ジェフ・ウィッケンス教授がヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムの研究助成金を取得
ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム (HFSP) は、OISTのジェフ・ウィッケンス教授らの研究チームが3年間にわたるプログラム助成金を受賞したと月曜日に発表しました。同チームは、米国、英国、イスラエル、日本からの研究者によって構成されており、年間45万ドルの助成金を、コリン作動性介在ニューロンと呼ばれる学習機能を司る脳部位に見られる脳細胞について研究するために活用します。ウィッケンス教授は、「コリン作動性介在ニューロンは、たくさんの事が同時に起きた時に、何を学習するか取捨選択を行う上で重要なのではないかと思っています。」と語っています。これを検証するため、ウィッケンス教授らの研究グループは、コリン作動性介在ニューロンの発火を制御する方法を探り、発火パターンを変えることによってラットの学習能力にどう影響するかを調べます。また、本研究に参加するその他の研究者は、コンピューターモデルによってコリン作動性介在ニューロンとヒト被験者の学習機能との関連性を調べます。
HFSPはフランスに拠点を置く国際ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム推進機構が実施しており、1987年に中曽根康弘首相(当時)により提唱されました。HSFP研究助成金は、各国政府および複数の企業会員から成る研究会議からの支援を受けており、革新的な生物系の国際共同研究を推進するものです。ウィッケンス教授は、同研究助成金について他の助成金と比較して、「新しい研究分野へと研究者を駆り立てるもの」と述べ、「それがこの研究助成金の魅力です。」と、説明してくれました。HFSPの研究助成金には多種多様あり、ウィッケンス教授はプログラム助成金を受賞した25チームに所属する86名の研究者のひとりです。同教授の研究プロジェクトは、米国プリンストン大学のヤエル・ニヴ准教授を筆頭に、英国リーディング大学にあるCenter for Integrative Neuroscience and Neurodynamics (CINN)のアナスタシア・クリスタコウ博士とイスラエルのハイファ大学のジェネラ・モリス博士が参加します。