国際シンポジウム 「沖縄における知的・産業クラスターの形成を目指して」

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シンポジウムの開会

去る10月6日、沖縄科学技術研究基盤整備機構(OIST)は、「沖縄における知的・産業クラスターの形成を目指して~自立型経済の実現に向けた沖縄とOISTの挑戦~」と題する国際シンポジウムを開催しました。同シンポジウムには国内外からおよそ180名が参加し、沖縄科学技術大学院大学学長予定者のジョナサン・ドーファン博士による開会の辞とOISTのロバート・バックマン理事のシンポジウム紹介に続いて、来賓として出席された内閣府の末松義規副大臣、沖縄県の仲井眞弘多知事、そしてアメリカ合衆国のジョン・V・ルース駐日大使からそれぞれ御挨拶を頂きました。

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ジョナサン・ドーファン博士
ジョナサン・ドーファン博士
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末松義規副大臣
末松義規副大臣
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仲井眞弘多知事
仲井眞弘多知事
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ジョン・V・ルース駐日大使
ジョン・V・ルース駐日大使

 

開会の辞 沖縄科学研究技術大学院大学学長予定者
ジョナサン・ドーファン博士
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シンポジウム紹介 沖縄科学技術研究基盤整備機構
ロバート・バックマン理事
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来賓挨拶 内閣府
末松義規副大臣
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来賓挨拶 沖縄県
仲井眞弘多知事
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来賓挨拶 アメリカ合衆国
ジョン・V・ルース駐日大使
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 基調講演

「シンガポールの経験:科学技術による経済発展」と題する基調講演で、シンガポールSPRING(中小企業育成標準政策庁)長官で首相府経済開発担当特別顧問のフィリップ・ヨー氏は、建国以来シンガポールがいかに今日の経済発展を成し遂げたかを紹介しました。同国の産業構造は、労働集約型の60年代から熟練技能中心の70年代へ、資本中心型の80年代から高度技術の主導する90年代へと移った後、21世紀に入ってからはバイオメディカル、エレクトロニクス、化学、エンジニアリングといった分野を中心に研究開発(R&D)を経済発展の中軸とするイノベーション型の経済へと展開してきました。2003年10月に完成した生命科学研究都市「バイオポリス」を例に、ヨー氏は世界中から優秀な科学者を惹きつけるとともに、若手の人材を育成することがいかに重要であるかを強調しました。そして、シンガポールが、外国から招聘した前途ある若手研究者に対して、博士課程修了後の5年間はシンガポールで働くことの条件付きで、博士取得までの全面的な経済的支援やシンガポールの市民権を含む様々な援助を提供していることを知った会場からは、驚きの声が上がりました。また、ヨー氏からは5年ごとに新たなセクターを戦略的に開発する必要性についても言及がありました。

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フィリップ・ヨー氏
フィリップ・ヨー氏
フィリップヨー氏による基調講演
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パネルディスカッション

シンポジウムの後半には、「沖縄における知的・産業クラスターの可能性と課題及びOISTの役割」と題して、およそ90分にわたるパネルディスカッションが行われました。このディスカッションは、日経BP社医療局主任編集委員の宮田満氏がモデレーターを務め、OIST代表研究者の北野宏明博士、ミューゼアベンチャー創立者のサス・ソメック博士、(財)沖縄県産業振興公社専務理事の平良敏明氏、(財)バイオインダストリー協会専務理事の塚本芳昭氏、サンディエゴ経済開発公社CEOのジュリー・マイヤー・ライト氏がパネリストとして参加しました。

はじめに、平良氏から沖縄の現状とクラスター形成の可能性についてプレゼンテーション(ダウンロード)があった後に、各パネリストからはアジア・太平洋地域の中心に位置する沖縄の地理的優位性や、米国サンディエゴ市との類似性、そして日本及び海外における知的・産業クラスター形成の先行事例などについて発言と意見交換が行われました。既に確立されたクラスター及びこれから形成されるであろうクラスターとの競争について言及した上で、パネリストたちからは、OISTが今後より一層国際的に認知されていく中で、いくつかの分野で特に世界に誇れる研究成果を出すことができれば、それによりおのずと企業も集まり、中心となるOISTを言わば触媒としてここ沖縄に知的・産業クラスターが形成されるだろうとの期待の声が上がりました。

パネルディスカッションの後、シンポジウムの出席者はOISTの新キャンパスと研究室の視察を行いました。

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パネルディスカッション
パネルディスカッション
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平良敏昭氏(中央)
平良敏昭氏(中央)
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ジュリー・マイヤー・ライト氏
ジュリー・マイヤー・ライト氏
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北野宏明博士
北野宏明博士
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塚本芳昭氏(中央)と宮田満氏
塚本芳昭氏(中央)と宮田満氏
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サス・ソメック博士
サス・ソメック博士

 

 
パネルディスカッション
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日本語

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英語

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オリジナルオーディオ(吹き替え無し)

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  パネリスト履歴

 

  シンポジウムプログラム

 

ワークショップ

 

シンポジウムの後に1日半にわたって開催されたワークショップでは、海外からの21名を含む35名の有識者及び関係者によって、内外の先進事例などを踏まえ、沖縄における産学連携・起業などの将来像や大学院大学が果たし得る役割等が話し合われました。ワークショップは計3つのセッションから構成され、セッションIでは「知的・産業クラスター」の形成全般について、セッションIIでは「イノベーションと起業の基盤づくり」について、そしてセッションIIIでは「クラスター形成のシナリオ及びパイロットケース」と題して議論を深めました。各セッションは、それぞれ3グループに分かれて、OISTを中心とする沖縄における知的・産業クラスター形成に向けた現実的でかつ具体的な方策について活発な議論や意見交換を行うとともに、セッションの合間には参加者全員による全体会合を開いてワークショップの成果の集約を行いました。

 ワークショップ日程

シンポジウムとワークショップの報告書を読む:    日本語      英語  

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