ダイバーシティ、インクルージョン、そして勇気- OIST学長、琉球大学主催のセミナーで講演

カリン・マルキデス学長が、自身の体験、OIST着任の経緯、大学でDE&Iを高めるためのアプローチなどについて語りました。

Screenshot of OIST president Karin Markides at the Ryudai online seminar

先導的な研究を行うことと、研究者らを先導することは全く異なることですが、そのための知識や技術は重なります。マルキデス学長は、琉球大学主催のオンライン・セミナーに登壇し、自身の体験談を交えながら、どのようにリーダーシップを形成していったかや、どのように高等教育機関におけるダイバーシティ&インクルージョン(多様性と包摂性)への取り組みにつなげていったかについて語りました。

「第17回琉大未来共創フォーラム✕ダイバーシティ推進トップセミナー」は、2023年12月4日に開催されました。琉球大学の福治 友英理事・副学長による開会挨拶のあと、琉球大学の西田 睦学長がマルキデス学長を紹介されました。このオンライン・セミナーには130人以上が参加しました。

講演の中でマルキデス学長は、「父は、いつも枠にとらわれない考え方をするよう私を励ましてくれました。『勇気を持ちなさい。自分の道を進み、どこに行くにしても、自分が見つけたときよりも良い状態にして去りなさい』と話してくれた」と語りました。この父親の教えは、マルキデス学長が2つ目の修士号取得を決意して米国とスウェーデンを5年間行き来しながら通ったときから、紛争時にアルメニア・アメリカン大学で学長を務めたときまで、自身の職業人生を通していつも心に残っていると言います。

マルキデス学長はそのキャリアの中で、様々な制度の壁にぶつかってきたと言います。性別や、子を持つ母であるということだけでなく、学問分野間の壁、大学と社会の間の壁にもぶつかってきたと。大学におけるインクルージョンの促進、スタートアップを通じた産学連携の推進、さらに高等教育機関を社会の中心に据えることなど、マルキデス学長の使命はこうした壁を打ち破ることにありました。セミナー参加者からの質問に対して、「博士課程の学生のうちに、学問分野、大学、業界を超えたネットワークを構築することが重要です」と、個人がこれらの壁を克服する方法は、積極的に人脈を作り、信頼を築くことだと強調しました。

様々な壁を取り払いたいという思いは、OISTの学長としての仕事にも引き続き反映されています。その上で鍵となるのは、最終的に大学をより大きな変化の拠点に変える包括的で多様なつながりだと話します。「地域レベルでは、私たち大学は変革をもたらす存在となり、市民の方々とつながる必要があります。国レベルでは、私たちは他の大学とつながるステークホルダーとならなければなりません。そしてグローバルな舞台では、組織の魅力を高める必要があります。勇気と多様性を胸に抱いてこそ、これら三つを揃えることができ、個人と組織の成功の前に立ちはだかる壁を乗り越えることができるのです。」

マルキデス学長の話の後は、琉球大学理事の石原昌英理事・副学長によるご挨拶で、セミナーが締めくくられました。
本セミナーへのご招待と、継続的な連携をいただいている琉球大学に感謝いたします。

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