北野宏明OIST教授が、国連のAIに関するハイレベル諮問委員会メンバーに選出

専門家の1人として、人工知能を管理する国際社会の取り組みを支援します

OIST Prof. Hiroaki Kitano Elected as Member of UN High-level Advisory Body on AI

国連のアントニオ・グテーレス事務総長が10月26日に発足した、人工知能(AI)のガバナンスの在り方等を検討するハイレベル諮問委員会のメンバーの一人に、OISTで教授(アジャンクト)を務める北野宏明が参加することとなりました。

この委員会は、世界33か国から政府、民間、研究・学術、市民団体など様々な分野からの専門家38名と、事務局の常任メンバー1名により構成され、グローバルで学際的かつジェンダーのバランスの取れたメンバーにより、AIが人類のために機能するよう支援する上で、独自の役割を果たすことが期待されています。

諮問委員会の当面の活動には、リスクと課題に関する世界的な科学的コンセンサスの構築、持続可能な開発目標(SDG)のためAI活用方法の模索、AIガバナンスに関する国際協力の強化などが含まれます。

北野教授は、2009年に OISTの前身である沖縄科学技術研究基盤整備機構に代表研究者として就任。以降、OISTの教授(アジャンクト)として、腸内細菌やゲノムなどの網羅的解析を AIとロボットで自動化するMANTAプロジェクト産学連携共同研究によるサステナブルリビング実験プロジェクトなど、分野を横断する様々なプロジェクトを率いてきました。現在、北野教授は、ソニーグループ株式会社 執行役 専務CTOとともに、株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長、株式会社ソニーリサーチ代表取締役 CEO、システム・バイオロジー研究機構会長、人工知能研究開発ネットワーク会長も務めます。2023年5月からは、日本政府の統合イノベーション戦略推進会議によるAI戦略会議の構成員も務めています。

国連のAIに関するハイレベル諮問委員会に参加することを受けて、北野教授は次のように述べています。「人工知能関連技術の発展はさらに加速し、我々にとってかつてない影響力をあたえる技術になると考えています。OISTにおいても科学的発見を高度に自律的に行い、サイエンスのあり方を根本から変革する「AI科学者」の開発を目指したプロジェクトを進めています。現在、我々は、新たな産業革命を迎えようとしています。このようなAIシステムの実現も含め大きな影響力のある技術の適正な開発とガバナンスが重要となります。今回、国連がこの実現のための委員会を発足させたことは非常に意義深いことであり、そのメンバーに就任し、さらにワーキンググループの一つの共同チェアに任命されたことは名誉でもあり、大きな責任を伴うことであると考えています。AIテクノロジーの適正な発展のために貢献できればと思います。」

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