ジョナサン・ドーファン学長予定者の寄稿が沖縄タイムスに掲載されました
沖縄科学技術大学院大学初代学長予定者ジョナサン・ドーファン博士の寄稿が2011年6月30日付の沖縄タイムス「論壇」に掲載されました。
ジョナサン・ドーファン博士
沖縄から最先端の研究
~大学院大学開学へ準備着々〜
世界最高水準の教育と研究活動を通じて沖縄の自立的発展と世界の科学技術の発展に寄与する―10年前に提唱された本構想は、11月に予定されている沖縄科学技術大学院大学(OIST)の設置をもって、現実のものとなります。それに先立ち、去る6月16日からの3日間、OISTの歴史に刻まれるべき三つの意義深い出来事がありましたので、県民の皆様にも報告したいと思います。
まず、6月16日、最後の設立委員会合が開催され、最終的な設立準備の状況について確認がなされました。優秀な学生を集めるには、充実した教育内容と魅力ある教授陣が鍵となります。昨年7月に私が初代学長予定者となって以来、世界中に呼びかけて進めてきた教員採用活動では、類い希な研究業績とリーダーシップを備えた優れた研究者の採用に成功しました。新たに19名の研究者がOISTに加わることに同意しており、それ以前に着任している研究者とあわせ、学際性と多様性に富む世界でも類を見ない知的集積が沖縄の地に形成されつつあります。
翌17日には、琉球大学との研究交流会を初めて開催しました。OISTの発展には、同じ沖縄に位置し、長い歴史と伝統を誇る琉球大学との強い連携関係が必要です。当日は、岩政輝男学長をはじめとする同大学の先生方にOISTにお越しいただき、両機関のそれぞれ3名の研究者から日頃の研究成果が発表されました。沖縄県の仲井眞弘多知事も交流会に御出席いただき、今後の沖縄の発展に向けて、OISTと琉球大学が一層の連携を進め、県民の皆様の期待に応えていくよう激励の言葉をいただきました。
さらに18日、OISTキャンパスで初めてとなる文化的イベントが始まりました。OISTが科学技術分野の国際的拠点として発展するには、より広範な文化的要素を取り込んでいくことが不可欠です。それによってOISTが芸術、音楽、舞踏、演劇などの多岐にわたる文化の発信地になることも期待されます。沖縄を代表する陶芸家である山田真萬氏の巡回展HAMON(科学と芸術の出会い)は、こうした企画の第一弾として11月末まで開催します。多くの皆様の御来場をお待ちしています。
このように、最先端の研究で世界の科学技術をリードし、かつ、地域に開かれた大学院大学の開学に向けて、大きな弾みをつけることができました。沖縄が世界に誇ることのできる大学院大学となるよう、引き続き最大限の努力をしてまいります。
リンク:
・ プレスリリース「沖縄科学技術大学院大学開学に向けた最終準備 」
・ OIST-琉球大学「研究交流会」
・ HAMON山田真萬巡回展