶼(とうしょ)開発途上国等での展開を予定しています。