ポッドキャスト:テック系スタートアップ企業が目指すドローン(無人航空機)システムの未来
OISTポッドキャストの最新エピソードでは、ドローン技術のスタートアップVyorius(ヴィオリアス)の創設者でCEOのニシャント・シン・ラナさんをゲストとしてお迎えし、ドローン開発からドローンシステム管理のエコシステム構築に至るまでの道のりについて語っていただきました。Vyoriusは、自律型航空機が空を飛び交う未来を見据え、ドローン革命の最先端を目指しています。
Vyoriusがドローンメーカーから総合管理ソフトウェアプロバイダーへと進化を遂げたのは、自律型ドローン業界の未来を見据えたからです。無人システムは人間の介入を減らすことを約束していますが、現時点では依然として多くの業務に人の関与が必要であるため、自動化の本来の目的が達成されていないのです。
すべてはアクセシビリティの向上のため
「Vyoriusでは、あらゆる種類の無人ロボットシステムを稼働、接続、拡張できるエコシステム、インフラストラクチャを構築しています。そうすることで、必要な人の数を減らし、システムで何にでもアクセスできるようになります」とニシャントさんは説明します。
Vyoriusのこれまでの道のりの中で最も説得力のあるストーリーの一つに、コロナ禍に、インド政府と協力したことが挙げられます。インド北東部に位置するマニプール州では、車やボート、徒歩でワクチンを届けていましたが、従来は1時間半かかっていた配送が、ヘリコプタードローンを使うことでわずか15分に短縮できました。この経験で、既存の業務に無人システムを統合する可能性と課題が浮き彫りになりました。
Vyorius は現在、安全性、メンテナンス、規制順守といった重要な課題に対処しながら、複数の無人ネットワークを同時にサポートできるシステムの構築に重点を置いて取り組んでいます。同社のソリューションは、医療サービス、物流、公共安全など、さまざまな企業がそれぞれのニーズに合わせて独自にカスタマイズできる形式を目指しています。
ニシャントさんは現在、沖縄科学技術大学院大学(OIST)のスタートアップ支援プログラム「OIST Innovation Accelerator(OISTイノベーション・アクセラレーター)」 を通じて沖縄に拠点を置き、アジア市場進出に向け、重点的に取り組んでいます。現在、シードラウンドの資金調達を行っており、日本の航空会社、物流企業、ドローンメーカーと協働しています。
ドローンが必要不可欠な未来
今後、無人システムが、特に、大量かつ高頻度の作業を担うことで、さまざまな産業に変革をもたらすだろうと、ニシャントさんは未来を予測します。ただし、この変革は単に人間に取って代わるものではなく、人間がより価値の高い活動に集中できるよう、人間の役割を変えるものだと強調します。
「人間は、物流や労働における低付加価値の部分にではなく、より生産性の高い、大きな価値を生み出す部分に重点を置くようになると思います。ロボットやドローンが普及すれば、間違いなく状況は変わり、まったく新しい世界が開けるでしょう。そして、Vyoriusはその変化の大きな推進力となり、人間が操作・管理するあらゆる無人システムの高度に開かれたエコシステムを構築したいと思います」とニシャントさんは語りました。
このインタビューでは、起業家に関連する幅広いテーマについても掘り下げており、レジリエンスに関する貴重な教訓、「早期に失敗する」ことの重要性、そして日本市場への参入における特有の課題についても取り上げています。複数の国で事業を展開してきた創業者としてのニシャントさんの視点は、テクノロジー、イノベーション、グローバルな事業開発に関心をお持ちの方々にとって役立つ洞察を提供しています。
ドローンや自律システムの未来に興味がありますか? OISTの最新ポッドキャストでは、複雑な環境下で自律操作を可能にする技術、安全プロトコル、課題について詳しく解説しています。革新的なスタートアップ企業Vyoriusの革新的なアプローチとニシャントさんの起業アドバイスの詳細については、こちらのエピソードをお聞きください。
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