石垣焼に見る海
石垣焼窯元当主、金子晴彦氏による展示会「Ishigaki Blue」が5月18日より沖縄科学技術大学院大学(OIST)で開催されています。OISTキャンパスのメインエントランスに展示された作品は目を見張るもので、ここを通るOISTの教職員や訪れる人々を迎えます。壁面にかかる「Ishigaki Blue」は、石垣島の鮮やかなターコイズやコバルトブルーの色の海を表現する128の石垣焼きのプレートから構成され、ひとつとして同じものはありません。
展示会のオープニングセレモニーで挨拶に立ったジョナサン・ドーファン学長は、「私が初めて金子晴彦氏の美しい作品に出会ったのは、妻と石垣島を訪れたときでした。私たちは、琉球諸島の刻々と変化する海や海岸の色彩を見事に映し出した作品の美しい色に心を奪われました。」と振り返りました。
作品に大変感銘を受けたというOIST理事会議長のトーステン・ヴィーゼル博士は、「常々、科学と芸術には多くの共通点があると感じています。金子氏は芸術家であるだけではなく、実験者でもあると思います。」とセレモニーに参列した大勢の人たちに語りかけました。
石垣焼きのプレートは異素材を組み合わせる独自の技術で作られています。金子晴彦氏は、「作品は、手つかずの海を表現するために、あえて異素材のガラスと陶器の融合により作られています。ミネラル鉱石を使用することにより、海の深さを表現し、沖縄のグラデーションに輝く意味の色を醸し出しています。」と自身の作品を紹介しました。
本作品は、金子氏の多大なご厚意により、OISTに寄贈されました。OISTにご来訪の際にはぜひ、ひとつひとつのプレートの魅力、そして作品全体が持つパワーを感じてください。