沖縄科学技術大学院大学の創設に向けて

    (独)沖縄科学技術研究基盤整備機構運営委員会
沖縄科学技術大学院大学学園設立委員

平成23年2月9日に沖縄科学技術大学院大学学園の設立委員会合(第5回)が、同10日に独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構(機構)の運営委員会(第12回)が、それぞれ開催されました。沖縄科学技術大学院大学(OIST)の設立事業は、ノーベル賞受賞者を含む世界的に著名な科学者等から構成される両委員会の提言のもとに推進されています。今回の会合は、政府に対して大学院大学の設置認可申請が行われる前の最後の会合となり、大変意義深いものであったといえます。

  沖縄科学技術大学院大学初代学長予定者であるジョナサン・ドーファン博士からは、現在、大学院大学の設置認可に向けた最終段階にあり、着実な進捗が得られているとの報告がありました。同博士は、教員の採用活動について、これまで548名の研究者から応募があり(うち417名は外国の機関に所属)、その内の 45名がここ沖縄で面接を受けるなど、大きな前進があったことを強調し、大学開学時までに、必要とされる優秀な教授陣が確保されるとの考えを示しました。また、優秀な研究者の採用に尽力している機構職員に対して感謝の意が表されました。

  また、平成23年予算案についての報告もありました。「元気な日本復活特別枠」の中で措置された高性能電子顕微鏡や小型光源装置については、特に大学院大学の分子イメージング分野での研究基盤の強化につながるものです。この他、沖縄海洋環境観測システムとゲノム解析用高性能コンピューターについても、特別枠の中で措置されています。

  機構のブレナー理事長からは、機構の事業の成果として、国内外の数々の大学・研究機関と連携協定の締結等を含め協力関係を築いてきたことが挙げられました※1。また、現在、複数の大学とも連携に向けた話合いが進められていることについても報告されました※2

  1. (国内)琉球大学、奈良先端科学技術大学院大学、同志社大学、京都大学
    (海外)米国ソーク研究所、米国アレン脳科学研究所、カナダオタワ大学、ベルギーアントワープ大学、英国エジンバラ大学、ニュージーランドオタゴ大学
  2.  米国スタンフォード大学、米国ハーバード大学、パレスチナアルクドス大学、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校

  設立委員からは、前回の会合に続いて、沖縄科学技術大学院大学が国内及び国外の大学との間における最優秀の学生獲得競争を勝ち抜くためには、世界の最高水準の大学が提供している水準の経済的支援を学生に提供する必要があるとの意見が述べられました。それに加え、今回の会合では、そのような経済的支援の財源をいかに確保していくかという点についても建設的な検討が行われました。

  沖縄科学技術大学院大学は学校法人により設置されることから、ガバナンス組織の一つとして、国内外、そして沖縄関係者で構成される評議員会を設けることとなっています。現在、その候補者への就任依頼を進めており、およそ35名からなる最終的な評議員については、本年11月の学園設立前に公表予定です。評議員会には、それぞれ異なる分野の審議を担当する複数の分科会を設け、理事長に審議結果が伝えられることとなる予定です。

  2 月10日の会合では、運営委員から沖縄の自立的発展に貢献することの重要性が指摘され、昨年10月に開催された国際シンポジウム「知的・産業クラスターの形成を目指して」に携わった役職員に対して感謝の念が述べられました。同シンポジウムには来賓として挨拶を述べた内閣府の末松義規副大臣(当時)、アメリカ合衆国のジョン・V・ルース駐日大使、沖縄県の仲井眞弘多知事のほか、志喜屋文康恩納村長を含む約180名が参加しました。また、機構が沖縄県や琉球大学等と連携の下、うるま市の施設において、ゲノム研究が進めていることについても、評価する意見がありました。

  このほか、運営委員会会合では、研究・教育活動、財務及び事務業務等に関する報告がありました。このなかで、建設中の第2研究棟と講堂の進捗状況や、整備予定のビレッジゾーン(教員・学生向け宿舎)の計画概要についても説明がありました。

  ジョナサン・ドーファン初代学長予定者のコメント:
  「大学院大学と沖縄にとってエキサイティングで歴史的な時を迎えています。科学技術の教育研究を行う大学の新しいモデルが今まさに生まれようとしています。認可申請に準備を進める中で、その実現に向けた機運が大いに高まっていることに感銘を受けており、運営委員及び設立委員の御指導・御支援に感謝しています。」

独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構運営委員

有馬朗人博士
(共同議長)

財団法人日本科学技術振興財団会長、武蔵学園長、静岡文化芸術大学理事長、 ヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラム会長

ジェローム・フリードマン博士

マサチューセッツ工科大学教授
(1990年ノーベル物理学賞受賞)

ティム・ハント博士

英国がん研究所
(2001年ノーベル生理学・医学賞受賞)

金澤一郎博士

日本学術会議会長、東京大学名誉教授、皇室医務主管

黒川清博士

政策研究大学院大学教授、東京大学名誉教授、前内閣特別顧問(科学、技術、イノベーション担当)、前日本学術会議会長

李遠哲博士

台湾中央研究院名誉会長
(1986年ノーベル化学賞受賞)

マーティン・リース博士

ケンブリッジ大学トリニティカレッジ学長

尚弘子博士

琉球大学名誉教授、元沖縄県副知事

利根川進博士

マサチューセッツ工科大学教授
(1987年ノーベル生理学・医学賞受賞)

トーステン・ヴィーゼル博士
(共同議長)

ロックフェラー大学名誉学長
(1981年ノーベル生理学・医学賞受賞)

プレスリリース(PDF)

声明文(PDF)

提供写真

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会議と記者会見

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(左から)シドニー・ブレナー理事長、運営委員トーステン・ヴィーゼル博士と有馬朗人博士 OIST代表研究者ゲイル・トリップ博士によるプレゼンテーション (左から)ロバート・バックマン理事、大学院大学学長予定者ジョナサン・ドーファン博士、運営委員ティム・ハント博士と黒川清博士
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(左から)運営委員ジェローム・フリードマン博士、尚弘子博士、李遠哲博士、内閣府槌谷裕司大臣官房審議官 (左上から)黒川清博士、ロバート・バックマン理事、李遠哲博士、ティム・ハント博士、トーステン・ヴィーゼル博士、尚弘子博士、ジョナサン・ドーファン博士、シドニー・ブレナー理事長、ジェローム・フリードマン博士、有馬朗人博士 (左から) 大学院大学学長予定者ジョナサン・ドーファン博士、シドニー・ブレナー理事長、運営委員トーステン・ヴィーゼル博士と有馬朗人博士

キャンパス風景

photo of OIST campus
photo of OIST campus
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