ケン・ピーチ博士とリズ・ピーチ夫人のOISTへの貢献を称えて
OISTで長きに渡って役員やアドバイザーを務めてきたケン・ピーチ博士は、夫人のリズ・ピーチさんと共に、大学に多大な貢献をしてきました。その貢献に対する感謝と敬意を表するため、記念プレートの除幕式が行われました。ピーチ夫妻は、2015年から2021年にかけてOISTに繰り返し寄付をしています。夫妻による使い道の限られない資金提供のおかげで、これまでに大学やスタッフとその家族らにとって重要な取り組みを推進することができました。
除幕式は、2022年5月19日にOISTキャンパスの正面玄関に続く屋根付きの通路にて行われました。ヘザー・ヤング広報担当副学長が司会を務め、学内のメンバーが多数出席しました。現在はスコットランドに在住のケン・ピーチ博士本人も出席し、出席が叶わなかったリズ夫人のために動画も製作されました。
除幕式では、OISTのピーター・グルース理事長兼学長が、大学の設立当初より数多くの貢献をしてきたピーチ夫妻に謝辞を述べました。
「ピーチ博士がOISTのためにしてこられたことは、ただ心血を注いで働いてきたというだけではありません。博士は、私がこれまでにお会いしたリーダーの中で最も優れた方でかつ謙虚で忠実なお人柄、さらには、OISTが常に必要とするものについて先見性をお持ちでした。また、大学のために私財も投じてくださり、一個人が様々な形で支援できることを示してくださいました。[中略] 博士がしてくださった全ての貢献に対し、OISTを代表して感謝を申し上げます。」
ピーチ博士は、OISTの設立当初より大学の運営に携わってきました。2011年に評議員に着任し、2014年から2016年まで教員担当学監を務めました。最初にOISTを離れた際には、リズ夫人と共に学内の保育施設であるチャイルド・ディベロップメント・センター(CDC)「てだこ」に寄付をしました。ピーチ博士がOISTの「宝物」であると考えているCDCでは、OISTの学生や教職員の子どもたちに質の高い保育サービスとバイリンガル幼児教育を提供しています。
夫妻からの寄付により、CDCでは、台風にも耐えられる頑丈な屋外用日除けを購入することができ、外遊びをする子どもたちを強い日差しから守ることができるようになりました。
同施設のジュリア・ナブホズ園長は、除幕式に直接出席することは叶いませんでしたが、ピーチ夫妻に宛てた手紙が代読されました。「ピーチ博士へ。お二人は、他者の人生を変え、元気づけ、世界をより良くしてくれる特別な方々です。お二人がCDC「てだこ」にくださった寛大なご寄付に対し、子どもたちとその家族、職員を代表して、感謝を申し上げます。」
ピーチ夫妻は、博士が戦略担当シニア・アドバイザーとして再度OISTに着任したときにも、沖縄の競漕「ハーリー」を行うOISTのハーリークラブに対して、伝統的な方法で手作りされた爬竜船(はりゅうせん)を提供するなど、大学の様々なプロジェクトに数々の寄付をしています。また、博士の主導によりOISTの歴史に関する初の書籍を来年出版する予定のOIST Pressの立ち上げに必要な資金も提供しています。
また、最近ではウクライナ緊急支援プログラムへも寄付をしています。この基金は、ウクライナの研究者や学生を人道的措置として一時的にOISTに受け入れたり、すでにOISTに在籍しているウクライナの学生や職員に対してカウンセリングなどの支援を提供したりするためのものです。
OIST財団のプレジデント&CEOであるデイヴィッド・ジェーンズ氏は、書面にて感謝の意を伝えました。「OISTへの多大なるご厚志を賜り、誠にありがとうございます。ご夫妻の慈善寄付のおかげで、OISTは沖縄の若者に対する教育アウトリーチ活動や、最近ではウクライナの学生や研究者を支援する活動など、数多くの重要なプロジェクトを推進することができました。」
プレートが披露された後、ピーチ博士は、OISTで過ごした日々と大学のビジョンを振り返り、次のように述べました。
「人は誰しも何らかの形で歴史に名を残したいと思うものですが、その最善の方法は、何かを創り出すことです。しかし、それは実は非常に骨の折れることで、その大変な努力をした記憶と創造物は、私たち全員が誇りに思うべきものなのです。私は成人してからずっと、多国籍、多言語、多文化の環境で働いてきましたが、OISTはまさにその精神を体現したものです。OIST以外に私が働きたい場所はありません。ですから、皆さんには心から感謝しています。」