沖縄銀行が、OISTを拠点とするスタートアップ2社に助成金を贈呈
沖縄科学技術大学院大学（臨時理事長兼学長 アルブレヒト・ワグナー、以下OIST）が支援してきたスタートアップ2社に、株式会社沖縄銀行 （代表取締役頭取 山城 正保、以下沖縄銀行）より、計200万円の助成金が贈呈されることとなり、3月24日に、OISTで授与式が開催されました。
OISTと沖縄銀行は、OISTイノベーションスクエア・スタートアップアクセラレータープログラム※１への支援、沖縄におけるイノベーションエコシステムの構築、地域経済の振興や持続的発展促進に向けた活動における協業などを目的に、2021年に覚書を締結し、これまでも密に連携してきました。
助成金授与式には、沖縄銀行 法人事業部 執行役員部長の又吉 司氏やOIST准副学長（技術開発イノベーション担当）のローレン・ハをはじめとする関係者が参加しました。
今回の助成金は、2023年2月にコロンビア出身者2名を含むチームが沖縄で設立した株式会社Tree Oceans （以下、Tree Oceans）、そして、2023年3月に沖縄支店を開設した大阪ヒートクール株式会社 (以下、大阪ヒートクール)の2社に贈呈されました。両社はこれまで、OISTイノベーションスクエア・スタートアップアクセラレータープログラムに参加し、沖縄からの事業展開を目指していましたが、今年から本格的にOISTを拠点に活動を開始します。
沖縄銀行からのOISTスタートアップへの助成金贈呈は、昨年に続く2度目となり、沖縄銀行とOISTは今後も沖縄におけるスタートアップエコシステムの構築と、新産業形成による地域経済の振興をさらに加速していきます。
沖縄銀行の又吉司部長は冒頭の挨拶で次のように述べました。「私たちは、『地域密着・地域貢献』を経営理念に掲げ、地域社会の発展に寄与することを使命とし、これまで様々な地域貢献活動を行なってまいりました。 今回採択された２チームは、沖縄県のみならず、世界の課題解決に資する素晴らしい事業だと感じています。今後もOISTと連携を図ることで、地域の金融機関として、沖縄県経済の持続的発展に貢献してまいります。」
沖縄銀行より助成金が贈呈されたのは次の2社です。
大阪ヒートクール
人間の皮膚感覚の「錯覚」を利用して皮膚の痒みといった皮膚疾患の症状を低減する医療機器の開発を目指しています。2020年に大阪大学の教員をはじめとする５人の大学教員によって設立され、今年3月1日に沖縄支店が開設されました。同社チーフ・コミュニケーション・オフィサー の吉國聖乃さんは今後の抱負について次のように述べています。「沖縄銀行様からの助成金により、私たちのビジネスが成長し、新しい機会に取り組むことができます。今後も、私たちは沖縄の地域社会に貢献するとともに、グローバルを目指し、より良いサービスを提供できるよう努力してまいります。」
Tree Oceans
南米コロンビア出身の2人を含むチームによるスタートアップ。パーキンソン病患者の歩行を支援するARグラスデバイスを開発する。今年2月6日に沖縄に事業拠点を設置し、OISTを拠点に本格的な事業が開始される。沖縄からの本格的な事業展開について、メンバーのマリア・バルブエナさんは、次のように述べています。「この助成金は、世界にいる1,000万人のパーキンソン患者の方々の生活の質を向上させるために、共に技術の進歩を目指そうと、沖縄の方々が門戸を開いてくれたことを意味するものであると考えています。沖縄県全体の発展、科学技術、そして経済成長に貢献する意欲を示すものであり、改めて感謝いたします。」
OIST准副学長（技術開発イノベーション担当）のローレン・ハは、2社の今後の展望について次のように期待を述べています。「2社とも、病気や痛みに苦しむ人々を助けることに情熱を持っています。それぞれのチームは、アジアから世界へ向けて事業を展開するのに最適な場所が、沖縄であると認識しています。今回贈呈された助成金により、彼らは沖縄で活動を続け、それぞれの分野の限界に挑むことができます。ツリーオーシャンズと大阪ヒートクールの皆様、このたびのご成果を心よりお祝い申し上げます。」
※１OISTイノベーションスクエア・スタートアップアクセラレータープログラムとは: 沖縄県の財政支援を受けて2018年にスタートした、沖縄初のグローバルスタートアップアクセラレータープログラム。世界中から選抜された起業家チームがプログラムに参加し、資金調達、メンタリング、戦略的パートナーや投資家とのつながり、OISTのハイテク施設や設備の利用を受けられる。
