沖縄県の高校生、「ドラゴンフルーツの冷凍技術」で世界へ挑戦

国際大会出場のためにシンガポールへ出発する沖縄県立中部農林高校の生徒をOIST学長が激励しました

OIST encouraged students from Chubu Agricultural High School in Okinawa

7月18日、沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて、国際科学コンテスト「Global Link Singapore」出場のため、シンガポールへ出発する沖縄県立中部農林高等学校の生徒たちの壮行会が行われました。カリン・マルキデス OIST学長兼理事長らが参加し、コンテストに向けたアドバイスや激励の言葉が送られました。

「SCORE! サイエンス in 沖縄」で優勝した中部農林高生、世界に挑む

OISTが毎年開催している、沖縄県内高校生のための科学発表コンテスト「SCORE! サイエンス in 沖縄」に優勝した同チームは、副賞として参加権が与えられた、「第9回高校生国際シンポジウム」に出場。2024年2月に鹿児島県で開催されたその大会で、見事グランプリとなる文部科学大臣賞を受賞しました。輝かしい成績を残した彼らが次に挑んだのが、シンガポールで7月25日に開催された「Global Link Singapore」です。アジア地域の中高生が参加した本大会では、科学に関する研究プロジェクトを英語で発表し、プロジェクトの独創性や実現可能性などを競い合いました。惜しくも受賞こそ逃しましたが、斬新なアイディアは海外の観客の関心を惹きつけ、大いに注目を集めました。

沖縄県うるま市にある中部農林高校は、OISTが主催する「SCORE!サイエンス in 沖縄」へ2013年の第1回大会から常連校として参加し、悲願の優勝を果たしました。3年生の奥呂⽊響さん、阿波根⻘空さん、⽯川実夢さん、伊波心陽さん、前當叶希さんの5名からなるチームは、沖縄県内農家の課題解決のためにドラゴンフルーツを長期間楽しむための「冷凍保存」技術の開発に挑戦しました。水分量が高いドラゴンフルーツは通常冷凍には向かないとされていますが、チームはドラゴンフルーツの特性に合わせ、おいしさも保ちつつ長期保存できる冷凍技術を、科学的な手法で模索しました。

SCORE! 2023 participants
2023年12月に開催されたSCORE!で発表する中部農林高校のチーム
2023年12月に開催されたSCORE!で発表する中部農林高校のチーム

OISTのマルキデス学長兼理事長は、生徒たちに向けて次のようにエールを送りました。「複雑な課題に対する答えを追求するだけでなく、それをいかにサステイナブルなソリューションにしていくのか、そして困っている農家の皆さんのためになるものにするのかを考え続けてきた皆さんの情熱は大変誇らしいものです。世界はまさに、皆さんのような、社会を変える、次世代のリーダーを求めています。シンガポールで素晴らしい体験ができることをお祈りしています。」

生徒たちは、プレゼンテーションのコツや、表現方法など、マルキデス学長に積極的にアドバイスを聞いていました。マルキデス学長は、とにかく自信を持って、発表する喜びを感じながらプレゼンすることの大切さを説きました。

前當さんは、「今回の大会への出場はいろいろな関わりがあってこそ叶ったものです。これまで応援してくださったみなさん、関わってくれた農家、行政、地域の皆様にも支えてもらっているので、その思いも背負って、私たちの研究を存分に発表していきたいと思います。応援よろしくお願いします」と意気込みを語りました。

「SCORE!サイエンス in 沖縄」について

OISTは、県内高校生への体験型理科教育を発展させ、起業家精神に関心を持ってもらうことを目的として、2013年から毎年「SCORE!サイエンス in 沖縄:起業のための研究能力 サイエンスフェア」を開催しています。このイベントでは、沖縄の高校生が自らの研究を発表し、実践的なスキルを磨く場を提供しています。

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