OIST理事会に藤田浩之博士を歓迎
沖縄科学技術大学院大学(OIST)はこの度、藤田浩之博士を新たに理事として迎えました。
藤田博士は早稲田大学理工学部在籍後1988年に渡米し、マンマス・カレッジで数学・物理学士号を取得後、ケース・ウェスタン・リザーブ大学で物理学の博士号を取得しています。その後、2006年にはMRI(磁気共鳴画像診断)技術の開発を中心とした医療機器開発製造会社であるクオリティー・エレクトロダイナミクス(QED)を米オハイオ州に設立し、同社の創業者、社長兼最高経営責任者として、長きに渡り医療機器分野において最先端の技術開発に携わっています。2019年にはキヤノングループ入りし、キヤノンメディカルシステムズのCT-M R部門のC T O(最高技術責任者)も務めています。ケース・ウェスタン・リザーブ大学医学部放射線学科と理学部物理学科の非常勤教授、クイーンズランド大学情報技術・電気工学部の非常勤教授も兼任しています。
QEDでの功績が認められ、2009年には米フォーブス誌による「米国で最も有望な私企業20社(America’s Most Promising Top 20 Companies)」に選ばれ、2010年にアーネスト・ヤング起業家大賞、2012年にはオバマ大統領から一般教書演説に日本人として初めて大統領夫人貴賓席に招待され、2013年と2019年には米大統領による米国での輸出拡大に貢献した企業に贈られる「大統領『E』賞」を受賞するほか、数々の賞を受賞しています。また、藤田博士は米日カウンシル評議員会評議員をはじめ、クリーブランド財団理事、クリーブランド国際問題評議会理事、オハイオ州立大学理事、クリーブランド管弦楽団理事、クリーブランド・クリニック・ヒルクレスト病院理事長、クリーブランド・クリニック・オハイオ地域病院理事、OIST財団理事、在オハイオ州クリーブランド日本国名誉領事などを務め、日米関係、医療、学術など幅広い分野において活躍しています。
OIST理事への就任について藤田博士は、「OISTについて初めて知った時、その組織のあり方の特異さに驚き、将来的に日本が本当の意味で変化を求める時、OISTという機関が果たすべき役割が必ずあると確信しました。使命や強い想いを持った人が世界中から集結するOISTの一員として、一緒に良いものを作り上げることを楽しみにしています」と語ります。
会社経営や組織運営、また自身も研究者として過ごしてきた経験を通して藤田博士は、何事もまずは一歩前に踏み出すことが重要と話します。チャレンジをして失敗から学び、それを成功の基とすることで、当初の失敗が失敗でなくなるよう、挑戦的に挑む「Fail Fast(ダラダラと失敗するな!)」の哲学を会社の若手社員や研究者には伝えているといいます。
また、今年開学から10年を迎えるOISTが、今後さらに成長を遂げるためには、既存の大学システムとは異なる、OISTの「異文化色」を薄めてはいけない、と藤田博士は指摘します。「OISTが持つユニークな視点をこれからも大切に育み、世界中からさまざまな優秀な人材が沖縄に集結する、というプラットフォームを構築し、それを今後さらに発展させていくことが、将来的に日本の社会および教育システムに良い影響を与えることにつながるでしょう。」
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