本年も大盛況!OISTサイエンスフェスタ2018
普段は静けさに包まれている沖縄科学技術大学院大学(OIST)の週末のキャンパスに、この日は子供たちの興奮した声が響き渡りました。11月17日に開催されたOISTサイエンスフェスタ2018に、4,000 人を超える方々が来場し、OISTの研究者や学生による様々な展示や講演、シンプルかつ楽しい科学実験を体験しました。
毎年一般公開されるOISTサイエンスフェスタは、子供から大人まであらゆる年齢層の人々にとって科学体験ができるよう工夫されています。今年は、ゲストスピーカーとして国立天文台名誉教授の家正則博士と東京工業大学理学院物理学系助教の山﨑詩郎博士をお招きしました。家博士は、宇宙誕生の歴史、その未来、地球と同様な惑星の探索についてお話しされ、山﨑博士は回転し始めたら止まらないカラフルなコマを作る科学実験ショーで子供たちの心をとらえました。
「科学についての知識はないのですが、このようなイベントは娘たちの好奇心を刺激するにはとても良いと思い、娘たちを連れてきました」とオーストラリア出身のカール・ゲアリーさんは語ってくれました。
OISTの研究者たちも、日々の研究について講演しました。物理生物学ユニットの西林孝紘博士は、海に棲息するタコやイカなどの頭足類について紹介しました。また、以前学内で開催された芭蕉布展の成功に伴い、サイエンステクノロジー・アソシエイトの野村陽子博士はバナナ繊維で織られた芭蕉布について語りました。フェムト秒分光法ユニットのクリストファー・ペトコフ博士は、よく披露されるマジックのからくりに関する科学についてデモンストレーションを交えて解説しました。
「とても楽しいです。初めてヒトデを見ました!」と姪と甥を連れて初めてOISTサイエンスフェスティバルに来場した石川和芳子さんは興奮しながら語ってくれました。
講演に加え、自ら手を動かす科学プログラムも多く用意されました。来場者は、認知脳ロボティクス研究ユニットが用意した人型ロボットとのやりとりや、ペットボトルと植物を使って小さなエコシステムガーデンを作る方法も学びました。科学者と直接やり取りをするこのようなブースは、日々の研究について知っていただく良い機会となりました。
沖縄市からやってきた山川琉斗君(6才)は、「自分で作るのが楽しかった」と自ら作成したエコシステムガーデンを誇らしげに見せてくれました。
「モンスター歯磨き粉のブースが一番好き」と、得意気に述べてくれたのは金城裕明君。このブースではイースト、過酸化水素、洗剤を混ぜたときの科学反応を体験しました。
OISTセンター棟には出店の屋台も並び、人気の和食弁当、カレーやタコライス、サモサやチャイ、肉を使わないビーガンバーガー、本格的な沖縄そばなど、様々な食べ物が販売されました。来場者は皆さんそれぞれお腹を満たしてから再びブースに戻っていきました。身も心も満たされ、知的好奇心にあふれた1日となったことでしょう。