宇宙飛行士山崎直子さんOISTで講演
8月2日、宇宙飛行士の山崎直子さんが「宇宙、人、夢をつなぐ」と題した講演会をOISTで行い、11年間の訓練の末に宇宙に行くという子どもの頃からの夢を実現したことについて話をされました。山崎さんは日本人女性2人目の宇宙飛行士として、2010年に国際宇宙ステーションに15日間滞在しました。
山崎さんは7歳の時に天体望遠鏡をのぞいて月面のクレーターや土星の環を観察したことがきっかけで天文学に興味をもたれたそうです。そして1986年にテレビでスペースシャトルチャレンジャー号の爆発を目の当たりにした時に、人間も宇宙に行けることができることを知りました。場合によっては命を落とすかも知れないことを顧みず、山崎さんは宇宙飛行士になりたいと強く思ったそうです。その後は大学でエンジニアリングを専攻し、1999年に宇宙飛行士になりました。
宇宙飛行士になるための訓練は大変厳しいものです。「一度目の挑戦で私は不合格でした」と語った山崎さん。山崎さんが受けたテストの多くは少しかわっていました。たとえば、3時間以内でジグソーパズルを完成させるという課題がありましたが、パズルのピースのどれもが真っ白でした。目印となる絵がないまま、山崎さんは真ん中がぽっかり空いて、外枠のパズルのみがつながったものを完成させました。
「このテストで問われたのはパズルを完成させるか否かではなく、解決に向けてどのような手段をとったかという点です」と、振り返った山崎さん。この時は平静を保ち、ひたすら課題に取り組んだことで、山崎さんはどのような高いプレッシャー下でもうまくいくことを示したのでした。
当日会場を埋め尽くした聴衆の多くが、山崎さんの言う「目標達成に向けた粘り強さ」に関して共感を覚えた様子でした。那覇高校から参加した佐久間千帆吏さんは、将来は医師になることを目指していると説明したうえで、この先過酷な訓練が控えていると話してくれました。その上で、「宇宙と医療はまったく異なる別の分野であるけれど、両分野とも多くの訓練を必要とし、共通点があると思う」と語ってくれました。
息子さんと一緒に講演会に参加された中村健さんは、「再び宇宙飛行士に魅せられました」と語りました。実は中村さんは今から6年前に宇宙飛行士になるためのテストにチャンレンジされたそうです。「山崎さんのお話を聴いて、再びその気持ちが強まりました」と話してくれました。
「Wonderful = ワンダフル」という言葉が大好きだという山崎さん。私たちの人生も謎(Wonder)だらけで、これからどのように人と関わり、行動していくかが人生を決めると語りました。
ラッシュ ポンツィー