スピンアイス中の2層磁気モノポール

OISTのルドヴィック・ジョウベルト博士によるスピンアイス中の2層磁気モノポールの描写。矢印はその場所にある原子の向き、黄色層はN磁気モノポールを表現しながら、グリーン層はS磁気モノポール表現しています。ジョウベルト博士のグループは、0°Kに近い低温下において、スピンアイスの中に安定的な2層構造が存在すると予想しました。この2層は、黄色で示したN極の磁荷を持つ2層と、緑色で示したS極の磁荷を持つ2層で形成されます。スピンアイスのスピンは、エネルギーをあまり必要としない、より安定的な構造の方へと自然に向かいます。この場合、四面体の2つのスピンは中央を向き、別の2つのスピンは外を向きます(2つが内向きで、2つが外向き)。かく乱によりスピンの方向が反転すると、磁気モノポールが発生します(3つが内向きで1つが外向き、または1つが内向きで3つが外向き)。3つが内向きで1つが外向きの構造では、N極の磁気モノポールが形成され、反対に1つが内向きで3つが外向きの構造においては、S極の磁気モノポールが形成されます。

日付:
2015年11月11日
出典:
ジョウベルト・ルドヴィック
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