2012-09-06

沖縄科学技術大学院大学博士課程の開設

 9月6日、沖縄科学技術大学院大学(OIST)の博士課程開設記念式典が開催され、OISTの500名収容の新しい講堂が参列者でいっぱいとなりました。OISTは、真に学際的な研究教育を英語で行う、日本で初めての大学院大学です。

 OISTは博士課程における世界最高水準の研究教育の新しいモデルを構築します。教員と学生の半数以上を外国人とし、教育及び研究は全て英語で行われます。OISTには、生命科学、物理科学、環境科学の分野から既に46名の教員が着任しています。そしてこの度、世界中の優秀な候補者の中から選抜された34名の学生がOISTに入学し、9月10日から授業が開始します。博士課程では、学生がそれぞれの専門分野で強い基盤を構築すると共に、専門的な知識を更に広げ、学際的な研究を行うようカリキュラムが提供されます。OISTでは単一の研究科・専攻のみを設け、創意工夫に富んだ研究スペースの配置と、研究機器の共用を強く推進することにより、自然な形で真に学際的な研究が行われる環境が整っています。

 OISTのジョナサン・ドーファン学長は、日本政府、沖縄県、及び地元コミュニティに対し、この大胆な計画の立案、及び継続的な支援に感謝し、「OISTは世界最高水準の教育研究機関に成長するという揺るぎない目標に向かって邁進してまいります。また、それだけでは無く、研究の進め方や学生の教育方法において、これまでにないグローバルな見地を切り広げていきます。日本政府からの継続的な財政支援により、世界トップクラスの教員及び研究者を獲得し、素晴らしい研究基盤及び最先端の研究機器を整備することができました。」と述べました。

 石田勝之 内閣府副大臣は、川端達夫 内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)からのメッセージを代読され、「沖縄科学技術大学院大学は、創設して間もない組織ではありますが、世界各国から優秀な研究者が集い、自由な発想の下、学際的かつ先端的で、世界最高水準の教育研究を行える環境が整いつつあります。」と述べられました。

 仲井眞弘多沖縄県知事は、新しい大学院大学が沖縄にもたらす効果、及び第一期生の今後の活躍に期待を寄せ、「沖縄の県民は、文化、芸能、学問など、色々な面で一生懸命頑張っておられる人々に対して敬意を払い、皆さんが研究に打ち込めるように、支援してまいりたいと考えております。皆さんが世界中の様々な問題の解決および学問の進歩に貢献されるよう心から祈念し、お祝いのご挨拶とさせていただきます。」と述べられました。 

 長年OISTの理事を務め、OISTの立ち上げ当初から今日に至るまで多いに貢献した金澤一郎博士に基調講演を頂きました。金澤理事は、素粒子物理学、理論物理学、数理学のような「科学のための科学」と、臨床医学、農学、環境生物学、工学のような「社会のための科学」の両方の大切さを強調されました。金澤理事は、「OISTではどのタイプの研究が推進されているのでしょう。」と投げかけ、「言うまでも無く、両タイプの研究が切り離せない関係で実施されています」と述べられました。

 OISTのジェフ・ウィッケンス研究科長は、博士課程第一期生を歓迎し、次のように述べました。「首里城の梵鐘に刻み込まれている銘文にある「万国津梁」は「世界の架け橋」を意味します。」 「学生は研究室、研究機関、そして大学をつなぐ架け橋と言えます。未来につながる人的ネットワークを形成することで、OISTは国と国をつなぐ架け橋となるでしょう。」

 OISTのロバート・バックマン上級副学長は、OISTのキャンパスは綿密な計画とクリエイティブな思考によってもたらされたことに触れ、「OISTは、学生が分野の壁を越えた研究を行うことにより、新たな研究分野を切り拓き、大きな発見を導く高度な能力を身に付けるための世界で最も優れた研究環境を備えた大学院大学のひとつです。」と述べました。また、「今日はOISTの歴史において記念すべき日です。この希望あふれる大学院大学を開設するにあたり、多くのことが約束されました。ご覧の通り、学生の入学によって、多くの要素がもたらされました。しかし、これは始まりに過ぎません。日本、ひいては世界に貢献し、沖縄に新たな希望と可能性をもたらす、創造力にあふれ自立した若手の研究者を育成するという使命の達成に向けて取り組んでまいります。」と述べ、挨拶を締めくくりました。

式典の写真はこちらよりご覧頂けます。