OIST教授が、権威ある学会の2021年フェローに選出されました
沖縄科学技術大学院大学(OIST)のマイクロ・バイオ・ナノ流体ユニットを率いるエイミー・シェン教授は、流体力学分野への多大な貢献が認められ、米国物理学会(APS)のフェローに選出されました。
物理学およびその関連分野の専門家による非営利団体であるAPSは、1899年に設立され、世界中の専門家を集結させて知識の向上と普及を図ることを目的としています。そのフェローシップ・プログラムは、独創的な研究と論文によって物理学に進歩をもたらした会員や、物理学の科学技術への応用において非常に革新的な貢献をした会員を表彰するために設けられています。同学会には約5万人の会員がおり、毎年フェローの選出が行われていますが、その人数は全体の0.5%以下です。
今回の選出を光栄であると述べるシェン教授は、マイクロ流体力学とレオロジーを研究しています。その研究は、工学や物理学から化学、生物学まで、あらゆる分野に及ぶ学際的なものです。米国で理論力学と応用力学の研究を行った後、2014年にOISTの教員に着任し、マイクロ・バイオ・ナノ流体ユニットを開設しました。同ユニットの研究は最近、米国科学アカデミー紀要(PNAS)、Physical Review Letters誌、ACS Nano誌、Biosensors and Bioelectronics誌、Soft Matter誌、Physics of Fluids誌など、様々な著名な学術誌に掲載されました。シェン教授は、APSフェローシップの他にも2021年英国王立化学会のフェローに選出され、2020年にはOISTのExcellence in Mentoring Awardも受賞しています。
シェン教授は、通知を受け取ったときには、驚いたと同時に恐縮したと述べています。そして、OISTの支援と自分のユニットメンバーの努力のおかげであることを特に強調したいと語っています。「これまでに達成できたことはすべて、研究ユニットの研究者や学生たちが長年にわたって積み上げてきた努力のおかげです。ユニット設立時から在籍してくれているグループリーダーのサイモン・ハワードさんと技術員のカズミ・トダ・ピーターズさんには特に感謝しています。私がOISTに来てから達成してきたことは、すべて皆の協力の上に成り立っています。このユニットは、皆で作り上げてきたものです。」
シェン教授は、他の研究者へのアドバイスとして、自身の内面から興味が湧く研究を追求することを勧めています。「流行っているからとか、求められているからとか、そういう理由ではいけません。難しいことだからこそ、情熱が必要です。そうでなければ、やる意味がありません。そして、ポジティブであること。毎日研究に取り組むこと。そして、うまく行ったり行かなかったりと波があることも認めてください。毎日素晴らしい結果が得られるわけではありませんが、続けていれば、長期的には目的を達成することができるのです。」
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