OIST とソニー、トンネルを「環境に優しい」視聴覚ギャラリーに
駐車場からエレベーターへと向かうトンネル通路を通っていくと、トンネル内に設置された動作感知プロジェクターが目に入ります。しかし、通路の屋根に設置されたソーラーパネルと風車には誰も気付いていないかもしれませんね。
沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)とソニーコンピュータサイエンス研究所 (ソニー CSL) は、風と太陽エネルギーを活用する共同実験に乗り出しました。
風車とソーラーパネルで作られたエネルギーはリチウムイオン蓄電池に送られます。この蓄電システムは、長時間にわたる蓄電ができるように設計されています。OIST ギャラリーとして知られる OIST トンネルを歩くだけで、リアルタイムに実験結果を見ることができます。トンネルの中程まで行くと、自動的にスクリーンのスイッチが入り、ソーラーパネルと風車によって作られているエネルギー、蓄電池に蓄えられたエネルギー、消費されているエネルギーがスクリーンに表示されます。
現在、エネルギーは 3 台のプロジェクター、インターネット・システムおよびカメラの電力に使用されています。ソニーのエンジニアがシステムの効率とパフォーマンスのリアルタイム・ステータスを外部 から綿密に監視し、管理しています。
ソニー CSL の山崎大介GEOプロジェクトオフィスジェネラルマネージャーは、「太陽と風の力を利用して発電するというのは特別新しいことではありませんが、我々は OIST と協力して、環境に優しいエネルギーを利用して蓄電池に蓄電することを目指しています。実験の場所は OIST が提供し、ソニーはテクノロジーと技術力を提供しています。この実験が成功すれば、次の段階として、最終的には個人の家に電力を供給できるシステムを開発したいと考えています」と語っています。
OIST のジョン・ディキソン(John Dickison)施設・建設部長は、「この 1 年間を通じて行ってきた、ソーラーパネル、風車、蓄電池、プロジェクターの実用性と信頼性をテストする実験は、初期段階として非常に優れたアイデアだと思います。再生可能エネルギーの活用は OIST にとってもメリットであり、この実験が成功すれば、電気料金の節減につながるだけでなく、2030年に向けた「沖縄 21 世紀ビジョン」の達成にも貢献することができます。」と語っています。沖縄県は 2030 年までに、エネルギー自給率を 0.8% から 4% に引き上げることを目標としています。
(ジュリエット・ムセウ)