「恩納村・OISTこどもかがく教室」3年ぶりに対面で開催
OISTと恩納村が主催する夏休み恒例のプログラム「こどもかがく教室」が、8月14日から5日間にわたり開催されました。対面での開催は実に3年ぶりとなる今回のプログラムには、4歳児から小学6年生の総勢130名以上が参加しました。こどもかがく教室は、2010年に開始して以来、恩納村内の子どもたちを対象に実施していましたが、恩納村以外の学校に通う子どもたちなどからの強い要望に応え、2022年から村外の子どもたちも参加できる「オープンクラス」が設けられています。
今回のこどもかがく教室では、複数の学年毎に6つのテーマのクラスが用意されました。
小学1-2年生のクラスでは、ちりめんじゃこの中に混ざっているタコやカニといった小さな生物の観察をしたり、普段聞く機会のない魚の鳴き声をきいてみたりと、身近な海の生き物について学びました。
様々なアクティビティを通して身近にあふれる科学を学んだのは、小学1-3年生クラスです。3日目のクラスでは、地層の中に残された太古の生物についての講義が行われ、沖縄県の浜比嘉島で採取した岩の中から貝類の化石を掘り出すことに挑戦しました。
小学3-4年生の子どもたちは、科学を通して発見する楽しさを学ぶプログラムに参加しました。脳について学ぶクラスでは、OISTで研究する神経科学者たちが授業を行い、学校ではまだ学ぶことのできない脳のしくみや不思議について学びました。
「科学で世界を知ろう」をテーマにした小学5-6年生のクラスでは、ノートパソコンを駆使してプログラミングをしたり、遺伝や進化について学びました。参加した子どもたちは科学者から直接指導をうけ、最新の知識を得ることができました。
オープンクラスでは、マイクロプラスチックについて研究している科学者が講師となり、海岸でみられる様々なごみや、顕微鏡でしか見られない小さなプラスチックごみなどの観察をしました。科学者の視点で環境問題について考える実践的なプログラムとなりました。
また、中学生向けのプログラム「ジュニア・サイエンス・プログラム」も同時に開催され、村内外の中学校に通う12名の中学生が参加しました。磁力や電場、DNAの抽出実験など、普段学校では体験できない実験や講義を通して、科学の可能性や研究の醍醐味を学びました。
参加した恩納村立山田小学校3年の島袋昊太郎さんは、「前から科学が好きで、科学者になりたいと思っていました。このプログラムに通って、さらに科学が好きになりました」と、未来の科学者をめざす意気込みを語りました。
今年のこどもかがく教室には、恩納村の小中学校の先生方、そしてOISTの研究者、学生、スタッフ、総勢60名以上がボランティアとして参加しました。OIST光学ニューロイメージングユニットを率いるベアン・クン教授は、3-4年生クラスの講師を担当し、プログラムの校長も務めました。「地元の子どもたちに、科学について学ぶ機会をつくろうと始まったこどもかがく教室も、今年で13年目となりました。このプログラムに参加した子どもたちが科学の可能性や楽しさに気づき、将来素晴らしい科学者がここ恩納村から生まれることが楽しみです」と述べました。