3Dプリントのフェイスシールド

OIST技術員のミチャエル・グルワルドさんとカズミ・トダ・ピーターズさん、ジュニアリサーチフェローのシェーフ・サイさんは、OIST産業医の森朋有医師の指導のもとで沖縄の医療従事者向けに3Dプリントの顔面シールドを製作しました。

2020年4月21日更新

2020年4月21日、プロジェクトチームは最初のフェイスシールド400個を沖縄県に届けました。

Three men standing next to boxes at the Okinawa Prefectural Government Office.

2020年4月17日

OIST数理力学と材料科学ユニットマイクロ・バイオ・ナノ流体ユニットの研究チームは、コロナウイルスの飛沫やエアロゾルを効果的にブロックする3Dプリントのフェイスシールドを製造しました。フェイスシールドは特に最前線の医療従事者にとって重要です。OISTクリニックの森朋有医師の指導のもと、技術員のミチャエル・グルワルドさん、カズミ・トダ・ピーターズさん、ジュニアリサーチフェローのシェーフ・サイさんが協働して、フェイスシールドを再設計し、制作しました。現在、数百個のフェイスシールドを製造しており、間もなく配布の準備が整います。

「COVID-19は感染者のくしゃみや咳を通して広がり、ミクロンサイズの飛沫やエアロゾルが医療従事者の目に入って感染する可能性があるというエビデンスが多く出てきています。」とミチャエルさんは説明します。「フェイスシールドは通常、COVID-19感染予防の追加の保護バリアとして、医療従事者がサージカルマスクまたはN95マスクの上に着用します。」

ミチャエルさんはまた、この2か月間、世界中の3DプリントコミュニティがCOVID-19パンデミックとの闘いに役立つデザインの設計と共有に取り組んできたと付け加えました。「OISTでは、3Dプリント会社Prusaの設計を部分的に修正し、ヘッドバンドのプリントに必要な材料と時間を最小限に抑え、日本で調達できるレーザーカットのフェイスシールド材料に対応できるようにしました。」

研究チームが強調したのは、装着した後一度もフェイスシールドの表側の面に触れないことの重要性です。

「フェイスシールドを使用した後は、表面全体が汚染されていると考えてください。取り外すときは、必ずフロントシールドではなくヘッドバンドを持ち、すべての表面を適切に消毒して、石鹸で手を洗うことを忘れないでください。」とシェーフさんは説明しました。

4月上旬に沖縄県と協議した後、沖縄県内の病院に配布する800個のフェイスシールドの要望に応えるために、現在研究チームは製造に取り組んでいます。

このプロジェクトは、OIST学内から多くの支援を受けて行われています。知覚と行動の神経科学ユニットの福永泉美准教授は、自身が新たに注文した3Dプリンターを研究チームと共有し、ハイスループット能力の向上を支援しました。マイクロ・バイオ・ナノ流体ユニットの博士課程学生であるガリフルリナ・アイナッシュさんは、フェイスシールドの後処理と組み立てを学生ボランティアで行えるよう手配しています。エンジニアリング・サポート・セクションのキーラン・ディシーさん、量子波光学顕微鏡ユニットの博士課程学生であるアンクル・ダールさん、大学院大学のジェレミー・ジレさんは、ゴム部品のレーザーカットを担当し、3Dプリントの工程を監督しています。

3Dプリントの材料が世界的に不足しているため、研究チームは学内の他の研究ユニットから原材料の提供を受けました。コミュニケーション・広報ディビジョンのジェフリー・プラインさんは、医療従事者が現場でフェイスシールドのパーツを組み立てることができるように、イラストを制作しています。また、技術開発イノベーションセンターは材料調達を支援し、3Dプリント用にインキュベーター施設を提供しました。

Photo of two face shields
フェイスシールドの試作品:コロナウイルスの飛沫とエアロゾルをブロックするよう設計された3Dプリントのフェイスシールド。
フェイスシールドの試作品:コロナウイルスの飛沫とエアロゾルをブロックするよう設計された3Dプリントのフェイスシールド。