「健康な心」とは?

DJニックとトム・フロース准教授が、グローバル・バイオコンバージェンスイノベーション拠点で行われている研究と、心の健康の最新情報について語ります。

HEADER Podcast#1 Global Bioconvergence Center TomFroese

沖縄科学技術大学院大学(OIST)ポッドキャスター・イン・レジデンス、DJニック・ラスカムが、グローバル・バイオコンバージェンスイノベーション拠点で行われている研究について掘り下げます。同拠点は「ワンワールド・ワンヘルス(One World-One Health)」をモットーに掲げています。「ワンヘルス(One Health)」のコンセプトを地球規模で実現していくため、『心の健康、体の健康、環境の健康』という相互に関連し合った3つのテーマを推進しています。

同拠点は、科学技術振興機構(JST)の「共創の場形成支援プログラム(COI-NEXT)」の助成を受けて整備され、これら3つのテーマの相互関係と、今後20年間にそれぞれのテーマをどのように持続的に達成していけるのかに焦点を当てています。

同拠点では、生命科学、海洋科学、工学、人工知能、複雑系など、多様な分野を統合する「バイオコンバージェンス」と呼ばれる学際的アプローチをとっています。教育機関、政府機関、企業など、多様な団体と協力することで、持続可能な社会の実現を目指し、実用的なソリューションの開発を目指しています。

今回のエピソードは、OIST 身体性認知科学ユニットを主宰するトム・フロース准教授を招き、同拠点で取り組む「心の健康」に関する研究と、精神的に幸福である状態というのはどういった概念なのかについて話を聞きました。

フロース准教授は、目に見えにくい相互作用を研究することの難しさや、脳、身体、環境の相互作用が健康に及ぼす影響を理解する上で、最新テクノロジーがどのように活用されているのかついて語ります。

「健康と幸福は、柔軟性と関係しているように思います。たとえ不運に見舞われたとしても、私たちには乗り越え、適応する回復力があります。人生の中で何が起きたとしても、変化し、適応する可能性があるのです」とフロース准教授は説明します。

フロース准教授はまた、休息や睡眠がメンタルヘルスに与える価値・影響を認識する必要があると強調します。「私たちが最適な状態で活動するには、活動していない時間も必要なのです。」

Two person in a recording room
トム・フロース准教授とDJニック・ラスカムが、グローバル・バイオコンバージェンスイノベーション拠点で行われている心の健康に関する研究について話している様子。
トム・フロース准教授とDJニック・ラスカムが、グローバル・バイオコンバージェンスイノベーション拠点で行われている心の健康に関する研究について話している様子。

散歩したり、自然の中にいたりすると、なぜ心地良いのかー-人間の自然な行動の背後にある理由を理解することが重要です。本能を意識し、なぜそうなるのかを理解することで、私たちの習慣を改善・調整し、最大限の効果を得ることができます。

SNSやメタバース、高度なAIなどの目まぐるしい変化が、私たちの心の健康に深刻な影響をもたらします。単に情報が多すぎるだけでなく、私たちの心が周囲の世界と密接に結びついているため、こうした変化が私たちの内面をも形成するからです。

「このような状況は私たちの歴史上、前例がないため、進化的に、あるいは直感的に自然な反応ができていないのです。変化のスピードに追い付いていけておらず、自分たちの生きている世界が心に及ぼす影響についてはよく理解できていないのです」

グローバル・バイオコンバージェンスイノベーション拠点では、さまざまな専門家と提携し、心の健康に関する知識を深めています。

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