加藤 重治氏がOIST事務局長・副理事長に着任
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は、事務局長兼副理事長として加藤重治氏を迎えました。理化学研究所の理事を6年間務めた後にOISTに着任した加藤氏は、東京大学工学部で学士号を、ハーバード大学ケネディスクールで公共政策学の修士号を取得しています。
加藤氏は、「2000年代の初めにOISTについて初めて聞いたとき、その構想に魅了されました。国際的かつ学際的な環境を作るという概念は、日本では全く新しいものでした。これからは、これまでのマネージメントの経験を生かして、OIST構想の実現に貢献していきたいと考えています」と述べています。また、「OISTの事務職員と研究者が明確なコミュニケーションを行い、互いに敬意と理解をもって、あらゆる面で良きパートナーとなることを目指します」と目標を語ります。
加藤氏がこの2年間、理化学研究所で多くの時間を費やした仕事は、所内での新型コロナウイルス感染予防対策でした。その中で、在宅勤務や子どもの休校中の状況には個人差があることを認識し、それを考慮した就業規則を策定しました。また、各キャンパスでの感染状況に関する情報を常に収集し、最新の情報を把握するように努めました。このような対策が功を奏して、感染拡大の期間中も、職場での感染を低い水準にとどめることができました。2022年2月には陽性者の急増がみられましたが、ほとんどは家庭内感染によるものでした。
加藤氏はこの経験を活かして、今後はOISTの教職員とその家族の健康を守ることに貢献したいと考えています。また、OISTが沖縄県に協力して行ってきたPCR検査などの取り組みに感銘を受けたとし、「OISTが今後もコロナなどのパンデミックへの対応で社会に貢献していくことを望みます。」と述べています。
加藤氏が、これまでのキャリアで最も印象に残っていることとして挙げたのが、2014年に文部科学省での職務の一環として、「持続可能な開発のための教育(ESD)に関するユネスコ世界会議」をユネスコと共催したことです。この会議では、国内外の多くのステークホルダーと協働しました。2,500人以上が出席した会議は、成功裏に終わりました。また、この会議の成果を受けて、持続可能な開発のための教育をさらに強化する新しいプログラムが開始されました。
現在、加藤氏は各副学長やセクションマネジャー、事務職員など、OIST全体の職員と面談し、どのような支援ができるかを把握することに務めています。今後は研究者とも交流したいと考えており、各人がどのようなことに価値を置いているのかを知りたいと考えています。