新たな量子技術イノベーション拠点がOISTで始動

「量子国際連携拠点」として、革新的技術の創出で世界に貢献

新たな量子技術イノベーション拠点がOISTで始動

量子コンピュータや量子通信など、量子技術の開発競争は世界的に激化しています。コロナ禍によるDXの急速な進展や、カーボンニュートラルなど急激に変化する社会環境など多くの社会課題に対し、量子技術への期待は増大しつつあります。そうした状況の中で、量子技術のイノベーションを創出し、量子技術の活用を推進するためには、我が国の量子研究における国際競争力の向上が何よりも重要となってきています。

我が国として量子科学技術における国際的な最先端研究・開発を進めていくため、沖縄科学技術大学院大学(学長兼理事長: ピーター・グルース、以下OIST)は、「量子国際連携拠点」としての活動の中心的役割を担う「OIST量子技術センター」を2022年10月31日に開設しました。本センターは、2022年4月22日に策定された「量子未来社会ビジョン」(統合イノベーション戦略推進会議決定)に基づき、「量子技術イノベーション拠点」の体制強化として設置するものです。OIST量子技術センターは、国際共同研究をはじめとする国際交流及び国際的人材の育成と流動性の中核として、国際性豊かな最先端研究・開発を推進していきます。

OIST量子技術センター長には、OIST量子情報科学・技術ユニットを率いる根本香絵教授が任命されました。本センターは、量子コンピュータから、量子未来社会におけるセキュリティまで広がる量子技術に貢献をすることを目指し、量子物理学、計算機科学、情報工学などの関連分野の学際的な研究とイノベーションを、国際的な研究環境のもとで推進していきます。さらに、ワークショップやサマースクールなどの国際的な研究交流プログラムの充実、産学連携や技術移転を通して、量子未来社会を担う国際的な研究者の育成を強力に推進していきます。

本センター長の根本香絵教授は、次のように述べています。「量子技術のもつさまざまな可能性やインパクトを考えると、OISTの国際的で学際的な研究環境は、これからの量子科学技術の研究にとても大切な要素であると思います。国際的な共同研究や、グローバルな産学連携を通して、視野の広い、高度なスキルをもつ量子科学技術人材を輩出していくことも、拠点としての重要な役割のひとつです。OISTの既存のプログラムや他の拠点との協働も進め、中長期的に国際競争力の維持や量子技術における強みの確立、また優秀な人材の輩出に注力していきたいと考えています。」

OISTのピーター・グルース学長は、「OISTは、日本の量子科学技術研究分野においてはまだ新参者かもしれません。しかし、世界をリードする学際的な研究機関としての高い評価によって世界的に著名な研究者を幅広く集めることができること、そして国際的で優れた教員と学生を擁する大学院大学を有するという点で、日本の量子技術研究に具体的かつ強力な貢献ができると確信しています」とコメントしています。

なお、内閣府とともに量子技術イノベーション拠点の一員としてOISTが共催する「Quantum Innovation 2022」が11月28日~30日に開催されます。同イベントには、科学者のみならず、技術者、企業関係者、学生など、量子技術に関心のあるすべての皆様に無料でご参加いただけます。詳しくはこちらをご確認ください: https://quantum-innovation.riken.jp/

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